NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第1節(リーグ戦)カンファレンスA
2025年12月14日(日)14:30 日産スタジアム (神奈川県)
横浜キヤノンイーグルス 27-39 静岡ブルーレヴズ
誕生日の妻に捧げる“持ってる男”の先制トライ。敗戦にもその視線は次戦での勝利に向けられた
トップリーグからの通算で50キャップを達成、横浜キヤノンイーグルスの古川聖人選手昨季のレギュラーシーズン5位からのさらなる上位進出を目指す静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)が開幕戦で横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)に競り勝った。前半をリードされて後半に折り返した静岡BRは、後半2分のトライを皮切りに効果的に加点。合計スコア39対27で開幕戦を制した。
開幕戦の先発出場が節目の50キャップ(トップリーグ・リーグワン通算)。フランカーで先発した横浜Eの古川聖人は、チームの粋な計らいによって、先頭でグラウンドインを果たすと、日産スタジアムの場内アナウンスで50キャップ達成があらためて伝えられた。

「そういった場を設けていただいて、チームには感謝しています」と古川。キックオフ直前にスポットライトを浴びた背番号7は開始6分、いきなり見せ場を作った。右サイドのラインアウトからモールを組んだ横浜Eは相手を押し込み、最後は古川がトライ。50キャップのメモリアルマッチで自ら“祝砲”のトライを取った古川が先制点のシーンをこう振り返る。
「僕が何か特別なことをしたわけではないです。フォワード陣がモールで相手を圧倒しようとしていた中でたまたま僕が最後にボールを持ってトライした結果。フォワード陣全員で取ったトライです」
実は開幕戦当日は妻の誕生日。家族の“御前試合”でもあった節目でトライを取るあたり“持ってる男”の証だが、チームは最終的に無念の逆転負けを喫した。そのため、古川は「妻の誕生日と開幕戦が重なるタイミングだったので、余計に勝ちたかった」と敗戦に悔しさを募らせた。
試合後のロッカーではチームメートから「おめでとう」とたくさん声を掛けられた。それでも古川にとって、50キャップはあくまでも“通過点”。横浜Eには150キャップを超える田村優や100キャップを超える中村駿太ら、大先輩がいるため、古川はまだまだ背中を追い掛ける立場だ。
次の節目は100キャップ。その第一歩目となる次節の三菱重工相模原ダイナボアーズ戦へ。新体制初勝利を再び目指す古川は「開幕戦を振り返った上で自分たちにベクトルを向けてやっていく」と前を向いた。
(郡司聡)
横浜キヤノンイーグルス
横浜キヤノンイーグルスのレオン・マクドナルド ヘッドコーチ(右)、ジェシー・クリエル キャプテン横浜キヤノンイーグルス
レオン・マクドナルド ヘッドコーチ
「結果は悔やまれますが、プレシーズンの試合から成長した部分も多くありましたし、試合の中では誇れるものがあったと思います。具体的にはスクラムがストロングポイントである静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)さんを相手に互角以上に戦えたことを誇りに思っています。ゲームの中で相手にプレッシャーを掛けられた一瞬一瞬の状況の対応も誇りに思っていますが、ミスが出たことで相手のトライにつながる場面があったことは今後修正していきたいポイントです」
──継続的なアタックはできていた印象ですが、それがスコアにつながらなかった原因は何でしょうか。
「確かにチャンスは多く作りましたが、5回ラインアウトでミスをしたことが響きました。あとはアタックのセットアップができたにもかかわらず相手のディフェンスを越えられなかったことは課題です。ワイドのスペースを効果的に使うことができれば、相手に脅威を与えられるチームという印象は与えられたと思います。ただ、決定力の部分は修正ポイントです」
横浜キヤノンイーグルス
ジェシー・クリエル キャプテン
「レオンヘッドコーチと同じ思いです。もちろん成長しないといけない部分はありますし、相手にプレッシャーを掛けることのできる状況があった中でも途中でプレッシャーをリリースしてしまうようなこともあったため、そういった部分を修正したいです。開幕したばかりでまだまだ試合は残されています。今後の試合のことを思うと、私自身はワクワクしています」
──後半はノートライだったように、特に後半は厳しい展開になった印象です。
「静岡BRさんはフィジカルが強力なチームです。そんな相手に対して、正面から入って良いコリジョン(激突)ができたとは思いますが、1、2回のミスが相手のトライにつながり、相手の勢いに転換させてしまう場面がありました。リーダーである私の責任ですが、もっとディフェンスがうまくなりたいです。リーグワンはアタックが強いチームが多いですから、ディフェンスを修正しなければ、このリーグワンで勝っていくことは難しいです。ディフェンスはこれからの課題となります」
静岡ブルーレヴズ
静岡ブルーレヴズの藤井雄一郎監督(右)、家村健太ゲームキャプテン静岡ブルーレヴズ
藤井雄一郎監督
「開幕戦ということで最初は硬かったです。しっかりとアタックを仕掛けていこうと話している中で、ミスから相手にボールを渡してしまうこともありましたが、後半は修正することができました。その中でアタックに転じて、スコアを重ねることができたのは良かったですし、後半は相手をノートライで抑えることができたのも良かったです」
──開幕戦を勝利で終えて、昨季のチームから上乗せできていると思える点はどんなことでしょうか。
「クワッガ・スミスも起用できる状況でしたが、クワッガが不在でもチームとして崩れない力があることは見せられたと思います。またチャールズ(・ピウタウ)も無理すれば起用できる状況でしたが、彼が不在の中でも、後半に出た日本人選手たちが成長した姿を見せ、良い仕事をしてくれました。欠場者がいる中でも、チーム全体がレベルアップしていることを示したかったですし、家村(健太)も含めて、みんなが頑張ってくれました」
静岡ブルーレヴズ
家村健太ゲームキャプテン
「藤井監督のお話のとおり、キックオフレシーブの部分で相手にボールを渡してしまうことがありましたが、その中でも自分たちの強みであるアタックで相手に脅威を与えることはできました。後半のディフェンスは良かったのですが、シンビンになる場面があったことやペナルティによって、相手に時間を与えてしまうこともあったので、ゲームマネジメントや規律の部分をもっと突き詰めていきたいです」
──残念ながら負傷交代となりましたが、セミ・ラドラドラ選手と一緒に公式戦でプレーをして感じたことを教えてください。
「ボールを預けるとディフェンスがどんなにいても何らかのチャンスを作り出してくれるという選手です。普段はあまり話さない選手ですが、グラウンド上では周囲の状況を教えてくれ、ハドルでもいろいろな要求をしてくれます。チームとして非常に助かるバックス陣の一人です」



























