NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第16節(リーグ戦)カンファレンスB
2026年4月25日(土)14:30 スピアーズえどりくフィールド(江戸川区陸上競技場) (東京都)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ vs 三重ホンダヒート
三重ホンダヒート(D1)
「僕のは“飛ばない”んです」
三重ホンダヒート(以下、三重H)の北原璃久は、自身のキックの特徴をそう表現した。
スタンドオフとして先発を続けている彼は、今季の9試合でコンバージョンキックとペナルティゴールによって33点を決めた。もともと右利きだが、両足でキックを蹴ることができる。
神戸製鋼(現・コベルコ神戸スティーラーズ)でプレーしたことでも知られる左利きのダン・カーターへの憧れから練習に取り組み、努力の積み重ねによって逆足を武器に変えたのだ。
「蹴り方をいつも真似していました。ただ、コピーするのは無理でしたね(笑)。結果的には『自分に合ったやり方をするしかない』と学ぶことができました」
憧れの選手をマネするなかで気付かされた“違い”。その一つが「キックの飛距離が出ない」ことだったという。
「少しでも距離を稼ぐために、昔はピッチの左半分と右半分で蹴り足を変えていたくらいです」と話す北原であるが、ネガティブにも取れる特徴を受け入れた上で、自身のスタイルを磨いてきたという。
「ゴールを狙うキックは、力を抜いて、しっかり当てて振り切ることを意識しています。プレッシャーもありますが、何も考えないように。セットして、5歩下がって、無心でポストを見て、ボールに目を落としたら蹴りに行く。(特別な)ルーティンもないです」
また、横浜キヤノンイーグルス戦でレメキ ロマノ ラヴァのトライを導いたように、プレーの中でのキックも彼の魅力。そのコツも自身の特徴を踏まえたものだと北原は話す。
「飛ばないので、相手に取らせないことと、地面に落ちる低いキックを蹴る。それを徹底して意識しているのが、僕のスタイルだと言えます」
170cmと小柄ながら、ニュージーランド留学時にはスクラムハーフでのプレーを拒否し続けた。一昨年はAZ-COM丸和MOMOTARO'Sでトップイーストリーグを戦い、そこでの活躍でディビジョン1への道を切り拓いた。
あえて厳しいラグビー道を歩んできた「反骨の男」北原は、ハンディをも自分の武器に変えた。チームもいま、先週の大敗による悔しさをモチベーションに変えている。
「いまは、全員で修正しようと必死に取り組んでいます。上位との対戦なので厳しい戦いになりますが、自分たちの強みを出して、いいラグビーをして、勝ちたいです」
飛ばないからこそ、届くものがある。苦しいときこそ、前を向く。それを誰よりも知る北原が、思いを込めた一蹴りで勝利を手繰り寄せる。
(籠信明)



























