NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第15節(リーグ戦)カンファレンスB
2026年4月17日(金)19:00 秩父宮ラグビー場 (東京都)
三重ホンダヒート vs リコーブラックラムズ東京
三重ホンダヒート(D1)
「もっと笑おう。今日が最後かもしれないのだから、楽しもう」
4日に行われた東京サントリーサンゴリアス戦のキックオフ直前、三重ホンダヒート(以下、三重H)のハドルで言葉が飛んだ。発したのは、今季途中からゲームキャプテンを務めるフランコ・モスタートだ。その真意について、彼は静かに語る。
「選ばれた23人のメンバーでプレーするのは最後になるかもしれない。常に競争がありますし、次の保証はありません。だから、その瞬間を大事にしてほしいという思いで伝えました」
南アフリカ代表84キャップを誇るモスタートは、これまで数多くの名選手とともに戦い、その経験から自身のキャプテン像を築いてきた。彼がチームにもたらしたいものは、何よりも「落ち着き」だという。
「冷静でなければ正しい判断はできませんし、どんな言葉も届かない。これまで見てきた偉大なキャプテンは、常に落ち着きをもっていました。それが安心感を与えてくれましたし、自分もそうありたいのです」
冒頭の言葉も、かつてともに戦った仲間から掛けられたものだったという。モスタートの哲学は、いまチームの中で確かな形となりつつある。
「本当に良い状態にあります。さまざまな選手がそれぞれの役割を果たし、全員がハードワークしている。その積み重ねが、いまのわれわれを作っていると思います」
そのように現状を評価するモスタート。金曜日に迎える相手は、彼にとって古巣でもあるリコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)だ。
「シーズンをとおして一貫性のあるチームですし、簡単な試合にはならないと思います。このチームでプレーできる時間も限られていますし、一つひとつの試合を大切にしていきたいです」
来季からは宇都宮へと拠点を移すことが決まっており、三重のクラブとして戦う日々も残りわずかとなった。2020年に加入したモスタートは、鈴鹿で過ごしてきた時間をこう振り返る。
「先日、妻と『もう6年になるんだね』と話したばかりなんです。これだけ長く同じ街で過ごしたことはなかったので、故郷のように感じています。鈴鹿でのラストシーズンになると思うと、とても寂しいです。ホンダを支えてくださっているみなさんのために、感謝の気持ちをもって戦いたいと思います」
残された時間は多くない。だからこそ、一瞬一瞬を大切にする。“これが最後かもしれない”という覚悟を胸に、「静かなキャプテン」モスタートは、いまを全力でつないでいく。
(籠信明)



























