2025.12.20[釜石SW]“数字は追わない”。母校の誇りを胸に、淡々と、誠実に

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第2節
2025年12月21日(日)13:05 釜石鵜住居復興スタジアム (岩手県)
日本製鉄釜石シーウェイブス vs 日野レッドドルフィンズ

日本製鉄釜石シーウェイブス(D2)

福井県立若狭東高校出身、日本製鉄釜石シーウェイブスの伊藤大輝選手

「試合の前の週に言われたときだけ、ちょっと意識しました」

前節、リーグワンでの50キャップを達成した伊藤大輝は、少し照れたように笑った。節目の試合にも、特別な感情はもち込まない。「意識すると固くなっちゃうので」。その一言が、彼の人柄をよく表している。

リーグワン初出場は2022シーズンの開幕戦。三重ホンダヒート戦だった。

「正直、覚えていないですね(笑)。それくらい必死でした。自分がどれくらい通用するのかも分からなかったし、チームの立ち位置も分からなかった」

それでも、スクラムを組んだ瞬間、感触は悪くなかった。

「フィジカルも、セットピースも、『意外といけるな』と思えたんです」

手ごたえを感じたスタートから約4年。気づけば50試合が積み上がっていた。

一番印象に残っている試合を問うと、少し間を置いて伊藤は口を開いた。

「2022シーズンの日野レッドドルフィンズ戦ですね。順位決定戦で勝利して残留を決めた試合です」

名門相手にけが人が出る苦しい展開。それでもチームは不思議なほどまとまっていた。

「勝ったことがなかった相手だったので。あの一体感は、いまでも忘れられないです」

負ければ降格という土壇場での価値ある1勝は伊藤の胸に深く刻み込まれた。

昨季は接戦で敗れる試合が多く、“惜しい試合からの脱却”を期した今季の開幕戦。勝利こそならなかったが、内容は収穫十分で、特にラインアウト成功率は驚異的だった。10本以上を投げてミスはわずかに1本。伊藤自身はスローワーとしてノーミスを記録した。

「チームで“GOLD STANDARD”という言葉を掲げて、一つひとつのやるべきことを、高い質を伴ってプレーすることにこだわっています。ラインアウトに関してもよりシンプルなマインドで、決めたところに投げ切る。それがうまくいった試合でした」

その“割り切り”は、経験が教えてくれたものでもある。ベテランの域に差し掛かってきた31歳は、スクラムでは真ん中に立ち、若手とも熱心にコミュニケーションを交わす。

「若手の成長には頼もしいなと思いますし、刺激し合うことで良いチームに成長していきたいと思います」

そう笑顔を見せる伊藤が「特に最近強く感じ始めている」のが、地元、そして母校である福井県立若狭東高校の代表としての誇りだ。同校出身者でリーグワンに所属する選手は、彼とマツダスカイアクティブズ広島の富田凌仁の二人となった。

「自分のように高卒でもリーグワンで試合に出られる。その姿を後輩たちに見せたいです。彼らがリーグワンを目指すきっかけになったり、勇気をもってもらえたりしたらうれしいじゃないですか」

だから今日も、淡々と、誠実にプレーする。数字は追わない。ただ、やるべきことにフォーカスする。

「ラグビー、やっぱり好きなんですよね」

その言葉に、伊藤大輝のすべてが詰まっている。

(髙橋拓磨)

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