2026.05.03NTTリーグワン2025-26 D1 第17節レポート(BL東京 35-29 静岡BR)

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第17節(リーグ戦)カンファレンスA
2026年5月2日(土)14:30 秩父宮ラグビー場 (東京都)
東芝ブレイブルーパス東京 35-29 静岡ブルーレヴズ

指揮官からの言葉と見直したスキル。強みのスティールで救った絶体絶命のピンチ

スティールを強みにもつスクラムハーフ、東芝ブレイブルーパス東京の髙橋昴平選手

東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)は5月2日、秩父宮ラグビー場で静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)を35対29で破った。勝ち点を39に伸ばしたBL東京は3年連続のプレーオフトーナメント進出を決め、3連覇に望みをつないだ。

後半21分、絶体絶命のピンチを迎えていたBL東京を救ったのは“9人目のフォワード”と呼ばれるスクラムハーフの髙橋昴平だった。スクラムからボールを受けたフィジー代表セミ・ラドラドラに眞野泰地が立ち向かい、複数の選手が倒れた一瞬のスキに髙橋が両手を伸ばし、スティールで窮地を脱することに成功。値千金のプレーだったが、髙橋は冷静に振り返る。

「静岡BRさんは良いボールキャリアーが自信をもって当たってきて、二人目が遅れるケースがあるように感じていたので、狙えるところは狙っていこうと思っていました。スティールを僕は強みにしているので、うまくいけたかなと思います」

小柄な選手が多いスクラムハーフとしては珍しくスティールを強みにしている30歳は、後半32分にも素早くボールに絡んで相手のペナルティを引き出した。トッド・ブラックアダー ヘッドコーチは「昴平のスティールは彼自身の努力です。彼はタフで、しんどいところに頭を突っ込んでいくことができます」と賛辞を送った。

昨季までも体の強さが魅力だった髙橋は、今季に向けてスキル全般を見直してきた。そして、ブラックアダー ヘッドコーチの言葉も転機となっていた。

「(開幕前の)鹿児島合宿でトディ(ブラックアダー ヘッドコーチの愛称)から『思い詰めた感じのプレーではなく、自分らしいプレーをすれば良いのでは?』という話をしてもらいました。試合に出られないころは、チームに合わせようとしてきたのですが、やはり自分の強みを出さないと試合に出られないと思ったので、自分の何が強みで何が弱みかを見つめ直して、それが結果としてうまくつながりました」

自分らしさを生かしながら、総合力を伸ばした髙橋は、今季は11試合に先発。この日も相手ディフェンスラインの裏へのキックや、テンポの良いパスで攻撃を組み立てた。

「スペースを見ることも、判断を含めて練習してきました。今日はサム・グリーン選手が早めに動くこともあったので、自分のスキルを信じてプレーすることができました」

自身のスタイルに磨きをかけて進化した髙橋とともに、チームは重要な一戦で“BL東京らしさ”を取り戻した。個性豊かな選手たちは一丸となって、3連覇に挑戦する。

(安実剛士)

東芝ブレイブルーパス東京

東芝ブレイブルーパス東京のトッド・ブラックアダー ヘッドコーチ(右)、リーチ マイケル キャプテン

東芝ブレイブルーパス東京
トッド・ブラックアダー ヘッドコーチ

「今日の試合はコリジョン(衝突)、接点という部分にしがみつくようにして、勝つことができました。コリジョンは今週のフォーカスしたポイントでした。相手がスクラムで勝負をかけてくることも分かっていましたが、チームとしてもセットピースをコントロールすることができました。また、重要な局面で試合の流れを変えるようなスティールでのターンオーバーを何度も決められたことが非常に大きかったです。選手にとってはタフな試合でしたが、暗く、苦しいところに何度でも頭を突っ込んでくれました。絶対に勝たないといけないプレッシャーを抱えての試合でしたが、レジリエンス(跳ね返す力)、チームの信念を見せてくれました。試合開始直後にトライを取られましたが、揺れることなく戦ってくれたことを誇りに思います。多くの観客の前でリッチー・モウンガのリーグワン通算50キャップや、プレーオフトーナメント進出決定を一緒に祝えて良かったです」

──スクラムハーフの髙橋昴平はスティールなどで活躍しましたが、彼を先発させる狙いと評価を教えてください。

「昴平は昨季まではスクラムハーフとしての課題もありましたが、その中でもスティールという強みがありました。タフでしんどいところに頭を突っ込んでいくことができます。昨季終了後から『9番を自分のものにしよう』と準備して取り組んできました。杉山優平と二人で互いに良さがありますが、今季は昴平がチャンスをつかんで、9番を自分のものにしました。勝ち取ったジャージーでのプレーを心から楽しんでいて、うれしく思っています。私はフォワード出身で、ブレイクダウンは藤田貴大アシスタントコーチがしっかり担当してくれていますが、昴平のスティールは彼自身の努力です。『自分が教えてあげた』というように彼の手柄を取るつもりはまったくありません(笑)」

東芝ブレイブルーパス東京
リーチ マイケル キャプテン

「今季最後のホストゲームをたくさんのファンの前で勝利することができて、プレーオフトーナメント進出も決まって少しホッとしています。試合はセットピース、コリジョンがすべてでした。本当に『ラグビーをやってきた』という感じがします。これまでは開始直後に点を取られて崩壊してしまうケースが多かったのですが、今日は最後まで戦って、東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)らしく戦えたことをうれしく思います。来週の埼玉パナソニックワイルドナイツ戦に向けて、プレーオフトーナメント進出は決まっても、BL東京としては成長するチャンスなのでしっかり準備したいと思います。最後のホストゲームでファンに感謝の気持ちを伝えられて良かったです」

──今週はどのような準備をされたのでしょうか。

「今までどおりの準備をしてきました。コンタクトをしっかりすることの意識付けをしました。ユニット練習ではスクラムに時間を掛けて、ミーティングもしてきました。それらのすべてが結果につながったと思います。あまり特別なことはしていません。今週のスクラムミーティングにはすべて参加しました。フロントローは別の世界で、肩が隠れたり、前に出たり、角度が違ったらどうするか……など話し合っているのを全部聞いていました。相手の分析をして、ユニット練習の90%はスクラムにフォーカスしていました。今季では初めて『ちゃんとラグビーをした』感じです。いつも最初の20分で3、4トライされていましたが、今日はそれがなくて、一人ひとりの勝ちたいという気持ちが伝わったのではないかと思います」

静岡ブルーレヴズ

静岡ブルーレヴズの藤井雄一郎監督(左)、クワッガ・スミス キャプテン

静岡ブルーレヴズ
藤井雄一郎監督

「今日は本当に1点差でも勝ちたかったのですが、自分たちのミスとペナルティ、ブレイクダウン(タックル後のボール争奪戦)でも苦しんだかなと思います。スクラムについてはレフリーとのコミュニケーションがうまくいかない部分もあり、主導権を握ることができませんでした。今日もたくさんのファンが応援に来てくれたので、もう1週間練習して最終戦に向けて頑張りたいと思います」

──後半20分までチャンスはありながらなかなか得点することができませんでしたが、いかがでしょうか。

「ブレイクダウンはレフリーの判断にもよるところだと思いますが……。スクラムで思ったほどアドバンテージを作れなかったので、そこはBL東京さんが研究されていたかと思います」

静岡ブルーレヴズ
クワッガ・スミス キャプテン

「結果については残念で悔しい気持ちです。BL東京さんはブレイクダウンでプレッシャーを掛けてきたのが素晴らしかったと思います。攻め込んだところでモメンタム(勢い)を止められてしまいました。シーズンはもう1試合あるので、ここで学んだことを次に生かしたいです。自分たちが良いときも悪いときも、ファンの方々がずっと応援してくれたので、ファンのみなさんのために来週は勝利で終えたいと思っています」

──後半20分ぐらいにスクラムを連続で選択しましたが、どのような狙いがありましたか。

「ラインアウトでプレッシャーを掛けられていて、ゴールキックを狙うにも難しい位置だったのでスクラムにしました。ペナルティのアドバンテージを2回取って、3回目も押していたと思ったので、なぜアドバンテージが出なかったのかは分からないのですが、ブレイクダウンで止められてスティールされてしまいました。22m陣内に入ってからの攻撃については次に向けての改善点になると思います」

試合詳細

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