NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第8節
2026年3月15日(日)13:00 釜石鵜住居復興スタジアム (岩手県)
日本製鉄釜石シーウェイブス vs レッドハリケーンズ大阪
日本製鉄釜石シーウェイブス(D2)
日本製鉄釜石シーウェイブスが好調だ。ヘルダス・ファンデルヴォルト選手も手ごたえを感じているという日本製鉄釜石シーウェイブスは今季ここまで3勝3敗。数字だけを見れば五分の戦績だが、チームには確かな変化が生まれ始めている。中心的選手でもあるヘルダス・ファンデルヴォルトは、その手ごたえを語った。
「勝つことの影響は本当に大きい。勝ちグセもあれば、負けグセもある。いまはチームの中に、勝つ空気が生まれてきていると思います」
その空気を象徴する勝利となったのが、前節の『東日本大震災復興祈念試合』だった。特別な意味をもつ一戦には多くの観客が詰めかけ、スタジアムは独特の熱気に包まれていた。試合後、彼の胸に込み上げたのは言葉では言い尽くせない感情だったという。
「言葉にできる感情ではない。圧倒的、そうとしか言えません。あれだけ多くの人が来てくれて、その前で特別な試合ができた。そして、勝てた。本当に特別な瞬間でした」
今季それまで無敗の花園近鉄ライナーズを相手につかんだ価値ある勝利だが、今季のチームを押し上げている要因の一つが、若手の台頭だ。ベテランと若手が自然に混ざり合う現在のチームを、ファンデルヴォルトは「健全な状態」と表現する。
「若い選手たちはチャンスをもらってステップアップしている。強いチームとの試合に出ること自体が、結果以上に大きな学びになるんです」
シーズンは今節、6連戦の2戦目に臨む。疲労も蓄積していく時期だが、彼はそれを前向きな挑戦として受け止めている。
「コンフォートゾーン(安心感があり、居心地の良い心理領域)を出ることは大事。こういう経験がチームを強くしていくと思っています」
その落ち着いた姿勢の背景には、彼の原点がある。南アフリカの実家は農場で、牛を育てる環境で育った。だからこそ、いま暮らしている釜石の環境は自分に合っているという。
前節に続き、ホストゲーム2連戦となる今節。クラブ通算50キャップの達成も懸かる試合となるが、ファンデルヴォルトが語ったのは、個人ではなくチームの未来だった。
「自分のことより、チームとして勝ちたい。このチームで新しい歴史を作りたい」
その言葉には、迷いがなかった。
すでにチームは、リーグワンでのクラブ最多タイとなるシーズン3勝目を手にしている。次に挑むのは、これまでまだ達成していない“連勝”だ。
勝利を重ねるたびに、チームの空気は確実に変わりつつある。その変化を証明する次の一戦が、すぐそこまで迫っている。
(髙橋拓磨)



























