NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン2 第8節
2025年3月15日(土)14:30 江東区夢の島競技場 (東京都)
清水建設江東ブルーシャークス vs 花園近鉄ライナーズ
清水建設江東ブルーシャークス(D2)
3月15日(土)、清水建設江東ブルーシャークス(以下、江東BS)は、花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)をホストに迎える。ディビジョン2は後半戦が始まり、今節は前節に続く花園Lとの連戦。その前節で劇的な勝利を収めた江東BSにとっては、連勝を飾って勢いを確かなものにしたい。
29対29の状況で後半40分を告げるホーンが鳴った。その直後、江東BSは最後のワンプレーにかけた。左右に攻め手を探り、わずかなスキを見逃さずにトライラインに飛び込んだのは、後半19分から投入された田森海音だった。
試合終盤、体力が削られる中で集中を切らさず戦い続けることが、江東BSにとって大きなテーマだった。その難局を突破し、勝利を手繰り寄せた要因は何だったのか。田森は言う。
「相手も疲れていますし、自分たちも疲れている中で、やはり全員が『トライを取るんだ』と、同じ方向を向いて動けたのが一番大きいのかなと思います。ゴール前まで行くと、スキル的な部分というよりは、マインド的な部分が大事だと思うので、そこで勝ったと思います」
しかし、勝利に浮かれることなく「まだ後半20分以降を克服したとは言えない」と厳しく現状を見据える。だからこそ、今節の花園L戦は、真価が試される一戦となる。
江東BSの選手たちは、会社員としての仕事とラグビーの両立に挑む社会人選手だ。彼らのモットーは「社業とラグビー、双方に高い目標を掲げること」。この厳しさに魅力を感じ、田森は江東BSの門を叩いた。明治大学のフッカーとして2021年度の大学選手権準優勝、U20日本代表にも選出された経験をもつ彼にとって、ラグビーだけに集中できるチームを選ぶことは簡単だったかもしれない。しかし、彼はあえて、社会人としてもラガーマンとしても全力を求められる環境を選んだ。
社会人選手としての生活は決してラクではない。「朝は仕事で早く、夜は練習のため遅い。慣れることはなくて、ずっとしんどい」と言う。しかし、チームは確実に成長してきた。社会人1年目、D2で戦っていた当時は「正直、全然勝てる気がしなかった」。D3での1年を経て、今季はD2で“戦えている”実感があるという。
「年々選手の意識も変わっていると思いますし、チーム内の競争もすごくレベルが上がってきているなと感じます」
前節の勝利が、偶然ではなく必然だったと証明するために。全力を尽くすフッカーの覚悟を、もう一度見たい。
(奥田明日美)