マツダスカイアクティブズ広島(D3)

D2復帰は至上命令。“心”を大事にダービーに挑む

2022年に発足したジャパンラグビー リーグワンのディビジョン2に参加したマツダスカイアクティブズ広島は、苦しい戦いが続いてディビジョン3へ降格することになった。2年目のシーズンはディビジョン2への復帰が目標になる中で、中居智昭ヘッドコーチはチームの仕上がり具合に上々の手ごたえを感じている。

「絶対にディビジョン2に上がるという強い気持ちをもってチームを作り上げている中で、開幕に懸ける思いが高まってきていることは今週のみんなの動きを見て確信しています。開幕戦は広島対決になりますし、ファンのみなさんにぜひハイパフォーマンスを見せたいと思っています」

社員選手と外国籍選手によって構成されているチームにおいて、一番の強みは「ファイティングスピリット」だと中居ヘッドコーチは言う。

「選手をリクルートする時点で、体を張れる選手かどうかを見ています。どんな環境だろうが、自分が体を張って少しでも前へ出てやろうっていう気概をもった選手を採用してきていますし、それがマツダの伝統です」

中居ヘッドコーチもチームの伝統を受け継ぐ人物だ。2000年にマツダでキャリアをスタートさせ、東芝ブレイブルーパス(当時)で活躍して日本代表としてもプレーしたのちにマツダに復帰。いまはヘッドコーチとしてチームをけん引している。

現在もまったく衰えない情熱でラグビーと向き合う中居ヘッドコーチは、ラグビーというスポーツの魅力をこう語ってくれた。

「ラグビーは『心・技・体』すべてがとても大事なスポーツなんですが、僕の中では『心』がベースにあります。他のスポーツは『技』の部分が重要視される部分があると思いますし、もちろんラグビーも『技』の部分は大事。それでも、格闘技の要素もあるスポーツなので根本の『心』の部分が重要なんです」

17日にBalcom BMW Stadiumに迎える相手は中国電力レッドレグリオンズ。自然と気持ちの高ぶってくる“広島ダービー”となる。

「合同練習もする知った仲ですし、広島ラグビーを盛り上げている両チームの対戦になる中で、やっぱり力が入ります。どれだけ勇気をもってボールを前に運べるか。そこを見て応援していただけなと思います」(中居ヘッドコーチ)

熱く激しい80分間が繰り広げられることは間違いなさそうだ。

(寺田弘幸)

中居智昭ヘッドコーチ


中国電力レッドレグリオンズ(D3)

激闘必至の広島ダービー。ポイントは守備

ジャパンラグビー リーグワンの開幕戦で初の広島ダービーが実現。ディビジョン3の中国電力レッドレグリオンズは12月17日にBalcom BMW Stadiumでマツダスカイアクティブズ広島と対戦する。

初戦から広島のプライドをかけたダービーマッチに臨む。中国電力レッドレグリオンズにとってマツダスカイアクティブズ広島は、ライバルであり切磋琢磨し合う存在。お互いの練習場も車で約5分と近場にあり交流も盛んだという。岩戸博和ヘッドコーチは「意識するし、負けられない相手。自分たちが成長するために必要な相手なので特別な存在です」と語った。

開幕戦から熱量が求められる試合になる。2021年に加入したエドワード・カークは「広島の企業チーム同士の対戦なのでパーフェクトなスタートだ。ウチの選手たちは会社や広島に対してとても情熱的で、それが勝利への原動力になると思う」と意気込み、「相手は昨季ディビジョン2でよりタフなチームと戦った経験があるので、間違いなくハードな試合になる」と気を引き締める。

共同キャプテンの鳥飼誠も、開幕戦に向けて強い気持ちを抱く。「今まで準備してきたことをしっかり表現して勝利をつかみ取りたい。絶対に負けられないので、相手以上の気迫をもって、お客さんにエネルギーを与えられる試合にしたい」と熱いプレーを誓った。

プレシーズンから強化に取り組んできた守備面がカギとなる。岩戸ヘッドコーチは「昨季は失点の多さが明らかに数字に出ていたので、今季は粘り強いディフェンスをトリガーにしたくて取り組んできた。ウチのチームにはあまり大きい選手がいないので、しつこいディフェンスをやっていきたい」と話す。

その上で、鳥飼はマツダスカイアクティブズ広島のフレッシュな勢いを警戒。「昨季から今季にかけて若返っていて、チームに新しい空気が入っていると思う。相手に気持ちよくアタックさせると勢いに乗らせてしまうと思うけど、そこでしっかり止められると自分たちの時間を作れると思う」。粘り強いディフェンスからリズムを作り、広島ダービーの勝ち星をつかみ取りにいく。

(湊昂大)

左から、エドワード カーク選手、西川太郎 共同キャプテン

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