NTTジャパンラグビー リーグワン2025ー26
プレーオフトーナメント準々決勝
2026年5月24日(日)14:30 秩父宮ラグビー場 (東京都)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ vs 東芝ブレイブルーパス東京
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(D1)
5月14日に行われたNTTジャパンラグビー リーグワン2025-26 プレーオフトーナメントのメディアカンファレンス。出席したクボタスピアーズ船橋・東京ベイのキャプテン、マキシ ファウルアが自チームの注目選手を問われて、即答した選手がいる。
「末永健雄です」
いわく、「体はそんなに大きくないんですけど、日本人選手としては最強だと思います。フィジカルでも圧倒しているので、すごく期待しています」。
その言葉を本人に伝えると、末永は「まあ……、頑張ります」と、目に笑いを含ませながら答えた。ただ、その笑みの正体が、戸惑っているのか、照れているのか、それとも少しうれしいのか、第三者からは判別のつきにくいものだったりもする。
取材を受けても、そこで派手な言葉を並べることはない。そのプレーがSNSで切り取られるようなタイプでもない。だが、スピアーズの日本人フランカー陣に話を聞くと、「(末永)健雄さんはマジですごい」という言葉が返ってくる。
派手な注目を浴びることよりも、ピッチ上で仕事を全うし、仲間に信頼されることを選ぶ、純度の高いラグビー職人である。なぜ仲間たちから「すごい」と思われるのか。その理由を本人に聞くと、口から出てきたのはスティールやタックルなどの技術論ではなく、ごくシンプルな言葉だった。
「手を抜かないってところですかね。常に100%を出せるようにやっています」
2022-23シーズンから昨季途中にかけて34試合連続で先発出場。今季もレギュラーシーズン18試合中15試合で7番を背負い続けた。その妥協を許さない精神性に根ざした“100%を出し続ける姿勢”こそが、末永の強さを支えている。
「そのためにも、できるだけ痛みの少ない状態でプレーすることが大事だと思っています。打撲くらいならまだしも、関節が痛いと力も入らないですし、不安も出てきて、いいプレーができなくなるので。そこはトレーナーやS&Cコーチ陣の方々に、本当にうまくサポートしてもらっています」
昨季はひざの痛みに悩まされ、プレーオフトーナメント決勝まで続いた過酷な6連戦についても「痛すぎて、疲労どころじゃなかった」と振り返る。実は長い間、不眠にも苦しんでいた。
「でも、いまは最低でも7時間は眠れるようになりました。やっぱり違いますね。体の面は間違いなく、昨季よりいいと思います」
そして、今年もあの季節がやってきた。迎えるプレーオフトーナメント準々決勝。相手は、昨年の決勝で対戦した東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)。末永はそこにも、特別な感情を持ち込み過ぎることはない。
「(BL東京は)フィジカルでガツガツ来るイメージがあるので、そこで受けずに、自分たちから仕掛けていけたらと思います。フォワードとしては、セットピースでプレッシャーを掛けていきたいです」
“えどりく不敗神話”が崩れた最終節のコベルコ神戸スティーラーズ戦。残り1分の場面で末永が見せた“幻のスティール”。もし正当なプレーと認められていたら、また違った未来がそこにあったかもしれない。だが、末永は「そんなことを考えるだけ損」と淡々と語る。大切なのは、100%を積み重ねること。仲間たちが「健雄さんはマジですごい」と口をそろえる理由が、その背中の奥にある。
(藤本かずまさ)




























