NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第5節(リーグ戦) カンファレンスB
2025年1月18日(土)12:00 スピアーズえどりくフィールド(江戸川区陸上競技場) (東京都)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ 26-18 リコーブラックラムズ東京
若き才能の躍動とベテランの安定感。“えどりく”不敗神話は『19』に
戦いへの期待感は観客動員数という分かりやすい数字になって表れた。前売りチケットはソールドアウト。澄んだ陽の光が真冬の寒気を溶かす中、“聖地”スピアーズえどりくフィールド(江戸川区陸上競技場)の客席はオレンジ、そしてブラックをまとった4,484人超満員札止めのファンで埋め尽くされた。
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)はスタンドオフの岸岡智樹が15番、さらにはチームに加入したばかりの“シューター”ことショーン・スティーブンソンがさっそくベンチ入り。対するリコーブラックラムズ東京はワールドクラスのスクラムハーフ、TJ・ペレナラが10番に。双方ともにイレギュラーなチーム編成で臨むことになった。
一見すると、それはチャレンジングな采配のように思える。しかし、今季のS東京ベイにとってそれは決して冒険的なものではない。苦戦を強いられ、前年度の優勝から6位と大きく後退した昨季。そこで得た学びとプレシーズンに積み上げたチーム力。そうした基盤の上に、すべては構築されている。
昨季入団したばかりであるにもかかわらずレギュラーに定着した感のある江良颯や為房慶次朗。かつて立川理道、ライアン・クロッティが背負っていた12番、13番には廣瀬雄也、リカス・プレトリアスが立つ。昨季、苦しみの中で育まれた新たな希望。いま、ニュージェネレーションの台頭が、チームに新たな勢いをもたらしている。
「こうして出場を続けられているのはコーチ陣、そしてチームみんなのおかげです。昨季はいいプレシーズンを過ごせて、いい準備ができました。今季の私たちのスローガンは『TAKE YOUR SHOT』ですが、チームのために毎試合、ショットしていきたいです」(プレトリアス)
そしてこの試合では、過去2戦で観る者の心臓をこするような接戦を展開してきた難敵から力強い勝利。昨年11月のフランス代表戦以来、約2カ月ぶりの戦線復帰となった立川は次のように語る。
「昨シーズンで得た学びをプレシーズンで話し合いながら乗り越えて、今シーズンに臨みました。チーム力は良くなっていると思います。まだ評価をする段階ではないかもしれませんが、ここまでの5戦、タフなチームを相手に勝ち越せたのは大きいと思います」
S東京ベイが不敗神話を築く“えどりく”。同会場での連勝記録はこれで19に伸びた。若き才能の躍動とベテランの安定感が融合し、チームは新たなステージへと駆け上がろうとしている。
(藤本かずまさ)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
フラン・ルディケ ヘッドコーチ
「まずはホームグラウンド(ホストスタジアム)で勝つことができました。これはとても大事なことです。ファンの方々がたくさん訪れてくれた試合で、クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)のスタイルを見せることができました。選手たち、特にリーダー陣を称えたいと思います。前半は、リコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)さんを称えたいです。私たちは、BR東京さんに接点でやられてしまいました。後半は私たちがコンタクトの部分を修正し、私たちがやりたいラグビーを遂行することができたので、この結果につながったのだと思います」
──ホストスタジアムのスピアーズえどりくフィールド(江戸川区陸上競技場)で勝ち続けている理由はどこにあるのでしょうか。
「まずは自分たち自身のモチベーションにあると思います。一貫性のあるパフォーマンスを発揮したいという思いがある中で、試合の中でも学びがあり、そうした中で自分たちのスタンダードを遂行できたことが今日も結果につながったのではないかと思います。
また、やはりオレンジアーミー(S東京ベイのファン)の方々や会社の方々に誇りに思ってもらえるような試合がしたいというところも理由だと思います」
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
ファウルア・マキシ キャプテン
「フランヘッドコーチが言ったとおり、ひさびさの“えどりく”での試合で、とてもうれしく思います。たくさんのオレンジアーミーのサポートが、自分たちの力になりました。
内容については、今日はすごくタフな試合になりました。前半は自分たちのペースにもっていくことができませんでした。しかし、ハーフタイムでしっかりと修正して、後半は良い入りができ、最後まであきらめずに戦って勝ち切れたので、すごく良かったと思います」
──今日はプレーヤー・オブ・ザ・マッチにも選ばれました。今季、調子が良い要因は何だと思っていますか。
「特に何かをやっているわけではなく、これは試合だけでなく準備でもそうなのですが、目の前にあることにフォーカスして自分の仕事を遂行するだけです。いつもどおりやるだけです」
リコーブラックラムズ東京

リコーブラックラムズ東京
タンバイ・マットソン ヘッドコーチ
「いいエフォート(努力)を見せたのに、結果につながらなかったのはとても残念です。本当に残念ではありますが、それでも私は彼らが見せてくれたエフォートを誇りに思います。
今日もとても素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた選手がたくさんいました。そうした中で私たちは相手にプレッシャーを掛けることができましたが、うまく吸収されてしまったといいますか、S東京ベイさんはチャンスを生かして、最後は素晴らしいディフェンスを見せていました。
また、今日も裏にキックを入れられて、かなり苦しめられました。そこは次の連戦に向けて、バイウィーク中にビッグフォーカスすべき点になるかと思います」
──TJ・ぺレナラ選手を10番で起用した理由について教えていただけますか。
「ディシジョン(判断、決断)の一つの理由としては、先週に何名かけが人が出てしまった中で、バックスリーを安定させることが重要だと考えました。(伊藤)耕太郎も、成長中のすごく良い10番です。また、(TJ・ペレナラがスクラムハーフで先発することでリザーブになっていた髙橋)敏也も、ずっと辛抱強く待ってくれています。TJも、ワールドクラスのコンペティターでゲームドライバーです。これは簡単なディシジョンでした」
リコーブラックラムズ東京
TJ・ペレナラ ゲームキャプテン
「この試合でもいいスタートを切ることができ、しっかりと練習してきたことを高いレベルで出すことができました。そこから得点もでき、相手にプレッシャーを掛けることもできたと思います。しかし、特に前半のディシプリン(規律)のところは少し残念でした。ディシプリンによって相手にプレッシャーを掛けさせるチャンスを与えてしまいました。またペナルティからショットも狙われてしまい、得点につながれてしまいました。前半のあのディシプリンの部分は、私たちにとってレビューポイントになると思います。
一方で、たくさんのポジティブな面もありました。ここまで1勝4敗という成績で、私たちが求めている結果は出せていませんが、4敗している中でも勝てるチャンスはしっかりとあったと思います。良い部分もたくさんあったことをしっかりと理解する必要があると思います。そういった良い部分はしっかりと出していき、いいエフォート(努力、諦めないプレー)を続けた上で、また勝てるように次につなげていきたいと思います」
──今日の試合に10番で出場する上で考えた点、また実際にプレーした感想を聞かせてください。
「キーフォーカスしたことは、みんながゲームに入りやすいように勤めることでした。ゲームドライバーとしてチームを良いポジションに導いたり、選手に良いキャリーをさせてあげたり……。そういったことを考えながらプレーしました。
とても楽しめました。9番のトシ(髙橋敏也)、12番のイケ(池田悠希)、15番の(伊藤)耕太郎もすごくいいパフォーマンスを見せてくれました。そういう素晴らしい選手に囲まれて、とてもやりやすかったです」