NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第17節(リーグ戦)カンファレンスA
2025年5月3日(土)14:00 ヤマハスタジアム (静岡県)
静岡ブルーレヴズ vs 浦安D-Rocks
浦安D-Rocks(D1 カンファレンスA)

前節は、苦手としていた横浜キヤノンイーグルスに0対21から逆転勝ちして、プレーオフトーナメントに向けてさらに自信を深めた静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)。今節の浦安D-Rocks戦に勝てば4位以上が確定するという状況になり、ヤマハスタジアムでの今季のレギュラーシーズンホストゲーム最終戦ということもあって、“聖地”でクラブ初の4連勝をつかみ取ることが絶対的なミッションとなっている。
ただ、プレーオフトーナメントを最後まで戦うとなると、前節から6週連続の試合となるため、疲労を考慮し、前節からスタメンを大きく入れ替えた。
「モーターズで試合に出たいとすごく頑張ってくれている選手がたくさんいるので、今節のような難しい試合こそ、そういう選手のエナジーが欲しいと思っています」と藤井雄一郎監督はここで出番を得た選手がもたらす新鮮なパワーに期待している。
「モーターズ」というのは静岡BR独自の用語で、練習で赤いジャージーを着て相手役を務めるノンメンバー選手たちのこと。今節では、そのモーターズだった状況から三浦駿平と桑野詠真がメンバー入りした。特に三浦は、ここまでけがもあって出番に恵まれず、2022年4月のトヨタヴェルブリッツ戦以来の出場となる。
「昨季の最後はけが明けでプレーもうまくいかなくてメンタルがガタガタになっていました。でも、そこでコーチ陣や先輩方といろいろな話をする機会があって、自分にベクトルを向けてやり続けることが大事だということを気付かせてもらいました。今季は自分のやるべきことにフォーカスして、自分の成長につなげることができていると思います」と三浦は苦しかった時期を振り返る。
体作りはもちろん、攻守におけるコンタクトスキルにも磨きを掛け、ラインアウトの成功率も高めてきた。静岡BRでは昨季から『モーターズ・アワード』という賞を設けて、毎節モーターズの中で最も貢献や活躍が目立った選手を表彰しているが、三浦は今季それを2回受賞している。彼の努力や取り組む姿勢はコーチ陣にもしっかりと評価されており、それが今節の先発にもつながった。
「練習でやってきたことしか出せないし、やってきたことは間違ってなかったと思うので、いつもどおり自分がやるべきことをフォーカスしてやり抜けば、それが結果的に良いパフォーマンスにつながると信じています」と三浦は静かに闘志をたぎらせている。
今季はバイスキャプテンを務める桑野も、第8節以降はけがもあって出番に恵まれず、悔しいシーズンを過ごしてきた。だが、決して腐ることはなく、最近はモーターズの中で自分の役割を果たしてきた。
「もう一度しっかり自分の強みを出すこと。それはセットピースとディフェンスのワークレートの部分、とくにレヴズの強みであるスクラム、モールで浦安DRをドミネートしていくところを体現したい。本当に死ぬ気でいくぐらい自分の仕事をやりまくるだけです」と熱い言葉を発する。
藤井監督が期待するエナジーという面で、彼らが強力なけん引役になってくれることは間違いないはずだ。
(前島芳雄)