NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第14節(リーグ戦)カンファレンスA
2026年4月4日(土)13:40 ベネックス総合運動公園 かきどまり陸上競技場 (長崎県)
三菱重工相模原ダイナボアーズ vs 静岡ブルーレヴズ
三菱重工相模原ダイナボアーズ(D1)
三菱重工相模原ダイナボアーズの吉田杏キャプテン(ボールキャリア)。自身のパフォーマンスについても「時間あたりの質を上げること」を追求している三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)は今節、長崎県のベネックス総合運動公園かきどまり陸上競技場で静岡ブルーレヴズと対戦する。降雪による試合中止の影響でバイウィークが消滅し、チームは想定外の8連戦中。その前段を含めれば、9週間にわたり、緊張感の続く日程を戦ってきた。
その8試合目を迎える今節、問われるのは“いかに自分たちをコントロールし、正しい判断を積み重ねられるか”だ。
前節後の会見で、グレン・ディレーニー ヘッドコーチは準備段階をこう振り返った。「このブロックで8週目に入っていたこともあり、体力やエナジーを保つことを優先した」。練習量を抑え、試合に向けた取り組みの時間も減らした中で、その判断がパフォーマンスに影響した可能性について「反省すべき点」と認めている。過密日程の中で“何を守り、何を削るか”。その選択の難しさが浮き彫りになった。
キャプテンの吉田杏も、例外的な日程を正面から受け止める一方で、それを言い訳にすることはなかった。「コントロールできない部分」と割り切り、「コンディションは選手一人ひとりが責任を持つもの」と矢印を自分たちに向ける。この姿勢こそが、今季吉田が示してきたキャプテンシーだ。
そのキャプテンシーは、シーズンをとおして少しずつ形を変えてきた。吉田は「まずは自分自身のプレーをしっかりすること」を軸に据えつつ、責任の所在を明確にするためにバイスキャプテンを置かず、複数のリーダー陣に役割を分担しながらチームをまとめてきたという。
「自分が先頭に立ち、プレーで見せていくことをベースにしている」と語る一方で、言動や立ち居振る舞いでもチームを束ねる責任を強く意識してきた。結果が伴わない時期は、その責任感とプレッシャーが重くのしかかる瞬間もあったが、負傷により、第7節でノンメンバーになった際に外からチームを見つめ直したことで、「もっと自分らしくいればいい」と感じられるようになったという。この経験がいまのリーダー像につながっている。
ピッチ上でも、その存在感は明確だ。今季の吉田は出場時間を1試合あたり70分前後としながら、その中での仕事量と質を高めている。タックル、ブレイクダウン、ボールキャリー。フランカーとして最も消耗の激しい役割を担いながら、限られた時間でインパクトを残すスタイルへとシフトした。「時間あたりの質を上げること」は、吉田自身が掲げてきた今季のテーマでもある。
今週はショートウィークで移動も絡み、練習できる日は限られる。吉田が重視するのは“ハードさ”ではなく“頭の部分”だ。役割の確認、判断の共有、迷いを減らす準備。連戦で疲労が蓄積するいまだからこそ、80分を安定して戦うための下地が問われる。
長崎県は、母体企業である三菱重工グループが歩んできた歴史と深く結び付いた地であり、クラブにとって特別な意味を持つ場所でもある。
吉田は「もう一度自分たちの生きざまを見せられるように、良い形で勝ちたい」と前を向く。
(宮本隆介)



























