2022.02.02NTTリーグワン 2022 D1 第4節レポート(神戸S 37-41 埼玉WK)

NTTジャパンラグビー リーグワン2022 ディビジョン1(リーグ戦) 第4節 カンファレンスA
2022年1月29日(土) 14:30 神戸総合運動公園ユニバー記念競技場 (兵庫県)
 コベルコ神戸スティーラーズ 37-41 埼玉パナソニックワイルドナイツ

埼玉パナソニックワイルドナイツのロビー・ディーンズ監督(右)、坂手淳史キャプテン

埼玉パナソニックワイルドナイツ
ロビー・ディーンズ監督

「今日、このような結果を手にできたことを大変うれしく思います。今日の試合は我々にとってとても重要な教訓となり、価値のある試合でした。コベルコ神戸さんもいいチームで、特に前半は彼らの立てた戦術どおりに試合が展開し、我々にとって苦しい展開となりました。その中で選手たちが落ち着いたプレーを続けて、最後に勝利を得ることができたと感じています。総じて今日はお互いがいいラグビーをしたと思います。今日の試合をご覧いただいたことで『リーグワン』そして日本のラグビーのレベルの高さを示せたと思います」

──先週の試合と坂手選手と堀江選手の起用の仕方が反対でしたが、その起用法の狙いを教えてください。特にプレイヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれた堀江選手にはどういうことを期待して、あの場面の交代となったのでしょうか。

「チームとしてベストなフッカーが2人いることを非常に有難く、頼もしく思っています。今日の試合の起用に関しては、先週の試合後の堀江選手のコンディションが万全ではなかったことと、坂手ゲームキャプテンのコンディションが100%に近い状態だったことが理由です。2週続けての試合でしたので、リカバリーのことも考慮した上での起用となりました。堀江選手に関しては、彼の試合での存在感だけでなく、フィジカルを含めた経験値がチームに落ち着きをもたらしてくれていると感じているので、あの時間での起用となりました」

埼玉パナソニックワイルドナイツ
坂手淳史キャプテン

「今日の試合は難しい試合でした。前半からあまり上手くいかなくて、ずっと追いかける展開でした。勢いをなかなか自分達のチームに引き寄せることができず、そこで違うことをしようとして悪循環になってしまう場面も多かったです。ルーズボールに関しても、自分達が一歩及ばない場面も前半にはありました。後半は継続して攻め続けることができ、最終局面で勝ち切れたということはワイルドナイツの強さだと思います」

──試合を通して反則が増えた理由を教えてください。そして次戦以降の対策は。

「前半9つ、後半5つのペナルティがあったと認識しています。私たちのチームは『規律』ということを強みにしたチームですので、これだけの数のペナルティを出したことは反省すべきことだと感じています。ただペナルティの内容としてはノットロールアウェイ・ノットリリースザボール・モールでのオフサイドと反則の内容が明確なので、その部分を話し合って修正していきたいと思います」

──最後の場面でペナルティゴールを選択しなかったのは、逆転して勝つという強気の判断があったということでしょうか。

「はい、そのとおりです。チームにとって先週、開幕戦を迎えることができ、今日の試合では勝ち点を取りにいきたいという気持ちがあり、あの判断になりました」

埼玉パナソニックワイルドナイツの堀江翔太選手(右)、松田力也選手

埼玉パナソニックワイルドナイツ
堀江翔太選手

──前半は厳しい場面がありましたが、それをどのように見ていて、自分が入ったらどのようにしていこうと考えていらっしゃいましたか。また、最後の場面ですが、ショットかタッチか、どのように選択したプレーだったのでしょうか。

「アウェイということもあり、チームが硬くなっているように見えて、プレー中の声も少ない印象でした。ディフェンス面でも個人に任せてしまっている場面もあり、自分が入ったらしっかりと声がけ、声だしをしてチームを元気づけられたらと考えていました。逆転して勝とうというよりも、自分たちがやってきたアタックやディフェンスを最後まで出し切ろうというイメージをもっていました。最後の場面は松田選手を中心に声がけをして、あのプレーになりました」

埼玉パナソニックワイルドナイツ
松田力也選手

──最後の場面でショットではなく、ラインアウトという選択についてお聞かせください。また、今日の試合ではキックが不本意な結果となりましたが、その点についてもお聞かせください。

「まず最後の選択の場面ですが、4点差でラスト2分ぐらいあって、7点差以内ならボーナスを得ることができるということで、フォワードに勢いがあることも感じていましたし、5mからプレーするほうが、相手にとっても嫌な状況ではないかと考えて、あの選択になりました。結果としてはトライを決めることができ、勝てたことは非常によかったと思います。自分のパフォーマンスについてですが、3本キックを外してしまって、少しパニックになりましたが、キックが入らない時に自身がその原因を見つけて調整して、次のプレーに繋げていかなければいけないと感じています。まだまだ自分のキックを磨かないといけないと思います」

コベルコ神戸スティーラーズの左から、橋本大輝キャプテン、アーロン・クルーデン選手、デーブ・ディロン ヘッドコーチ

コベルコ神戸スティーラーズ
デーブ・ディロン ヘッドコーチ

「今日の試合では、終盤に逆転で負けてしまった結果を受け入れることは、なかなか難しく、悔しいです。ただ最後までしっかりとファイトをしてくれた選手たちに対しては誇りに思っています。自分達が求めていた結果を得ることはできませんでしたが、チームとしてやるべきことは示してくれたと感じています。試合の中で自分たちが負けている時間帯やエリアがあったので、その部分はしっかりと修正し、このシーズンを通して成長させていかなければならないと思います」

──終盤に失点が重なってしまった要因についてお聞かせください。

「細かい部分に関しては、帰ってチームでもう一度確認をしたいと思います。ただ一番の原因として考えていることは、規律の部分だと考えています。

コベルコ神戸スティーラーズ
橋本大輝キャプテン

「タフなゲームでした。自分達の勝利を信じて、今週いい準備をしてきました。自分達を信じて80分間戦おうと言っていましたが、最後の最後で自分達の甘さが出てしまいました。ただチームとしては試合を重ねる毎に成長しています。ポジティブに捉えることができる場面もあったので、今後の試合に活かしていきたいと思います」

──終盤に失点が重なってしまった要因についてお聞かせください。

「規律の崩れが一番の要因だと思いますが、終盤に勝ちが見えてきて、自分達の強みを活かしきれなかったことも要因だと考えています」

──試合では先制点をあげて、リードしながらのゲーム展開でしたが、プラン通りのゲーム展開だったのでしょうか。後半は追い上げられて逆転を許してしまいましたが、相手チームの圧力を感じていたのでしょうか。

「ほとんどの部分でプラン通りの試合でした。最初は無理してアタックし過ぎずに、キックとのバランスを考えながらプレーしようと話し合っていました。後半は相手チームというよりも自分達のプレーがルーズになってしまったかなという印象を持っています」

──最後の逆転された場面で、気持ちが焦っていたように見受けられましたが、最後まで落ち着いて勝ち切るためには、何が必要だと感じていますか。

「最後の場面では、気持ちが前に出てオフサイドになってしまいました。今シーズンの課題としてオフサイドについて、ずっと話し合ってきたのですが、最後の苦しい場面でその規律が守れなかったのが、今の我々の弱さだと思います。若いメンバーには、このようなタフなゲームを勝ちきるための経験がなかったので、いい経験になったのではないかと感じています」

コベルコ神戸スティーラーズ
アーロン・クルーデン選手

「今日は最後の最後まで結果が決まらないタフな試合で、そこでチームの一員としてプレーできたことは誇りに思っています。スポーツというものは美しい局面がある一方で、残酷な一面もあると思います。今週の試合に向けて準備してきた内容を、ほとんどの場面で完遂できたと感じています。残念なことに試合には勝者と敗者がいる中で、今日は勝者になることができませんでした。試合の中で大事な局面が何度か訪れますが、今日はその局面で相手を上回ることができなかったので、シーズンを通してこうした大事な局面で勝者として終われるようにしたいと思います」

──先制のトライやキックも決めていましたが、ご自身の本日のパフォーマンスについてお聞かせください。

「試合が終わったばかりなので、自分のパフォーマンスがどうだったかは判断することは難しいですが、試合をとおしてチームに貢献できた場面はいくつかあったと感じています。だた、試合に勝つことに貢献できなかったことに心を痛めています」

──先週の試合ではチームとしてラインの深さを意識していると伺いましたが、今日の試合ではどうでしたか。

「1週間を通して、よりいいプレーができるように準備をしてきました。日本だけでなく世界のラグビーを見ても、アタックにプレッシャーを与えるようなスピードを上げるディフェンスが増えてきています。ラインスピードを上げてくるディフェンスに対して、自分達がアタックしたいスペースに運ぶためには、ラインの深さをコントロールする必要があると考えています。先週に比べると、今日の試合では、よりラインの深さを意識できた場面が増えてきたように思います。チームとしてまだまだ成長したいと考えていますので、次戦に向けてしっかりと準備をしていきたいと思います」

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