NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第9節
2026年3月7日(土)13:00 久留米総合スポーツセンター陸上競技場 (福岡県)
ルリーロ福岡 vs ヤクルトレビンズ戸田
ヤクルトレビンズ戸田(D3)
ヤクルトレビンズ戸田(以下、L戸田)のナンバーエイト、横山大輔。
取材当日、彼は都内の仕事を終えた足でL戸田のナイター練習に駆け付けた。夜の河川敷は気温6℃、強風が容赦なく吹きつける寒さの中、仲間たちとひたすらラグビーに没頭していた。
「いまは自分のためというより、家族や友人など応援してくれる人たちのために頑張りたいという気持ちが強いです。特に両親の存在は本当に大きい。僕が出ていない試合でも、毎試合のようにスタンドに足を運んでくれる。L戸田のことが大好きになってくれました」
我が子に残されたラグビー人生を最後まで見届けたい──。そんな両親の想いに応えてあげたい。それが、いまの横山の最大の原動力だ。
数年前、コロナ禍で大きな決断をした。前所属のレッドハリケーンズ大阪の試合に両親が駆け付けられなくなり、元気を失っていく姿を見たとき、心が決まった。都内に戻り、家族の近くでプレーすること。そして、当時リーグワン参入を目指して野心を燃やしていたL戸田の姿勢にも強く共感した。
高校時代、語学とラグビーを極めるためにニュージーランドへ留学。筑波大学進学後も一度は就職を考えたが、大学選手権準優勝を機にラグビー続行を決意した。どの岐路でも、温かく背中を押してくれたのは両親だった。
「いまは本当に充実しています」と横山は穏やかに笑う。
家族が近くにいて、かつての仲間とも再会できる。そしてピッチ上では、L戸田の選手たちと全力でラグビーに打ち込める。
「この環境だからこそ、好きじゃなければ続けられない。こんなにラグビーが好きなチームって、ほかにないんじゃないかなと思います」
無論、環境を言い訳にする気は一切ない。前節の狭山セコムラガッツ戦。大敗を喫した試合後、彼は仲間たちにこう語りかけた。
「僕らが本当にラグビーに集中できる時間は週に10時間もない。全部を中途半端にやるのは無理だ。一つにテーマを絞って、徹底的にやり切る。それを積み重ねないと、上位チームとの差は縮まらない」
『Choice and Chance』。横山が大事にする言葉だ。何を選ぶかは自分次第。そして、選んだ道を正解にするのも、自分次第──。
その信念を胸に、横山は今週末、ルリーロ福岡とのビジターゲームに挑む。両親が見守るスタンドの前で、全力を尽くす。
(鈴木康浩)



























