2026.01.08[L戸田]受け継いだ10番に覚悟を宿して。親友の背中の、その先へ

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第3節
2026年1月10日(土)12:00 足利市総合運動場陸上競技場 (栃木県)
狭山セコムラガッツ vs ヤクルトレビンズ戸田

ヤクルトレビンズ戸田(D3)

ヤクルトレビンズ戸田の新たなスタンドオフ、大城海選手

これまでヤクルトレビンズ戸田(以下、L戸田)のスタンドオフは、ニック・イブミーの独壇場だった。長年チームをけん引してきた彼が昨季限りで退団したいま、新たな旗手が台頭している。

大城海。過去2シーズンはほとんどメンバー入りできなかった男が、新生レビンズの攻撃を操り始めている。

「試合に出られない時期は、ただ成長することだけを考えていました」

東福岡高校時代から立命館大学時代に掛けて、1日の練習で序列が激しく入れ替わる環境に身を置いてきた。試合出場に一喜一憂する余裕はなく、常に自分自身に矢印を向け、日々の練習に没頭した。その姿勢は、L戸田の苦しい時期にも生かされた。

2016年度に加入した当初から、外国籍選手が君臨する10番をあきらめ、15番(フルバック)での出場を模索してきた。しかし、中学、高校、大学と磨き上げてきた本職はあくまで10番。練習では仮想相手として10番を務める機会もあり、周囲からは「海さんの10番、いいですよね」と声が掛かることも少なくなかった。昨季は指導陣から『ベストタフマンズ賞』を受賞。出場機会の少ない選手の中から選ばれるMVP的な賞だが、日々の取り組みへの評価に加え、『仮想10番』としての貢献も認められたのだろう。

「10番でやらせてください」

転機は昨年4月。何かを変えなければならないと逡巡した大城は、バックスコーチに自ら10番を志願した。

「10番を担うと宣言した以上、課題であるタックルを克服しなければ意味がない。毎日の練習後に1対1のタックル練習を積み重ね、自信を付けてきました」

そうして大城は、開幕戦で10番としてメンバー入りを果たす。やるべきことをやり抜いた先に、新たな道が開けた瞬間だった。親友でもあるイブミーからも激励の言葉が届いた。

「俺はお前が10番だとずっと思っていた。あとはタックルを頑張るだけでいい。そうすればチームが勝てるから」

その言葉を胸に、大城はリーグワンの舞台に飛び込んだ。周囲に声を掛け続け、チーム全体で同じ絵を描く──。大城の強みであるゲームメーク力が光り、L戸田は第2節・中国電力レッドレグリオンズ戦で今季初勝利を飾った。大城自身はプレーヤー・オブ・ザ・マッチに輝いた。ちなみに、昨季の初勝利時はイブミーが同賞を受賞している。

「ニックの穴を埋められたことがうれしい。L戸田の歴史は、ニックが築き上げてきたと言っても過言ではないですから」

L戸田の10番を継ぐ男、大城海が見据える先は明確だ。

「まずは昨季の戦績を超えたい。ニックを超えたいんです」

(鈴木康浩)

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