NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン2 第4節
2025年1月25日(土)13:00 ハワイアンズスタジアムいわき (福島県)
日本製鉄釜石シーウェイブス vs 花園近鉄ライナーズ
日本製鉄釜石シーウェイブス(D2)

前節、逆転で今季初勝利を手にした日本製鉄釜石シーウェイブス(以下、釜石SW)。今節は1月25日、福島県いわき市のハワイアンズスタジアムいわきで行われる花園近鉄ライナーズとのホストゲームに臨む。
この試合に向け、内なる炎を手懐けようとしている男がいる。それが川上剛右だ。
今季新加入の川上は開幕戦に先発出場した。しかし前半13分、ヘッドコンタクトを犯してしまい、これがレッドカードの判定。釜石SWは後半に反撃したものの4点及ばず黒星を喫した。
「もう、パニックでした。何より仲間を(交代可能になるまでの20分間を14人で戦わせてしまうという)苦しい状況にしてしまったことへの申し訳なさと悔やみ切れない思いでいっぱいの状況でした」
まさに茫然自失の状態。これまでのプロキャリアで「カードをもらったことがない」川上は「本当に気持ちが落ちていた」。そんな窮地を救ったのは仲間たちの存在だった。
「試合中も、帰りの飛行機やバスの中でもチームメートやスタッフのみんなが、『お前が思い切ってプレーした結果だから気にするな』という言葉をわざわざ掛けに来てくれて。本当にうれしかったし、救われました」
東福岡高校で3年間を過ごした川上にとって、ベスト電器スタジアムでのプレーは高校時代以来。当時を知る面々も観戦に訪れていた。加えて新チームでのファーストキャップでもある。無意識のうちに気負いがあったのかもしれない。2試合の出場停止から復帰する今節も「前回迷惑をかけたぶんを取り戻したい」という気持ちが入るシチュエーションになるが、「このセルフコントロールを学びとして、自分の役割を果たしていきたい」と内なる闘志を鎮めるように明かしてくれた。
出場停止の期間は考えに考え抜いた。自分はチームに対して何ができるのか。どんなことを期待されて起用されるのか。ある意味ではその答え合わせともなり得る今節。「周りの人たちに支えられている」ことをあらためて強く実感したという川上はチームのために泥臭く、体をぶつけ、走る。勝利すればリーグワンのレギュラーシーズンではクラブ初の連勝となる試合に、頼もしいウイングが戻ってきた。
(髙橋拓磨)