埼玉パナソニックワイルドナイツ(D1 カンファレンスA)

焼肉キングのベン・ガンター。今季初先発で強敵の攻撃を食い止める

埼玉ワイルドナイツが1月15日、熊谷スポーツ文化公園ラグビー場でのホストゲームにトヨタヴェルブリッツを迎える。リーグ唯一の3連勝中で首位に立つ埼玉パナソニックワイルドナイツと、1勝2敗で8位につけるトヨタヴェルブリッツ。各国代表選手がそろう両チームが熱い火花を散らす。

埼玉パナソニックワイルドナイツは前節レッドカードを受けたダミアン・デアレンデに代わりヴィンス・アソが今季初先発。さらに日本代表のベン・ガンターが今季初スタメンで初出場となる。

ベン・ガンターはオーストラリア出身。2016年に埼玉パナソニックワイルドナイツへ練習生として加入し21年に日本代表初キャップ、攻守にアグレッシブなプレーを武器に順調にキャリアを積んできた。持ち前の明るさでチームを盛り上げるムードメーカーでもある。

22年秋の日本代表メンバーにも選出されていたが、キャンプ中に左ひじを負傷し離脱。チームでも第3節までリーグ出場がなかった。前節まではサブ組でコンディション調整を進めて、出番を待っていた。

新たな戦力が戻ってきたことについてロビー・ディーンズ監督は「フィジカルの強さがあり、ディフェンス面でチームに自信を与えてくれている。チーム全体を勇気付ける力になる」とフィールドへ送り出す。

昨季、日本一の原動力となったベン・ガンターは「昨季も良い結果に終わり(トップリーグから)2連覇となったが、今季はまた新たな戦いになる。埼玉パナソニックワイルドナイツの強みはカウンターアタックの鋭さ。そのベースにあるのがディフェンス。チームの一員としてしっかりと守って攻撃へつなげていきたい」と役割を自覚する。

気力十分のベン・ガンターの勝負飯は「焼肉」だ。「自分は、ビッグ焼肉ファンだ」と公言。195cm120kgのフランカーはオフなどには仲間とともに、焼肉食べ放題店などへ出掛けてスタミナアップを図る。

埼玉パナソニックワイルドナイツはリーグでのホスト戦16連勝中。トヨタヴェルブリッツは現在2連敗中だが、セットプレーでの強さを誇るほか、ラックからの攻撃がリーグ最速と言われ、ゲインメーターもリーグトップ。スピーディーな展開になることが想定される。焼肉キングのベン・ガンターがトヨタヴェルブリッツの攻撃を食い止めて、チーム4連勝へ貢献していく。

(伊藤寿学)

埼玉パナソニックワイルドナイツのベン・ガンター選手


トヨタヴェルブリッツ(D1 カンファレンスA)

「僕たちの100%を出す」。秋山大地は王者への挑戦を楽しみに待ち、興奮を隠さない

前節は、最後の最後でトライを奪うことができず、悔しい敗戦を喫した。記者も週明けのミーティングを見学させてもらえる予定だったが急きょキャンセルに。それだけ次の試合に向けて気持ちが高まっているということだろう。

今節の相手は、前節の勝利で首位に立った埼玉パナソニックワイルドナイツだ。知ってのとおり昨季のチャンピオンである。できれば開幕から3連勝してこの強敵と相対したかったが、変えられるのは未来だけ。チャレンジャー精神でビジターに乗り込む。

注目したいのは秋山大地だ。日本代表にも名を連ねるフィジカルモンスターは、王者のイメージを次のように語る。

「埼玉パナソニックワイルドナイツさんは一言、うまいですね。ボールをよく動かしますし、ラグビー自体のプランニングがしっかりしていて、それを全員が理解して徹底しているイメージがあります。でも、何連勝しているとかを考え過ぎると相手を大きく見過ぎてしまうので、僕たちの100%を出すつもりで戦おうと思っています」

前節、前々節を取りこぼした原因は「やるべきことをやれていないところがあった」と秋山は分析する。そこで、これまでに出た反省点を今週のミーティングでは徹底的に洗い出し、共通意識をもつことで改善に努めた。

日本代表の欧州遠征などでチームへの合流は遅れたが、自分自身のコンディションや新ヘッドコーチの戦術への理解も進んでいる。

「3試合が終わって、試合の感覚とかはすごく良くなってきていると思いますし、試合ごとに自分のパフォーマンスも上がっています。次の試合はチャンピオンを相手に、自分たちのやっていることや準備したことがどれだけ通用するのか。それにチャレンジできることもすごい楽しみですし、エキサイトしています」(秋山)

トヨタヴェルブリッツは、強い相手だからこそモチベーションも上がっている。まず必須なのは自分たちのやるべきことを全部やること。その上で選手個々がもつ最高のパフォーマンスを出すことで、王者撃破が見えてくる。

(斎藤孝一)

トヨタヴェルブリッツの秋山大地選手


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