クリタウォーターガッシュ昭島(D3)
連勝なるか。ポイントはラインアウトとスクラム
全チームとの対戦を一巡し、2勝2敗のクリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)。前回の中国電力レッドレグリオンズ(以下、中国RR)とのビジターゲームでは、イエローカード(シンビン=10分間の退場)が2枚出た末に、自分たちのミスから敗れてしまった。リベンジマッチとなる今節は、今季2戦2勝と縁起の良いAGFフィールドで中国RRを迎え撃つ。
前回の中国RRとの一戦ではラインアウトモールから2トライを挙げているだけに、今節もラインアウトが勝利のための重要なポイントとなる。そこで注目したいのが、前節でけがから復帰したギディオン・コイージェレンバーグの存在だ。
フル出場した復帰戦を振り返り、「フィジカルについては走り込んでいたので問題なかった。ラインアウトの部分では個々のミスが多かったが、コミュニケーションを取ればすぐに改善できる」と前向きな姿勢を見せる。週中のラインアウトの練習ではさっそく円陣の中心となってコミュケーションを図った。石井洋介キャプテンも「ギッズ(コイージェレンバーグの愛称)がラインアウトの中心。フィジカルが強くて、すごく知識もある」と信頼を置く。“ギッズ”のプレーがチームを連勝へと導いてくれるはずだ。
そして、もう一人の注目は、スクラムで重要なポジションを担うプロップの栗山塁。「スクラムが自分の一番の見せ場。中国RR戦でもスクラムでプレッシャーを与えて、いい流れを作りたい」と意気込んでいる。
WG昭島の強みであるラインアウト、スクラムといったセットプレーを起点に、「スクラムからボールをもらえればなんとかします」と自信満々に話すウイングの濱副慧悟までボールをつなぐことができるか。フォワードとバックスが一体となったとき、ランニングラグビーはまた一歩前進するに違いない。
いざ、リベンジのとき。ディビジョン3の上位に食い込むためにも、まずは目の前の相手を圧倒して勝つ。先を見るのはまだ早い。
(匂坂俊之/Rugby Cafe)
中国電力レッドレグリオンズ(D3)
状態は上向き。チームの勢いを作るのは、闘志満々の藤井健太郎
1月15日のホストゲームでクリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)に勝利した中国電力レッドレグリオンズ(以下、中国RR)は、3週間ぶりの試合となる今節、ビジターゲームでWG昭島と対戦する。
この3週間の1週目は「レストウィーク」とし、主に選手たちの疲労回復やリフレッシュを優先した。チーム唯一のプロ選手であるエドワード・カークは1週間のオフとして母国オーストラリアに一時帰国。4カ月ぶりに家族と過ごす時間を楽しんだ。「子どもたちが僕のそばをずっと離れなかったのはうれしかったし、気分もリフレッシュできた」と以前にも増して笑顔が見られる。
多くのけが人も戻ってきた。今節は共同キャプテンの鳥飼誠をはじめ、溝渕篤司、浅井佑輝がリザーブに復帰。岩戸博和ヘッドコーチは、「正ポジションの選手たちが徐々に戻りつつある。(選手の起用を)やっとイジれるようになってきたし、競争も増えてくるので面白くなってきた」と話す。試合が空いた期間で選手がリフレッシュし、苦しい台所事情も少しずつ改善してきた。チーム状態は上向きだ。
その中でも、ひさびさの試合に向けて気を吐いているのが、1年目でレギュラーの座をつかんでいるウイングの藤井健太郎だ。「自分のタックルで試合の結果が決まると思っている。自分が相手に抜かれたらチームは負けるし、相手を止められたら勝てるというぐらいの気持ちで、責任感を持って臨みたい」と力を込める。
前回対戦では2トライを記録し、攻守にわたってチームの勝利に貢献した。今節もキーマンとなる23歳は「どんな相手でも1対1で負けたくない」と強敵に果敢に挑む姿勢を見せる。
「WG昭島は外にボールを振ってくるチームで、相手の正面には濱副(慧悟)さんというディビジョン3でもゲインメーター(ボールを持って前に進んだ距離)がトップクラスの選手がいる。そこを止めるのが僕の仕事。僕のサイドで抜かれるか抜かれないかの勝負を見てほしい」
持ち味のアグレッシブさを前面に出し、「試合の間隔が空いたので、次の試合はファーストプレーでその後の自分のパフォーマンスが決まってくる。緊張感はあるけど、最初から気合いが入ったプレーを見せたい」と意気込む藤井。3週間ぶりのWG昭島戦は、闘志満々の男がチームの勢いを作ってくれるはずだ。
(湊昂大)