三菱重工相模原ダイナボアーズ(D1 カンファレンスA)

相性の悪い静岡ブルーレヴズ戦。ポイントは相手の得意なスクラムの攻防

三菱重工相模原ダイナボアーズの第5節は、ホストスタジアムの相模原ギオンスタジアムで静岡ブルーレヴズを迎え撃つ。

前節、東芝ブレイブルーパス東京に競り勝ち、さらに勢いがつきそうな三菱重工相模原ダイナボアーズに対し、静岡ブルーレヴズは今季未勝利と状況は異なる。ただ、第2節の埼玉パナソニックワイルドナイツ戦では、首位を相手に互角以上の戦いを見せており簡単な相手ではない。また、三菱重工相模原ダイナボアーズにとって静岡ブルーレヴズ戦は公式戦未勝利と相性が悪く、相手が得意とするスクラムの攻防が勝機をつかむ上での一つのポイントになりそうだ。

三菱重工相模原ダイナボアーズが18日に行った全体練習では、良い雰囲気でフィットネスゲームが進む中、ハドルを組んだグレン・ディレーニー ヘッドコーチが選手に活を入れた。とても厳しく、ピッチ全体に響く大きな声で。

昨季、前所属チーム(NTTコミュニケーションズ シャイニングアークス東京ベイ浦安)で静岡ブルーレヴズと戦ったヘンリー ブラッキンは「アンラッキーなところもあって、ブルーレヴズのいまの順位は実力ではないと思う。甘く見てはいないし、おそらく今シーズンで一番ハードな試合になる。相手もセットピースを重視しているので、簡単にペナルティキックを与えて、22mラインの内側に入れてしまったら自信を持って攻めてくるだろう」と警戒する。

粘り強いディフェンスを持ち味とするチームに、アタック面でもプラスアルファをもたらしているヘンリー ブラッキンは、「(タウモハパイ)ホネティ選手らとの連係で奪った前節のトライのように、パスを出したあとに再びボールをもらうセカンドタッチがポイントになる。ハードワークしてトライを取るまで『プレーは終わらない』という意識が重要。今日の練習でも確認したが、その意識を強く持つことで、実戦でのチャンスが生かせる」と語る。

ユーティリティーバックスとして今季、全試合に出場している入団5年目のアライアサ 空ローランドは、「自分たちのパフォーマンスにフォーカスしてシーズンインしたが、良い結果が出ているので、取り組んでいることが正しいと思えるし、周りの選手を信頼してつながりがどんどん良くなっている」と今季のチームが快進撃を続けている要因を明かす。

加えて、今回の相手にはいとこのジョニー・ファアウリが所属していることもあり、「彼はいいタックルを持っている。対戦することになればエキサイティングだし、未勝利の静岡ブルーレヴズに挑戦することが楽しみ」と意気込みを語った。

相模原市民DAYと題して市内在住者を優待する今節。3区長対抗の二人三脚レースといったアトラクションも予定されている。全緑応援で猪スクラムに加わろう。

(宮本隆介)

今季好調のアライアサ 空ローランド選手


静岡ブルーレヴズ(D1 カンファレンスA)

若いフレッシュな力で空気を変えろ。山口楓斗に懸かる期待

開幕4連敗と苦しい状況に陥っている静岡ブルーレヴズ。何としても欲しい今季初勝利を懸けて戦う相手は、昇格組ながら強豪も倒して3勝1敗で4位につける三菱重工相模原ダイナボアーズだ。今節も負傷離脱している選手が多い中で、非常にタフな戦いになることは想像に難くない。

特にフルバックは、キャプテンの奥村翔が負傷中で、ここ2試合先発したキーガン・ファリアは前節でレッドカードを受け、今節は欠場する。そんな中、NTTジャパンラグビー リーグワンでデビューのチャンスを得たのが、フルバックの山口楓斗だ。

昨年、同志社大学から加入し、23歳になったばかりの山口は、「フォワードの間とか、ミスマッチを突くのが得意なので、そういうところを見てほしいです」と言うように、167cm76kgと小柄だが非常にスピードがありランプレーを持ち味とする。

加入当初から即戦力として期待されていたが、奥村の壁が厚く、今回が公式戦初出場。人懐っこい笑顔が印象的で、一際高い声でチームを盛り上げて先輩たちや女性スタッフからかわいがられている、愛されキャラでもある。

堀川隆延ヘッドコーチは、今節の展望と山口について次のように語った。

「(三菱重工相模原ダイナボアーズは)基本的に戦い方は僕らと似ていて、セットピースを起点にキックを1試合30本ぐらい蹴ってくるチームなので、そこに対してどうやってエリアを取っていくか。まずはわれわれの原点であるスクラムが大事ですが、少しランを織り交ぜながらボールを持ってアタックしていくことも大事だと思っています。その意味では、フルバックの山口がボールキャリアとして前にボールを持っていくプレーもすごく大事になる。戦略とはすごくマッチしているし、チーム全体でひたむきに一歩一歩前進していきたいと思います」

山口自身も「緊張もあるんですけど、楽しみたいというワクワクの方が強いです。今節はすごくチャンスだと思っていますし、僕が出て勝って流れを変えたいので、自分の持ち味を出してチャレンジし続けます」と意気込んでいる。

チームが苦しいときだからこそ、若いフレッシュな力で空気を変えることも求められるはず。彼が後方から飛び出して、大きな選手たちの間をスコーンと気持ち良く抜けていくシーンに期待したい。

(前島芳雄)

山口楓斗選手。「フォワードの間とか、ミスマッチを突くのが得意なので、そういうところを見てほしいです」


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