NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第2節
2025年12月21日(日)13:00 久留米総合スポーツセンター陸上競技場 (福岡県)
ルリーロ福岡 vs 狭山セコムラガッツ
ルリーロ福岡(D3)
NTTジャパンラグビー リーグワン参戦2年目のルリーロ福岡(以下、LR福岡)は、今季開幕戦で確かな変化を示した。昨季は開幕から11試合目でようやく白星を挙げる苦闘の1年だった。その悔しさを胸に刻み、迎えた今季初戦。チームは白星発進を果たし、流れを大きく変えた。
勝利の立役者となったのが松尾将太郎と前田土芽の存在だ。松尾は12得点を挙げてプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選出。前田は今季チーム初トライを含む2トライを奪った。ともに1996年生まれ、いわゆる“花の96年組”だ。開幕戦のメンバーには同学年が7人名を連ね、いまやチームの中核を担っている。
松尾は語る。「いまはチームの主軸になってきている選手が多い。クセは強いけど、それがこの学年の良さ」。29歳。ラグビー選手としては脂が乗る時期だが、松尾は自身の立場を冷静に捉える。前所属チームで出場機会に恵まれなかった時期もあった。その経験が、いまは知識と判断力となってピッチに還元されている。
前田との関係性も、チームの攻撃に奥行きを与える。小中学生時代の九州選抜で出会って以来、高校、大学、社会人と常に競い合い、同じ時代を生き抜いてきた二人である。開幕戦のトライシーンでは、言葉を交わさずとも同じ絵を描いていた。「前田が見えたから蹴った」という松尾の判断に、前田は「来る」と感じて走った。阿吽の呼吸が、結果としてトライを奪った。
前田は今季のチームについて「一人ひとりが『自分が主役になる』という意識を持っている」と語る。プレシーズンから多くの組み合わせを試し、競争の中で力を伸ばしてきた。若手とベテランが混ざり合い、層は確実に厚くなった。96年組も、その中心にいる。「一番多い学年だからこそ、存在感を出さないといけない」。その自覚が、プレーの強度を押し上げている。
29歳という年齢について、前田は冗談交じりに「もうボロボロ」と笑う。仕事とラグビーを両立し、家族との時間を削りながら続ける競技人生。それでも「まだやれる」と言い切る。大きな目標は、けがなくシーズンを戦い抜き、常にチームの戦力であり続けることだ。
今節も注目は花の96年組である。松尾がゲームを支配し、前田が自由に走る。その背中を、同学年の仲間たちが支える。若さだけでも、経験だけでもない。悔しさを知る世代がチームを束ねるいまのLR福岡は、確実に昨季とは違う表情を見せている。一戦一戦を積み重ねた先に、ディビジョン2昇格への道が見えてくる。その現在地を測る次の80分は、96年組の真価を映し出す舞台となる。
(柚野真也)



























