2026.04.03[浦安DR]泰然自若のウイング。積み重ねた時間が、再びグラウンドで花開く

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第14節(リーグ戦)カンファレンスA
2026年4月5日(日)13:00 大和ハウス プレミストドーム (北海道)
東芝ブレイブルーパス東京 vs 浦安D-Rocks

浦安D-Rocks(D1)

浦安D-Rocksの石井魁選手は「出られないことについて考えたこともあるけど、それを考えても答えは出ないし(中略)だから考えなくなった」と達観していた(写真は2025年2月8日、三重ホンダヒート戦から)

ずっと気になっていた。昨季までコンスタントに出場機会を得ていた選手が、今季に入りその機会を失っていたことをどう思い、過ごしているのか。「どういう思いだっただろう。特に、何も、何ともかな」。石井魁は石井魁のまま、何も変わっていなかった。そして、しばらく言葉を探しながら口を突いたのは素直な思いだった。

「出られないことについて考えたこともあるけど、それを考えても答えは出ないし、自分の気持ちがそこにもっていかれるほうが疲れるし、バカバカしい。だから考えなくなった。要するに、自分の目線を変えたということ。試合に出る・出ないは結果論の話であって、大事なのはいまの自分にできることをやる、選手として成長するために意識をもっていくことだと考えて過ごしていた」

練習場の浦安Dパークに行けば、いつも楽しそうにラグビーボールを追い掛ける姿を見ていたので、その答えも納得できる。試合から遠ざかる時期も「特別なことは何もしていない」と言い、今季初のメンバー入り、そして初先発についても「いつ使ってもらってもいい状態ではいた。あとはコーチ陣が判断することだから、その機会をもらえて『ありがとうございます』という気持ちだけかな」とテンションにブレはない。

それでも、キャリアで初めてと言っていいこの経験は32歳の男にとって、非常に意味のあるものになっているようだ。「『すごくいい経験』というまとめ方をすると適当な感じするけどね」と笑いながらも、その真意を具体的な言葉にする。

「結局、意味がある・ないというのはあとから付いてくるものだろうし、ほかの人からすればいらない経験かもしれないけど、僕にとってはすごく必要な経験だったと思う。その答えは一つ、今回のメンバー入りで出ているし、これから『必要な経験だった』と、もっと言えるかどうかは自分のパフォーマンス次第だと思っている」

石井が自らと向き合っていた時間と同じくして、ディビジョン1での2シーズン目を戦うチームも苦しんでいた。そのタイミングでの抜擢に自身とチームを重ねるようにして、“石井節”をさく裂させる。

「これも僕の試合に出る・出ないと一緒で、結果を求められる世界だから難しいけど、必要な経験だと思うし、ここをどう自分たちが乗り越えるか、チームとしていま試されていると思う。そのチームを作るのは選手やスタッフの一人ひとりだから、自分がその一員としてチームを加速させるエンジンになれたらいい」

自分の中での答えは出した。「やれることをやってきているから、自分がどういうパフォーマンスをするのか自分が楽しみ」。次なる答えはグラウンドの上で示してこそ。石井はいまかいまかと、キックオフの瞬間を待っている。

(須賀大輔)

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