2024.04.19NTTリーグワン2023-24 D1 1〜3位 順位決定戦 第1節 浦安DR vs S愛知-見どころ

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン2 1〜3位 順位決定戦 第1節
2024年4月20日(土)14:30 ゼットエーオリプリスタジアム (千葉県)
浦安D-Rocks vs 豊田自動織機シャトルズ愛知

浦安D-Rocks(D2)

しびれる戦いを前に現れた浦安DRの“新風”。
ドキドキよりもワクワクの初キャップへ

東海大学からアーリーエントリーで加入した浦安D-Rocksの何松健太郎選手。ポジションはセンター。23番でメンバー入りを果たした(写真提供:浦安D-Rocks)

リーグ戦を首位で通過した浦安D-Rocks(以下、浦安DR)は、順位決定戦の2試合をホストゲームで開催する権利を獲得。その第1戦では、千葉県のゼットエーオリプリスタジアムでリーグ3位の豊田自動織機シャトルズ愛知と対戦する。

順位決定戦の2試合に入替戦の2試合と、ここからしびれる試合が連続するタイミングで浦安DRに新しい風が吹き込まれる。今年1月にアーリーエントリーとして登録され、この4月からチームに本格的に合流した何松健太郎が、今節のメンバー入りをつかんだ。大学時代はコロナウイルスの影響でラグビーをできない時期やけがに悩まされる時間があるなど一度は「無理かな」とあきらめかけたジャパンラグビー リーグワンの舞台。いま、その中に飛び込み、プレーのメリハリや判断スピード、コンタクト強度などに日々、先輩たちとの差を痛感しながらも「本当に夢のようですごく楽しい」と話した新人は、その経験をかみ締めながら過ごしている。

「プレータイムを増やすことやいいパフォーマンスを発揮することなどを意識しています。ハンドリングなどスキル面はやっていける感触もありますし、(センターという)ポジション柄、コンタクトで大柄な外国籍選手に勝つのは難しくても対等に渡り合い、穴にならないようにやっていかないといけないと思っています」

昨季、ディビジョン1昇格を逃した浦安DRからすれば、今季の勝負はここからが本番と言っていい。そんなシチュエーションでの抜擢にも「そう考えたら緊張せざるを得ないと思いますけど、自分はずっと試合に出たかったので、そこまで深く考えずにいつもどおりの気持ちでいます。最初は緊張するかもしれないですが、コンタクトすればそれも忘れると思いますね。まあ、いつもあまり何も考えていないので(笑)」。心の内にあるのは、ドキドキではなくワクワクのようだ。

「特徴的なものがある選手ではない」と自らを評し、だからこそ、「細かい、見えない仕事をミスなく突き詰めチームにいい影響を与えたい」と何松。怖いもの知らずの“なにけん”(何松の愛称)が、いまかいまかと記念すべき1キャップ目を待ちわびている。

(須賀大輔)

豊田自動織機シャトルズ愛知(D2)

今季2敗を喫した相手に“逆転”を期す戦い。
成長を追い求める選手たちが成果を示す

豊田自動織機シャトルズ愛知に新加入の松岡大河選手。ポジションはウイングだ

豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)の重要な2試合が始まる。1~3位 順位決定戦第1節の相手は、今季2敗を喫した浦安D-Rocks。この一戦で勝利を得ることで、リーグ戦での結果からの“逆転”も見えてくる。

チームは3月30日に行われたリーグ戦最終節からの約3週間で、2試合のトレーニングマッチを実施。これまであまり試合に絡めなかった選手を含め、ほとんどの選手がアピールの機会を得た。両試合とも充実の勝利を収めており、残り試合に向けての準備はできている。

その2試合でアピールに成功し、今節のメンバー入りをつかんだのが、京都産業大学から加入した松岡大河。171cmと小柄ながら、力強い走りと相手を惑わすステップが特徴のウイングだ。「加入したときからずっと試合に出たい思いがありました。自分の力がどれだけ通用するか楽しみです」と意気込んでいる。

今春から社会人としての道も歩み始めた松岡大河。4月初旬に入社式を行い、しばらくの間は社内の研修で練習に参加ができていなかった。そんな中でも練習試合には出場しており、ぶっつけ本番状態でプレー。「研修が終わったら体を動かして、サインも覚えて、結構大変でした」と明かす。ラグビー選手としても社会人としても、真摯に向き合ってきた結果が生んだメンバー入りだった。

また、今節スクラムハーフで先発する末拓実は昨季、けがで満足いく出場機会を得られなかった。今季は第3節で初出場を果たすと、直近の3試合は先発出場を続けている。「純粋にラグビーができることがうれしい」と話す26歳は、けがでプレーができなかったときに得た「ラグビーを俯かん的に見る」という経験を自身の成長につなげることができた。

今季、豊田自動織機シャトルズ愛知のスクラムハーフとして先発出場を続けている末拓実選手

「チームメートもそうですし、D1でプレーしている代表クラスの選手のプレーを参考にしています。コミュニケーションが必要なポジションなので、グラウンド外でも積極的に話し合っています」(末)

ラグビーをプレーしていないときでも、プレーヤーとして成長できる機会は転がっている。S愛知にはそれを逃さず、どん欲に成長と勝利を追い求める選手がいる。

(齋藤弦)


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