NTTジャパンラグビー リーグワン 2025-26
ディビジョン1 第1節(リーグ戦)カンファレンスB
2025年12月13日(土)13:00 秩父宮ラグビー場 (東京都)
リコーブラックラムズ東京 15-29 東京サントリーサンゴリアス
若い選手たちを正しい方向へと導く“羊飼い”。松橋周平が感じた敗戦の中での希望
リコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)は、秩父宮ラグビー場で東京サントリーサンゴリアスと対戦。秩父宮開催のホストゲームでチーム歴代2位となる14,441人の観衆が来場した中、15対29で敗れた。
前半を8対7でリードしながら逆転されてしまったこの一戦を、松橋周平は次のように振り返る。
「最後の20分はまったくアタックできていませんでした。どうしてアタックできていないのかが大事で、自分たちがエリアごとにやるべきことの精度で負けていたと思います」
昨季から大幅な入れ替えを行わずとも、ここまで積み上げてきたベースを軸に新シーズンを迎えたBR東京。だからこそ松橋も「自分たちらしいラグビーができていましたし、準備もできていました」と、開幕戦特有の難しさを感じず楽しみながら挑めていたと振り返る。
「ヘッドコーチも、誰と誰が一緒にプレーしていたか、ということを大事にしています。今季はそれがうまくできていると思うので楽しいです」
そしてチームは今季新たなキャプテンにTJ・ペレナラを据えつつ、共同バイスキャプテン3季目を迎えた松橋自身も「キャプテンのつもりでやっています」と強い意識で今季に臨んでいる。
「しっかり言わなければいけないときがあります。僕がチームで一番長く在籍しているので、大事だと思う部分はビシッと言うことを意識しています」
今節には24歳の高本とむや、22歳のラズロー・ソードといった若い選手たちが先発メンバー入りを果たした。「プレシーズンの段階から若いメンバーだということを自分たちは自覚しながらしっかり取り組めていました」と松橋も話すなど、チームとして育成しながら強化につなげる意向がある。
ただ、若い選手たちに経験を積ませることだけが育成とは言わない。彼らを正しい方向へと導く役割が重要だ。11月24日に32歳を迎え、選手としても円熟味を増すベテランにその期待は大きい。「ベースは一貫しているし、今シーズンもしっかり戦えると思います」。若きチームを松橋が先導していく。
(藤井圭)
リコーブラックラムズ東京
リコーブラックラムズ東京のタンバイ・マットソン ヘッドコーチ(左)、TJ・ペレナラ キャプテンリコーブラックラムズ東京
タンバイ・マットソン ヘッドコーチ
「自分たちにとっては非常に残念な結果でしたし、スコアも思わしくなかったです。特に試合の最後の30分、東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)さんのプレーが素晴らしかったと思います。その部分にはリスペクトもあります。相手にチャンスを与えると、しっかりそのチャンスをつかんできましたし、プレッシャーがイエローカードにつながる場面もありました。その結果、14人や13人で試合を進めることになりましたが、そういった状況で相手に展開されるのは簡単なことではありません。最後までしっかり戦ったと思いますが、試合の中盤でチャンスをしっかりつかみ切れなかった点が、結果として響いたのではないかと思います」
──若い選手を今日はかなり抜擢しましたが、彼らを起用した理由について教えてください。
「チームはすごく良いバランスを保っていると思いますし、若い選手たちがこれから伸びてくる可能性を感じています。ラズロー・ソード選手は特に運動能力が高く、高本とむ選手も部分的には素晴らしいプレーを見せてくれました。これからもコンディションを維持し続ければ、さらに成長し、チームとして一緒にビルドアップしていけると思っています」
リコーブラックラムズ東京
TJ・ペレナラ キャプテン
「東京SGも本当に良いチームで、プレッシャーを掛けられた部分もありましたし、チャンスをしっかりつかんできました。ただ、自分たちにも良い部分がたくさんあったと思います。それでも、その良いプレーを長時間続けることができなかった点が、この結果につながったのだと思います。こういった試合を勝てるようにするために、今後はその方法をしっかり身に付けていきたいと考えています。まだまだやれることはたくさんあると思っています」
──どうすれば勝利の流れにもっていけたのでしょうか。
「正確なスタッツは分かりませんが、攻守の切り替えもうまくできていなかったように感じます。ボールを持ったときの精度も課題だったと思いますし、ディフェンス面でも改善が必要だったと感じています。パッと思いつくのはそのあたりの部分です。さらに、イエローカードが2つ出てしまったのは、もちろんチームにとっては助けにならなかった点だと思います」
東京サントリーサンゴリアス
東京サントリーサンゴリアスの小野晃征ヘッドコーチ(左)、サム・ケイン キャプテン東京サントリーサンゴリアス
小野晃征ヘッドコーチ
「まず、両チームの関係者のみなさん、そしてファンのみなさん、今日はありがとうございました。チームとしては、開幕戦に向けて15週間練習してきたラグビーをお見せしたかったのですが、その中で波がありながらも、80分を通じて戦った結果だと思います。最後にピッチに立った選手たちが、信じていることを一つにまとめることができたのではないかと感じています。この結果を踏まえて、しっかりと反省し、もう一度リセットして次に向かいたいと思います」
──開幕戦に向けてどんな準備をしてきたのでしょうか。
「昨季と少し違って、7名の代表メンバーが10日前に合流したので、その点でメンバー同士の(連携)強化が必要でした。また、自分たちのラグビーのスタイルを80分間しっかりとやり切ることが求められました。その中でカオスが起こるのは当然だと思っていましたが、そういったときにキャプテンを中心にチームをまとめ、良い流れでも悪い流れでも、絶対に勢いは自分たちのほうに来るということを信じて、戦ってほしいという思いがありました」
東京サントリーサンゴリアス
サム・ケイン キャプテン
「開幕戦における緊張感は、今日の両チームにとって非常に大きかったと思います。プレシーズンでは、シーズンや開幕戦の緊張感を体験することは難しい部分がありましたが、そういった中で両チームともに思うようにいかない場面もあったと思います。その中で迎えた開幕戦で、最後に勝利できたことは非常に良かったと感じています」
──中盤以降にアタックがうまくいった要因は何だったのでしょうか。
「自分たちにできるのはボールキャリーの質のところです。競り合うところで勝って自分たちの型を貫きとおしていくことなどを調整できたのはすごく良かったです」



























