(文:大友信彦)
NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26も大詰め。各ディビジョンともレギュラーシーズン残すところ2節となった。ここからはプレーオフトーナメント、あるいは入替戦も含めたポストシーズン(クライマックス)に向けて各チームが順位争いと次のステージに向けた準備を睨み戦いをブラッシュアップさせていく時期だが、もうひとつ注目されるのが個人タイトル争いだ。
D1の得点王争いは、第16節を終えて中楠一期(BR東京)が177でトップに立ち、チェスリン・コルビ(東京SG)が156点、バーナード・フォーリー(S東京ベイ)が154点、山沢拓也(埼玉WK)が152点で追う。コルビは21点差、フォーリーは23点差、山沢は25点差。残り2節で逆転不可能な点差とは言えないが、中楠も数字を伸ばすだろうし、プレーオフを睨んでプレータイムの調整が入るかもしれない。(実際、フォーリーは第14節終了時点では150点で中楠と並んでいたが、負傷交代もありここ2節での上積みはわずか4点。同じ2節で27点を加えた中楠がリードを広げた)
得点王は昨季、山沢京平(埼玉WK)が209点で戴冠。リーグワンの得点王はそれまでダミアン・マッケンジー、バーナード・フォーリー、ブリン・ガットランドと続いていて、日本出身の選手の得点王はジャパンラグビー トップリーグ時代の2016-2017シーズン、小野晃征(サントリー・現東京SG)が獲得して以来8年ぶりだった。日本代表を狙う若手のキッカーがリーグワンの実戦で経験を重ねていることは頼もしい。
D1のトライ王レースは、第16節を終えてブロディ・レタリック(神戸S)が16トライで首位を走っている。2位は13トライで3差のマット・ヴァエガ(相模原DB)、3位に11トライでイノケ・ブルア(神戸S)とヴィリアメ・タカヤワ(横浜E)。日本人選手は10トライの5位に竹山晃暉(埼玉WK)、木田晴斗(S東京ベイ)、上ノ坊駿介(神戸S)がマキシ ファウルア(S東京ベイ)とともに名を連ねている。
レタリックは第4節のBR東京戦で4トライの固め打ち。今季は共同主将を務め、第14節のBR東京戦でリザーブに回った以外は15試合に先発、うち12試合にフル出場し、4試合ではPOTMを受賞。出場した16試合のうち11試合でトライを挙げている。リーグワン過去4季のトライ王は山下楽平とディラン・ライリー、尾﨑晟也、マロ・ツイタマ、ジョネ・ナイカブラと来ており、FWのトライ王が誕生すればリーグワンでは初めてだ。
FWのトライ王は珍しい気がする。だが実は、トップリーグ時代は珍しくなかった。 2003年度のトップリーグ初代トライ王はFLのグレン・マーシュ(NEC・現GR東葛)だったし、翌2004年度はLO/NO8のルアタンギ・バツベイ(東芝府中・現BL東京)が獲得した。2005年度はセネ・タアラ(セコム・現狭山RG)、2014年度は堀江恭祐(ヤマハ発動機・現静岡BR)、2015年度は安藤泰洋(トヨタ自動車・現トヨタV)というNO8たちが、同点ながらトライ王を獲得している。これまでトップリーグ~リーグワンを通じ22年でのべ29人のトライ王(打ち切りとなった2019年度については暫定トライ王のマロ・ツイタマをカウントした)が誕生したが、FWの選手は5人。ざっくり言って4年に1人の出現率となる。
ただし、FWのトライ王の多くはNO8などバックローが多い。その点レタリックのポジションはLO。ラインアウトなどセットプレーでのボール獲得とブレイクダウンのハードワークが主戦場であり、トライはメインの仕事ではない。そこでトライを量産するのはすごいことだが…LOのトライ王は過去にいたのだろうか? と記録を調べると…トップリーグ2年目、2004年度のトライ王、ルアタンギ・バツベイ(翌年から日本国籍を取得し「ルアタンギ侍バツベイ」)のメインポジションがLOだった。このシーズン、バツベイはリーグ戦11試合中LOで7試合に、No8で2試合に先発(1試合にリザーブから)出場。そして、このシーズンの18トライのうち15トライはLOで出場した試合であげていた。
プレーヤースタイルで言えばアタッカー型だったバツベイと、ハードワークし続けるレタリックでは少し違うが、当時と今では試合数も違う。レタリックはリーグ戦18試合の時代に16節までに16トライをあげ、バツベイはリーグ戦11試合の時代に18トライ(うちLOで出場した試合で15トライ)をあげた。どちらもすごいことだ(なお、今季はD3のトライ王レースもSA広島のアンドリュー・デビッドソンが17トライ、2位に「6」の大差をつけて独走している!)。
ただし、レタリックのトライ王はまだ確定していない。2位ヴァエガとの差は「3」、3位ブルア&タカヤワとの差は「5」、5位竹山、木田、マキシ、上ノ坊との差は「6」。2試合連続のハットトリックがあれば逆転の可能性だってある。
トライ王そして得点王の行方はどうなるか?プレーオフ争い&入替戦回避争いとともに、リーグワンレギュラーシーズン終盤戦の見どころとして注目したい。



























