埼玉パナソニックワイルドナイツ(D1 カンファレンスA)

注目の開幕戦。
日本代表新旧キャプテン対決が実現

埼玉パナソニックワイルドナイツが、12月17日の開幕戦で熊谷スポーツ文化公園ラグビー場に東芝ブレイブルーパス東京を迎え撃つ。リーグワン初代王者の埼玉パナソニックワイルドナイツと、昨季4位で今季の王座を狙う東芝ブレイブルーパス東京。過去の対戦で幾度も名勝負を演じてきた両軍がピッチ上で火花を散らす。

昨季のNTTジャパンラグビー リーグワンを、プレーオフトーナメントを含めて破竹の16連勝で制した埼玉パナソニックワイルドナイツ。ポールポジションの立場が士気をさらに高める。キャプテンの坂手淳史は「強豪ぞろいのリーグを制するのは簡単ではないが、連覇は自分たちしかできないこと。毎試合成長して、自分たちのラグビーを進化させていく」と静かな闘志を燃やす。

今秋の欧州遠征に7人の日本代表を送り込んだチームは、12月3日に東京サントリーサンゴリアスとの強化試合を行ったあと、4日〜9日まで開幕直前の宮崎合宿を実施。日本代表組、新加入組との融合も意味があった合宿生活では、目指すスタイルを確認した上でチーム成熟を図った。その後、熊谷に戻って最終調整を続けている。

スターティングメンバーに日本代表の稲垣啓太、ジャック・コーネルセン、南アフリカ代表のダミアン・デアレンデらが名を連ねた中で、ケガ明けの松田力也、福井翔大もメンバー入り。彼らは練習でもハツラツとしたプレーで復活をアピールしている。松田は「熊谷のグラウンドに戻って来られてうれしい。リーグで一戦一戦ステップを踏んで、自分自身も2023年に向けて歩んでいけるように最高のスタートを切りたい」と話した。リーグ連覇、そして来年に控えたラグビーワールドカップフランス大会を視野に入れる。

開幕戦での見どころの一つは、坂手とリーチ マイケルの新旧日本代表キャプテン対決だ。今秋の日本代表遠征で、坂手はリーチから多くのアドバイスを受けたという。「日本代表キャプテンとして、選手への声掛けなどチームマネジメントの助言をもらった。対戦相手としてのリーチ選手は、強いエナジーを持ってチームをドライブしてくる精神的支柱。素晴らしい選手であり、もちろんイヤな存在。いまのパフォーマンスもすごくいいので警戒している」と対戦を待つ。

皆、開幕戦への思いは強い。埼玉パナソニックワイルドナイツの野武士たちは、気持ちを一つに、多くのファンが待つ開幕戦へ向かう。

(伊藤寿学)


坂手淳史キャプテン
松田力也選手


東芝ブレイブルーパス東京(D1 カンファレンスA)

いきなりの大一番。
51歳の指揮官が参加した練習とは

2年目を迎えるジャパンラグビー リーグワンが12月17日に開幕し、昨季ディビジョン1で4位の東芝ブレイブルーパス東京は、同王者の埼玉パナソニックワイルドナイツと対戦する。

 「日本一」を狙う東芝ブレイブルーパス東京にとっては、いきなりの大一番。ここで勝利することで勢いに乗りたい。 

冷たい雨が降っていた13日の練習でも、選手たちは充実の表情でグラウンドへ。明るく声を掛け合いながら体を動かし、ポイントになる部分では表情を引き締めて動きを確認するなど、良い緊張感の中で調整が進んだ。

 小川高廣共同キャプテンは「チームとして良い準備ができていますし、早く試合がしたいですね」とやわらかな笑顔で語り、「チームスピリットとして『猛勇狼士~我ら、接点無双、猛攻猛守の紳士なり~』と掲げているので、接点の部分でウチらしい強さ、激しさを見せたいと思っています」と力強く言い切った。 

ブレイクダウン(タックル後のボール争奪戦)の練習では、51歳のトッド・ブラックアダーヘッドコーチが自らハンドダミー(タックルを受ける際に使用する衝撃吸収器具)を持って選手と体をぶつけながら熱血指導。接点における攻防は、開幕戦でも一つのポイントになりそうだ。 

日本代表で活躍したリーチ マイケル、ワーナー・ディアンズ、中尾隼太は欧州遠征後もほとんど休みをとることなくチームに合流。厳しい練習で鍛え上げられたチームに、世界トップレベルとの戦いで得た経験を伝え、さらなるレベルアップに導く。

 今季は「世界有数のユニークなクラブになる」という目標を掲げ、グラウンド外でも新たな挑戦が始まっている。そして、もちろん魅力的なラグビーを見せることも、ユニークなクラブとなる上で重要なポイントだ。小川共同キャプテンは「ファンの方が見ていて楽しいラグビーをします」と宣言している。

 個性豊かな選手たちがフォワード、バックス一体となって縦横無尽に走り回る。リーグワン優勝を目指す東芝ブレイブルーパス東京の戦いがまもなく始まる。 

(安実剛士)

小川高廣キャプテン
トッド・ブラックアダー ヘッドコーチ   

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