NTTジャパンラグビー リーグワン2025ー26
プレーオフトーナメント決勝
2026年6月7日(日)15:05 MUFGスタジアム(国立競技場) (東京都)
コベルコ神戸スティーラーズ vs クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(D1)
コベルコ神戸スティーラーズとはリーグ戦で二度対戦している。1節(12月13日)は33-28で勝利、しかし18節(5月10日)は19-24で敗れている。決勝戦は果たして──(写真は5月10日、マキシ ファウルア キャプテン)台風が過ぎ去り、濡れた街を抜ける風が初夏の匂いを運んでくる。今年も、この季節がやってきた。
勝者と敗者が決まり、歓喜と悔しさが交差する場所。今季のリーグワンの頂点を決める舞台に、クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)は2年連続で帰ってきた。
ただ、その中心に立つ男がまとう空気は、1年前とは違っていた。キャプテンとして2度目の決勝戦を前に、マキシ ファウルアは穏やかな笑みを浮かべながら、静かに口を開いた。
「去年は初めてキャプテンとして迎えた決勝だったので、緊張もありました。でも今年は、すごく楽しみな気持ちが強いです。あの舞台を経験したからこその自信があります。いまは緊張というよりも、早く試合がしたい」
今季は「プレーでチームを引っ張る」ことを意識してきたという。「まだまだですけど」と前置きしながらも、「接戦の試合でも“自分らしいプレー”ができた」と、その手ごたえを口にした。
ただ、肉体一つで仲間たちを鼓舞するプレーは、無傷では成り立たない。試合中、足を引きずりながらも再び立ち上がり、戦列に戻る姿もたびたび見られた。
「骨が折れていなければ大丈夫です(笑)。痛んでも立ち上がれるなら、まだプレーできる。そういう気持ちは常に持っていました」
まさに『GRIT』。“やり抜く力”、“逆境でも折れない精神力”を意味するその言葉を、S東京ベイは今季のスローガンに掲げてきた。だがマキシにとって、それは掲げるだけのものではなく、自らに言い聞かせるものでもあった。
「大事な試合になればなるほど、プレーでチームを引っ張りたいという気持ちは強くなります。もちろん、常に100%の状態でいたいですけど、シーズンをとおして試合に出続けているので、初戦に比べればいろんなところが傷んでいる。それでも『GRIT』という言葉を、自分自身にもずっと言い聞かせてきました。“絶対できる、大丈夫”と」
MUFGスタジアム(国立競技場)で待ち構えているのは、レギュラーシーズン最終節で敗北を喫したコベルコ神戸スティーラーズ。「結果は負けましたけど、ポジティブな部分もたくさんありました」と彼はその一戦を振り返った。
「最後のところでセットピースにプレッシャーを受けていたので、そこを80分間どれだけ我慢できるか。逆に、自分たちが80分間どれだけプレッシャーを掛け続けられるか。あとは規律です。決勝という舞台では、そこが一番大事になると思います」
「あとは、やるだけです」。ファウルア マキシは穏やかな表情のまま、淀みなくそう言い切った。ここまで積み上げてきたものがある。だからこそ、何が起きてもチーム全員が一つになる。もう一歩前へ出る。最後まであきらめず、仲間を信じ続ける。それこそが、この1年掲げ続けてきた『GRIT』だった。
「最後の試合なので、シーズンをとおして積み上げてきたものをすべて出し切ります。“オールアウト”です」
楽しみながら自分たちのラグビーを貫く。その姿勢がエネルギーとなり、チームの力になることを、マキシはこの1年をとおして実感してきた。そして、そういう試合で、いい結果を残してきたことも。
だから最後に、見せてやろうじゃないか。俺たちの『GRIT』を──。
(藤本かずまさ)




























