2024.04.18NTTリーグワン2023-24 D2 4〜6位 順位決定戦 第1節 RH大阪 vs 釜石SW-見どころ

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン2 4〜6位 順位決定戦 第1節
2024年4月19日(金)19:00 ヨドコウ桜スタジアム (大阪府)
レッドハリケーンズ大阪 vs 日本製鉄釜石シーウェイブス

レッドハリケーンズ大阪(D2)

入社式を終えたばかりの新人がつかんだ初先発。
「すべてを出す」と誓ったデビュー戦へ

レッドハリケーンズ大阪のルーキー山口泰輝選手。帝京大学では副キャプテンを務めた(写真提供/レッドハリケーンズ大阪)

4月19日(金)、レッドハリケーンズ大阪(以下、RH大阪)は、日本製鉄釜石シーウェイブスを迎え、ディビジョン2の4~6位 順位決定戦第1節をヨドコウ桜スタジアムで行う。試合は19時キックオフ。RH大阪にとっては、ジャパンラグビー リーグワンのホストゲームで初めてのナイトゲームとなる。

試合に臨むRH大阪のメンバーにも、“リーグワンで初めて”の選手が入った。今季アーリーエントリーで登録され、4月初旬に入社式を終えたばかりの山口泰輝。今節背負うのは、15番。ジャパンラグビー リーグワンでのファーストキャップを先発出場で獲得することになる。

山口は長崎北陽台高校を卒業後、生まれ育った長崎県を離れ、帝京大学に入学。3年生の春、まだ試合のメンバーに入ったり入らなかったりしているころ、最初に声を掛けたのがRH大阪だった。「自分を使ってくれるチームがあるならば、どこにでも行く」と決めていた山口。その年の冬には全国大学ラグビーフットボール選手権大会の決勝戦にもフルバックで先発し、帝京大学の2連覇に貢献。4年生になると副キャプテンも務め、今年1月の3連覇に貢献して国立競技場で胴上げされたのちに、RH大阪に加入した。

チームに合流したのは、3月5日。いつチャンスが巡ってきてもつかめるよう、準備した。準備する上で「一番苦労したのは、チームのサインプレーのコールを覚えること」。当然、大学で使っていたものとは違う。けれど、それを理解できなければ、チームの一員として機能することはできない。バックスの選手に何度も聞きながら、早く覚えられるよう努力した。

その努力が実っているかどうかを試すチャンスは、今節のちょうど1週間前、4月12日に巡ってきた。RH大阪は、豊田自動織機シャトルズ愛知との練習試合を行い、山口は控えから途中出場。マット・コベイン ヘッドコーチは、山口について「冷静で、ボールがないところでも自分の役割を務めてくれる。また、ここぞというときには、自分の持つスピードなどの能力を発揮してくれる」選手だと評価。そして、「合流してからの数週間で、しっかりチームに馴染んでくれた」ことも高く評価し、今節での先発起用となった。

その練習試合で山口は、「大学ラグビーとは、スピードもフィジカルも違う」ことを肌で感じた。その一方で、「2対2や1対1など、同じ人数での局面では、自分の力を発揮できる」という手ごたえも得た。チャンスを確実につかんで今節の先発出場となったが、舞い上がる様子も気負う様子もなく、ただ真摯に「チームの代表として出場させてもらうので、自分の持っている力をすべて出す」ことを固く誓った山口。怯むことなくチャンスメークし、山口自身にとってもチームにとっても“リーグワンで初めて”の試合を良きものにしたい。

(前田カオリ)

日本製鉄釜石シーウェイブス(D2)

最後のプレーで勝敗を決した2戦を経て。
生まれてくる息子のためにも1勝を

日本製鉄釜石シーウェイブスのセタ・コロイタマナ選手。体重122kgのNo.8はこの試合リザーブから出場をうかがう

ディビジョン2の4~6位 順位決定戦は4月19日に第1節を迎える。日本製鉄釜石シーウェイブス(以下、釜石SW)はレッドハリケーンズ大阪(以下、RH大阪)とのビジターゲームをヨドコウ桜スタジアムで戦う。今季のリーグ戦で大接戦を繰り広げた両者による因縁の対決第3ラウンドは激戦必至の注目カードとなる。

第2節のビジターゲームでは後半42分、ラストプレーでペナルティゴールを決められて逆転負け。第9節のホストゲームでは5点ビハインドの後半40分にトライを決め、コンバージョンゴールを決めれば逆転かに思われたが、TMO(テレビジョンマッチオフィシャル)の結果、トライ直前のプレーにスローフォワードがあったとして取り消しとなり、惜敗。勝利に限りなく迫ったが、あと一歩、いや半歩及ばなかった。

この2試合、ノーサイドの瞬間をピッチで味わった一人がセタ・コロイタマナだ。

「ミスで代償を払う結果になってしまいました。どちらの試合も最後のプレーで勝敗が決まる結果になりましたが、振り返ると2試合とも立ち上がりに失点を重ねてしまったことが、終盤を優位な状況で迎えられない原因になったと思っています」

試合を振り返り、悔しそうな表情も見せた一方で、「立ち上がり10分でいいプレーをし、得点を奪っていきたい。ベストを尽くせば勝てる」とまっすぐな眼差しで頼もしい言葉を残した。

シーズンも佳境だが、その先にはプライベートでのビッグニュースも待っている。6月に待望の第一子が誕生する予定なのだ。「すごく楽しみだし、幸せ。男の子なので、絶対にラグビーをさせます!」と生まれる前から青写真の想像が止まらない様子。生まれてくる子のためにも、大好きな釜石SWのためにも、今節の勝利、そしてD2残留を誓う。

須田康夫ヘッドコーチから「セタ(・コロイタマナ)の力をどこで投入するかも勝敗の大きなポイントになる」とキーマンの一人に挙げられるセタ・コロイタマナ。土壇場に強い釜石SWをけん引するような力強いボールキャリーは必見だ。

(髙橋拓磨)


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