NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン2 第14節
2025年5月10日(土)12:00 ウェーブスタジアム刈谷 (愛知県)
豊田自動織機シャトルズ愛知 vs 花園近鉄ライナーズ
花園近鉄ライナーズ(D2)
前節のNECグリーンロケッツ東葛との直接対決に勝利したことで2位に浮上し、今節で勝利すれば、自力でD1/D2入替戦への進出を決められる花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)が、豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)との大一番に挑む。
「開幕戦で当たったチーム(状況)とは絶対に違います」
大言壮語を好まないはずの向井昭吾ヘッドコーチは、崖っぷちの状態からの6連勝での2位浮上につなげた選手たちへの信頼を語った。
今季のディビジョン2の開幕戦では20対24で競り負けているS愛知との最終節は花園Lにとってリベンジマッチでもあるが、松田一真にとっても、特別な一戦だ。
フッカーながら今季のトライ数はチーム5位タイの5つ。攻守両面でシーズン終盤の快進撃を支えている一人ではあるが、開幕戦で敗れたあとの2試合はリザーブメンバーにも入れず、悔しい思いをかみ締めてきた。
「(S愛知戦の)セットピースの問題で、僕の足りない部分が見られたので普通にメンバーから外れていました」
ただ、日々の練習でも居残りでスクラムやラインアウトのスローイングの練習を欠かさない松田は、再びはい上がってきた。「悔しさをバネにして、プラスになって帰ってきました」と向井ヘッドコーチも、その力を認めたが、フッカーとしては小柄で170cmの松田を支えるのは「僕はフッカー一族です。みんな、そんなに大きくないですけど」という家庭環境だ。
父と叔父、そして兄はいずれもフッカーとしてプレー。「気が付いたら僕もフッカーをしていました」とごく自然に体を張るポジションで、楕円形のボールを追い続けてきた松田は、「プレッシャーはありますけど、やりがいはあります。ライナーズではスクラムが強くないといけないのでそこはプライドをもっていますね」と筋骨隆々の胸を張った。
セットピースにおける彼の安定感はS愛知戦でもカギになる。
開幕戦で体をぶつけ合ったS愛知の強さは熟知しているが、「フォワードのバトルだと思っています。しっかりと体を当てて、堅実に前に出てチームに貢献したいと思います」。
“フッカー一族”のプライドをもつ小兵も、大一番を前に向井ヘッドコーチと同じ言葉を口にした。
「あのときとは違うライナーズを見せられると思います」(松田)
S愛知へのリベンジに成功したとき、花園Lは残り1枚しかない入替戦へ切符を手にすることになる。
(下薗昌紀)