2026.03.04[記録が紡ぐ ジャパンラグビーリーグワン #5]リーグワン50トライ達成迫る!

通算50トライ達成なるか。東京サントリーサンゴリアスの尾﨑晟也選手

(文:大友信彦)

開幕前の当コラムで「誕生間近」とお知らせした「リーグワン通算50トライ」達成のXデーがいよいよ迫った。
2025-26シーズン開幕時点の「リーグワン通算トライランキング」をおさらいしておくと、

1位ジョネ・ナイカブラ(BL東京)46
2位尾﨑晟也(東京SG)45
3位マロ・ツイタマ(静岡BR)41
4位竹山晃暉(埼玉WK)35
5位髙橋汰地(トヨタV)34

このうちジョネ・ナイカブラは昨季のNTTジャパンラグビー リーグワン2024-25 プレーオフトーナメント決勝で負ったケガで今季は出遅れ、1差で追っていた尾﨑晟也が開幕節で1トライをあげ、46に並んだ。順当ならそこから数試合で節目の記録は誕生するか? と思われたが、尾﨑は続く第2節のトヨタV戦はノートライ、さらに第3節のS東京ベイ戦で負傷退場して第4節から戦列離脱。第9節まで2カ月以上、上乗せできなかった。

さらに3位につけていたマロ・ツイタマも、開幕節の横浜E戦で2トライをあげ通算43、尾﨑との差を3に詰め、追撃態勢に入ったかと思いきや、こちらもそこから3試合はトライなし、さらに第5節からの2試合は欠場。第7節神戸S戦の途中出場を経て第8節からは先発に復帰したが2試合はトライなし。こちらも43トライで足踏みを続けていた。

静岡ブルーレヴズのマロ・ツイタマ選手

その間に猛チャージをかけたのが開幕時35トライで4位だった竹山晃暉と34トライで5位だった髙橋汰地だ。竹山は2月28日に行われた第10節の三重H戦まで全試合に先発してリーグ3位タイの8トライをあげ44トライとし、この時点でツイタマとは1差、尾﨑とは3差に迫った。そして髙橋は3月1日の相模原DB戦でハットトリック、3トライを量産し、今季7トライ、リーグワン通算トライを41まで伸ばした。

埼玉パナソニックワイルドナイツの竹山晃暉選手
トヨタヴェルブリッツの髙橋汰地選手

こうなれば先行組も黙ってはいない。3月1日、髙橋の試合から1時間遅れで始まった東京SG対静岡BRの試合で、尾﨑とツイタマが対面で対決。この試合でツイタマは開幕戦以来のトライを決め、リーグワン通算トライを44に伸ばした。そして尾﨑は前半6分の先制、31分の中押し、さらに後半36分のダメ押しと3トライのハットトリック! こちらはこれで通算トライは「49」。ついに王手がかかったのだ!

通算50トライまであと1に迫った尾﨑晟也選手(ⓒNOBUHIKO OTOMO)

「開幕前に取り上げていただいたのに、時間がかかってしまいました。でも次で決めます!」
静岡BR戦を終えた尾﨑は笑顔で言いきった。

今週末、DIVISION 1唯一の試合を戦う東京サントリーサンゴリアス(3月7日)。尾﨑晟也選手の記録達成の行方は‥‥(ⓒNOBUHIKO OTOMO)

これも巡り合わせというべきなのだろうか。「次」は3月7日、降雪の影響で中止された2月7日の代替試合、相模原DB戦だ。雪がなければ尾﨑にとってはただの欠場で終わっていた試合が、節目の記録達成のチャンスとして巡ってきた……記録の世界を追っていると、こういう、導かれたような巡り合わせに出会うことはままある。

ともあれ、2026年3月1日現在の「リーグワン通算トライ」ランキングTOP10は以下のとおりだ。

1位尾﨑晟也(東京SG)49
2位ジョネ・ナイカブラ(BL東京)46
3位マロ・ツイタマ(静岡BR)44
4位竹山晃暉(埼玉WK)43
5位髙橋汰地(トヨタV)41
6位木田晴斗(S東京ベイ)35
6位チャンス・ペニ(S愛知)35 ※D2
8位ディラン・ライリー(埼玉WK)34
9位イノケ・ブルア(神戸S)33
10位岩永健太郎(中国RR)32 ※D3

目を引くのは10位に入った岩永健太郎だ。岩永はD3中国RRのフッカーである。トライを量産するフッカーは珍しくない。大学では慶大時代の原田衛(前BL東京)や東海大時代の加藤竜聖(トヨタV)がトライ王に輝いている。このランキングでもトップ10圏外には11位にマルコム・マークス29トライ(S東京ベイ)、13位に彦坂圭克28トライ(トヨタV)、17位に坂手淳史27トライ(埼玉WK)、23位に日野剛志25トライ(静岡BR)…とフッカーのビッグネームが並んでいるのだが、名だたるリーグワンのフッカー陣のトライ数でD3の岩永がトップを走っているというのは何とも味わい深い。

10位にランクイン。DIVISION 3の中国電力レッドレグリオンズに所属する岩永健太郎選手

岩永は昨季は12トライでD3のトライランキング2位、1位のチェイス・ティアティア(狭山RG)と2差でトライ王には届かなかったが、今季も3月1日現在、6トライで首位と1差の2位につけている(首位はSA広島のLOアンドリュー・デビッドソンの7トライ)。リーグワンは昨季までの4シーズン、3つのディビジョンで16人のトライ王が誕生している(2人同着が2件、3人同着が1件あるため)が、FWのトライ王は2022年D2のサナイラ・ワクァ(花園L)だけ。FW第1列のトライ王はまだ誕生していない。ジャパンラグビー トップリーグ時代の23人を加えても、FW第2列、3列のトライ王はいても第1列からは出ていない。岩永がリーグワン初のフロントロートライ王を獲得するか? D3後半戦に向けた隠れたトピックである。もちろん、D1の坂手や彦坂、日野、マークスらも注目だ。

なおトップリーグからリーグワンまでを合算した通算最多トライは小野澤宏時が2003年度から2016年度までに積み上げた109。現役では山田章仁が通算105トライで、大記録まであと「4」と迫っている。

山田は開幕から5節まではメンバーを外れていたが、第6節の花園L戦と第7節のS愛知戦では2戦連続フル出場。苦しい試合でもタックル、ハイボールキャッチ、ステップを駆使し、味方のトライをアシストするラストパスを放つなど40歳という年齢を感じさせないパフォーマンスを見せている。第8節以降、今季初トライ、さらには大記録の更新なるかにも注目したい!

トップリーグからの通算トライ数。現役では山田章仁選手(九州電力キューデンヴォルテクス)がリードしている

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