2024.02.23NTTリーグワン2023-24 第7節 相模原DB vs 静岡BR-見どころ

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1(交流戦)第7節
2024年2月24日(土)14:00 相模原ギオンスタジアム (神奈川県)
三菱重工相模原ダイナボアーズ vs 静岡ブルーレヴズ

三菱重工相模原ダイナボアーズ(D1 カンファレンスB)

今年、不惑を迎える大ベテランの復帰。
静岡BRのスクラムを打ち破り、目指す勝利

対戦する静岡ブルーレヴズについて、三菱重工相模原ダイナボアーズの安江祥光選手。「相手はスクラムにプライドを持ってくると思うので、逆にわれわれがそれを打ち砕いていければ、結果がついてくる」

三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)は1カ月ぶりの公式戦で、静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)を相模原ギオンスタジアムに迎える。

相模原DBのメンバーにはけがから復帰した選手がいる一方、前節、今季初キャップで活躍した岩下丈一郎と佐藤弘樹が先発。選手層の厚みとし烈なポジション争いがうかがえる陣容だ。

最前列中央でスクラムをコントロールするフッカーの安江祥光は第1節で負傷交代して以来の出場。この1カ月の準備期間は、「プレシーズンが戻ってきたのか」と思うほどのハードな走り込みを行うなど、充実した時間を過ごしたという。

「けがから復帰してメンバー入りした選手は前節まで歯がゆい思いをしていました。勝ち切るための最後のピースを埋めるところに自分たちがしっかりコミットしようという準備ができています。絶対に勝つというゲームの“あや”のところで、成功体験を引き寄せることができれば、そこからの伸びは1や2ではなく5、10という何かを得られるはずです」

「17年のキャリアの中でこんなに休んだのは初めて」と言う、今年で40歳を迎えるベテラン。今季は同じポジションで対峙してきた、埼玉パナソニックワイルドナイツの堀江翔太、クボタスピアーズ船橋・東京ベイの杉本博昭が引退を表明。「さびしいと思うとともに、自分自身も悔いなくやり切りたいと思います。僕は彼らみたいなスーパースターではないので、求められるまでプレーしたいです」と現役続行に迷いはない。

試合2日前、相模原DBの練習場には日本代表のエディー・ジョーンズ ヘッドコーチの姿があった。「エディーさんのお眼鏡にかなうような選手がいっぱいいると思いますし、僕もまだあきらめていません。試合を見てほしいです」と笑顔で話し、静岡BR戦を、「相手はスクラムにプライドを持ってくると思うので、逆にわれわれがそれを打ち砕いていければ、結果がついてくると思います」と展望する。

相模原DBは今節、SC相模原、ノジマステラ神奈川相模原、ノジマ相模原ライズという相模原をホームタウンとするスポーツチームと連携した公式戦初めての企画「相模原スポーツデイ」を実施。各チームのユニフォームを着たファン・サポーターやマスコットキャラクターが一堂に会する。

例えば中森隆太は、SC相模原の牧山晃政と東福岡高校でクラスメート。高校時代、互いの試合を応援しながらプロを目指していたという。この企画について「ほかの競技を見るのは新しい感覚だと思います。ラグビーを面白いと感じてもらえるように、自分の持ち味であるアグレッシブなプレーを見せたい」と意気込んだ。

(宮本隆介)

静岡ブルーレヴズ(D1 カンファレンスA)

日本代表合宿から持ち帰った刺激。
スクラムでの雄叫びが勝利への号砲に

2月には「男子15人制トレーニングスコッド福岡合宿」に招集された静岡ブルーレヴズの茂原隆由選手。「モチベーションや刺激をすごくもらえました」

ここまで3勝3敗で6位につけ、プレーオフトーナメント出場圏内に食い込んでいくことを目指す静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)。ここ1カ月の中断期間では「勝ち切る力」を付けるためのトレーニングに注力してきた。また今季は、家村健太、山口楓斗、岡崎航大といった伸び盛りの選手たちの躍動が目立っているが、その一角にまた一人名乗りを挙げてきた選手がいる。187cmの大型プロップ、茂原隆由だ。

2000年3月17日生まれで中央大学から加入3季目の茂原は、前節・花園近鉄ライナーズ戦で今季初先発をつかみ、スクラムでのパワーやラインアウトでの高さなどで勝利に貢献。そして2月には未来の日本代表候補を集めた「男子15人制トレーニングスコッド福岡合宿」に招集された。

「ああいうチャンスをもらえて、ちゃんと見てもらっていることも感じられましたし、あそこを目指してもう1回頑張ろうというモチベーションや刺激をすごくもらえました」と本人も充実感を口にする。

合宿中にはエディー・ジョーンズ ヘッドコーチとの個人面談もあり、「そこで自分に足りないと思っているところをエディーさんに話して、『じゃあそこを見ているから』、と言ってもらいました。主にディフェンス面とスクラム、プレーの安定感など。あらためてそこをしっかりやっていきたいと思っています」と自分と向き合う時間にもなった。

さらに「一人ひとりの選手のラグビーIQが高くて、しっかりと自分で考えて意図を持ってプレーしていたので、自分でももっとよく考えてプレーしたいと思いました」と語るなど、多くの収穫を持ち帰ってきた。

昨季までは3番(右プロップ)が主戦場だったが、今季は1番(左プロップ)に変わり、「最初は不安というか、できないことが多かったんですが、最近はできることが増えてきたので、スクラムの自信も付いてきました。それを実戦のフィールドにもつなげていきたいです」と成長も実感できている。

スクラムが伝統的な武器である静岡BRの中でも、すでにスクラムの強さは屈指で、藤井雄一郎監督も「いろんな部分で少しずつ精度も上がってきたし、もっともっと良くなると思います」と期待を寄せる。

プレー以外の面では、茂原は美声の持ち主としても知られ、魅力的なバリトンボイスはピッチ内でも一際よく通るという。スクラムで勝ったときの彼の雄叫びがスタンドまで聞こえてくるシーンが増えれば、静岡BRの勢いや勝ち切る力もより上乗せされていくことだろう。

(前島芳雄)



ニュース一覧へ