NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン2 第13節
2025年5月3日(土)13:00 KUROKIRI STADIUM (宮崎県)
九州電力キューデンヴォルテクス vs 清水建設江東ブルーシャークス
清水建設江東ブルーシャークス(D2)

5月3日(土)、清水建設江東ブルーシャークス(以下、江東BS)は、九州電力キューデンヴォルテクス(以下、九州KV)とビジターで対戦する。舞台は、4月に完成したばかりの宮崎県「KUROKIRI STADIUM(クロキリスタジアム)」。4階建て・収容人数1万5276人という壮大なスタジアムで、リーグワンの公式戦が宮崎県内で初めて開催される記念すべき一戦だ。
試合の重要性は言うまでもない。江東BSは現在6位、対する九州KVは7位。勝敗によって順位が入れ替わる可能性があり、D2/D3入替戦が現実味を帯びる中、両チームとも一歩も引けない戦いとなる。
両者の因縁も、この試合に重みを加える。2年前のD2/D3入替戦では、江東BSが九州KVを上回れず、D2からD3に降格した。その記憶はいまもチームに刻まれている。だからこそ、江東BSにとっては、単なる公式戦を超えたリベンジの意味をもつ一戦でもある。
さらに特別な意味を添えるのが、試合会場そのものだ。KUROKIRI STADIUMは、2027年に開催される第81回国民スポーツ大会・第26回全国障害者スポーツ大会のメインスタジアムとして建設された最新の施設。その施工を手がけたのが、ほかならぬ清水建設である。
江東BSを率いる一般社団法人清水建設江東ブルーシャークス代表理事・豊田桃介氏は、こう語る。「当社が施工に携わった完成したばかりのスタジアムで、最初にラグビーの試合をさせていただくことは大変名誉なことであると感じています。『クロキリスタジアムでの最初のラグビーの試合はブルーシャークスとキューデンヴォルテクスが戦ったんだ』とファンの方々の記憶に残る試合をしたいと思います」。
そしていま、その特別な舞台に立とうとしている若き選手がいる。社会人2年目を迎えた金築達也だ。2年前、江東BS加入を決めた直後、金築はスタンドから九州KVとの入替戦を見つめていた。
打ちのめされるチームの姿に、胸の奥に悔しさが刻まれたという。その翌年、アーリーエントリーでD3の試合を経験し、今季はD2でここまで12試合中9試合に出場。着実に存在感を示し、チームの中核へと成長してきた。
「いまでも、試合に出られるのは当たり前のことではない」と語る金築の姿には、覚悟と責任がにじんでいる。
4月からは営業職として本配属され、名刺を手に“顔を売る”日々が始まった。そんな彼が挑むのは、まさに“顔を売る”にふさわしい舞台。KUROKIRI STADIUMだ。
仕事を通じて、大きなスタジアムをつくり上げる苦労を知るからこそ、完成したばかりのフィールドに立つことの誇りは人一倍だろう。全員でつないできた楕円球を、次は若きスクラムハーフが未来へと運ぶ番だ。
(奥田明日美)