NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第7節
2026年3月7日(土)13:00 釜石鵜住居復興スタジアム (岩手県)
日本製鉄釜石シーウェイブス vs 花園近鉄ライナーズ
日本製鉄釜石シーウェイブス(D2)
「自分たちは何者なのか」
日本製鉄釜石シーウェイブス(以下、釜石SW)のトウタイ・ケフ ヘッドコーチが、就任直後からチームに繰り返し、投げ掛けてきた問いだ。
勝敗でも、順位でもない。スキルやフィジカルの優劣でもない。自分たちは、どんなチームなのか。この街を象徴する存在として、どんな姿を見せるべきなのか。その問いに向き合い続けた時間が、今季の歩みの土台であり、指揮官がテーマに掲げる“ゴールドスタンダード”の基盤となっている。
東日本大震災から15年。この街は、幾度も苦境に立たされながら、そのたびに立ち上がってきた。
タフであること。再び立ち上がる力を示すこと。そして、決してあきらめないこと。それは釜石という街のアイデンティティーであり、ラグビーの街が守り続けてきた矜持でもある。
その姿勢は、いまのチームにも確かに息づいている。ケフ ヘッドコーチは繰り返し、選手たちの“エフォート(努力)”を称える。
「敗れた3試合のうち、2試合は勝てた試合だった。結果は大事ですし、悔しさはありますが、彼らが注いでいる努力は、本当に誇りに思っています」
劣勢の時間帯でも足を止めないこと。体を張り続けること。簡単ではない局面で、もう一度立ち上がること。その積み重ねこそが前進の原動力となっている。若い選手が多いこのチームは、成功体験も決して多くはない。それでも、毎週のトレーニングで高い基準を求め合い、グラウンドで体現しようとする姿勢は、これまでトップレベルの選手とプレー、あるいは指導してきた指揮官からも称賛の眼差しが送られている。
今節の『東日本大震災復興祈念試合』を前に、指揮官はチームと街の姿を重ねる。ラグビーをとおして、この地域を代表する。1秒ごとを戦い抜く姿で、“釜石”の強さを体現する。対戦相手がどこであろうと、状況がどうであろうと、示すべきものは変わらない。
自分たちは何者なのか──。その問いへの答えを完成された形で示すのにはまだ時間が掛かるだろう。それでも、若く、真摯な努力を続けるチームは確かにその輪郭をつかみ始めている。
タフに。強く。あきらめずに。この街のように戦う。
チームが示そうとしている姿勢は、震災から立ち上がり続けてきた釜石という街の姿そのものだ。そしてそれは、これからもチームが背負い、体現し続けなければならない“使命”でもある。
問い続ける限り、歩みは止まらない。
釜石のチームとして。釜石で暮らす一人として。釜石SWはその答えを、グラウンドで証明し続ける。
(髙橋拓磨)



























