NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第5節
2026年1月31日(土)13:00 久留米総合スポーツセンター陸上競技場 (福岡県)
ルリーロ福岡 vs マツダスカイアクティブズ広島
ルリーロ福岡(D3)
真正面からぶつかれば、相手の体勢が崩れる。肩がはじかれ、地面がきしむ。186cm、105kgという数字以上の圧を放つ男が、ルリーロ福岡(以下、LR福岡)の真ん中に立っている。江里口真弘。開幕から先発を任され続ける理由は、明快だ。フィジカルで戦局を変えられる存在だからである。
今季、九州電力キューデンヴォルテクスから加入。ディビジョン2からD3への移籍は、一般的にはマイナスに映る。しかし、江里口の視線は下を向いていない。開幕から4試合すべてに先発し、激突を重ねる中で、確信を深めている。「D3の戦い方や特徴はひと通り分かった」。今節で全5チームとの対戦を終え、2巡目からは、より明確に“自分の色”を出していけるという手ごたえがある。
その自信の根底にあるのが、揺るがぬフィジカルだ。モールでは低い姿勢から推進力を生む。接点では一歩も引かず、運動量も落ちない。ロックに求められる強度と献身を、80分間、愚直に貫ける体がある。
大学卒業後、江里口は地元・福岡に戻り、九州電力の社員選手として2シーズンを過ごした。働きながらプレーする環境に、大きな不満があったわけではない。それでも、「もっとラグビーに没頭したい」「プロとして勝負したい」という思いが、次第に強くなっていった。ラグビー人生は長くない。その現実を前に、安定した立場を自ら手放す決断を下した。
周囲からは「辞めなくてもよかったのでは」という声もあった。しかし、その選択に迷いはない。自分の体で、自分の価値を証明したい。その欲求こそが、江里口を突き動かしている。
現実は甘くなく、現在は介護の仕事とラグビーを両立する日々だ。フル出勤から夜の練習へ。睡眠時間を削り、体を酷使する生活は簡単ではない。それでも、このシーズンに懸ける覚悟は揺るがない。「まだ満足いくプレーではない」。そう言い切れるのは、成長の余地を自覚しているからだ。
チームを勝たせる選手でありたい。同時に、その先のステージを目指す存在でありたい。LR福岡が勝ち、評価を高めていく先に、自身の未来もある。重心を低く構え、次の衝突点へ。江里口の挑戦は、まだ始まったばかりだ。
(柚野真也)



























