NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン2 第11節
2025年4月12日(土)12:00 ヤンマースタジアム長居 (大阪府)
レッドハリケーンズ大阪 vs 花園近鉄ライナーズ
花園近鉄ライナーズ(D2)
2試合連続で失点を一ケタに抑え、3連勝と波に乗る3位の花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)がレッドハリケーンズ大阪(以下、RH大阪)とのビジターゲームに挑む。
ディビジョン2の上位2チームが参戦資格のあるD1/D2入替戦に向けて一戦必勝のスタンスは変わらないが、ホストゲームで敗れている”大阪ダービー”だけに目指すのは当然リベンジである。
攻守の歯車がガッチリかみ合ってきた花園Lで、今節は昨年8月に加入したミッチェル・ブラウンがナンバーエイトで先発する。
「NPC(ニュージーランド州代表選手権)のタラナキでプレーして以来になりますね」
横浜キヤノンイーグルス時代にはフランカーやロックを主戦場としてきたブラウンにとって、来日後初めてのポジションでのプレーは、復調中のチームを支えていたアキラ・イオアネの負傷によって巡ってきたコンバートだった。
ただ、単なる”代役”ではないことは向井昭吾ヘッドコーチの言葉が雄弁に物語る。
「ミスをしない、ペナルティをしない、そして(守備の)リアクションを早くする。今季のターゲットにしていたこの3つができる選手を選んだ。ただ、それだけですよ」
忠実かつ献身的にチームを支えてきたブラウンは、新天地となった花園Lではプレーだけでなく、その背中でもチームに好影響をもたらしている。
「花園Lにプロ選手としてのスタンダードをもたらしたと思っています。若い選手も多いので、彼らに対してプロフェッショナルな意識や態度を示してきました」とブラウンは胸を張る。
26歳の岡村晃司はチームの中堅だが「人柄も優しいし、いつもニコニコしているけど、ピッチに入ると相手を倒すという闘志を見せてくれますし、その意識がチームに浸透してきた感はあります」と、ブラウンの存在感を語ってくれた。
ホストゲームでは17対36で完敗を喫した前回のRH大阪戦ではメンバー外だったミッチェル・ブラウン。勝利が不可欠な大一番で巡ってきた大役にも、気負いはまったくない。
「付ける背番号が違うだけで、役割は大きく変わりませんから。ロックでもフランカーでプレーするときでも一緒。ディフェンスで高いワークレートを出すことです」
ピッチ内で見せる激しさからは想像もつかないジェントルマンな口ぶりには、秘めた自信と決意がにじみ出ていた。
(下薗昌記)