2026.02.06[RH大阪]「拾ってくれた」チームへの恩。クラブと歩み続けた50キャップ

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第5節
2026年2月8日(日)14:30 東平尾公園博多の森陸上競技場 (福岡県)
九州電力キューデンヴォルテクス vs レッドハリケーンズ大阪

レッドハリケーンズ大阪(D2)

レッドハリケーンズ大阪の井之上明選手。大学卒業後、トライアウトを受けていまのクラブに加入した

今節の先発出場をもって、レッドハリケーンズ大阪(以下、RH大阪)の井之上明がクラブ50キャップの節目を迎える。これまで生え抜き選手で50キャップを達成したのは、パエア ミフィポセチ、北島大、茂野洸気、杉下暢、西浦洋祐だけだ。節目が目前にあると理解した上で、後ろ髪を引かれながら引退した選手もいる。50キャップを達成するのは簡単ではない。

井之上は、今年の4月で35歳。幼稚園のころに始めたラグビーのキャリアは、もう30年ほどになる。学生時代は、地元の尼崎高校、立命館大学でプレー。大学に入る際にポジションをスクラムハーフに絞ったが、高校まではスタンドオフやフルバックでもプレーした。周囲を助けるプレーができるのは、ほかのポジションでの経験もあるからだろう。

大学卒業後もラグビーをしたいと考えていたが、加入できるチームが見つからず、合同トライアウトを受けた。そのときに「一度練習参加をしてみないか」と声を掛けたのが、RH大阪だった。一度の練習参加で加入をつかみ取った井之上は、2014年にRH大阪に加入。加入したころと比べて見た目はさほど変わっていないように見えるが、もうチーム内の選手では4番手の年長者になった。

50キャップの節目を目前に控えた井之上に印象深かった思い出や試合を問うと、「たくさんある」とは言いつつ、どれが最も印象深いかは選べない様子だった。

この“50”という数は、リーグワンとトップリーグで出場した試合。トップリーグ時代のプレーオフトーナメントなどは、カウントされない。トップリーグへの昇格を目指して戦った試合も、一つひとつの試合に向き合って日々研鑽を重ねたことも、含まれない。“50”を振り返れと言われても、確かに難しいだろう。

「自分を拾ってくれた」チームに感じている恩に報いたいと成長を重ねてきたことも、22年に愛するチームがなくなるかもしれないと知ったときに感じた深い悲しみも、チームが存続することになった大きな喜びも、チームが再編される際に「絶対に自分を拾ってくれた大阪にいたい」と強い意志をもっていたことも、数字だけでは分からない。ポジション柄「フォワードともバックスとも自分からコミュニケーションを取るよう心掛けてきた」ことも、長年在籍してもなお「真面目な選手が多くて、みんな人柄が良い」チームへの愛が変わらないこともまた、数字だけでは伝わらない。

けれど、日々思いを重ねてきたからこそ、ようやく辿りついた“50”だ。節目の試合でも、「いつもどおり」チームを支えるためにボールを追う。

(前田カオリ)

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