2024.02.11NTTリーグワン2023-24 D3 第6節レポート(WG昭島 51ー41 中国RR)

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン3 第6節
2024年2月10日14:30 AGFフィールド (東京都)
クリタウォーターガッシュ昭島 51ー41 中国電力レッドレグリオンズ

大荒れのシーソーゲームに勝利!
スコアに表れたWG昭島の強みと課題

勝利の原動力となったふたり。クリタウォーターガッシュ昭島のピアーズ・フランシス選手(中央)とホセア・サウマキ選手(左)

クリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)が中国電力レッドレグリオンズとのシーソーゲームを制し、リーグワン初年度から続くAGFフィールドでの連勝記録を7に伸ばした。試合の最終スコアは51対41。両チーム合わせて13トライ、イエローカード3枚、ペナルティの数は22と、大荒れの試合展開となった。

WG昭島を勝利に導いたのはピアーズ・フランシスとホセア・サウマキの活躍だろう。ピアーズ・フランシスはイングランド代表の経歴を持つベテラン。ホセア・サウマキはキヤノンイーグルス(現・横浜キヤノンイーグルス)やサンウルブズなどでも活躍したフィジカルモンスター。ここまで不完全燃焼が続いていた新加入の二人が、ようやく本来の姿に戻ってきた。

「(ホセア)サウマキの強みであるボールキャリーを生かすために、意識的にスペースがあるところへボールを渡しました。この4試合、アップダウンがあったのですが、二人で一緒にプレーしてきて、だんだんといいコンビネーションができてきたと思います。オフフィールドのところで時間をたくさん使えたのも、いいアシストにつながったと思います」(ピアーズ・フランシス)

一方のホセア・サウマキも、「ピアーズ(フランシス)がすごい選手というのは知っているので、どんな小さなコミュニケーションも取っていきたいです。ピアーズの自信が高まれば、チームも上位進出できると思います」。

試合の内容について話が及ぶと、二人の共通認識が浮き上がる。「ディフェンスのときの規律意識を高めること。特にブレイクダウンでの状況判断を良くすること」。いずれもワイクリフ・パールー ヘッドコーチ、石井洋介キャプテンともに会見で言及した点でもある。

スコアボードに刻まれた得点「51」、合計7トライの数字を見れば、アタックの力があることは間違いない。しかし、相手の得点も「41」。この試合でのペナルティは「16」に上った。

WG昭島の課題は明らかだ。ペナルティの数を減らすことができるかどうか。それがWG昭島の上位進出のカギとなる。

(匂坂俊之/Rugby Cafe)

クリタウォーターガッシュ昭島

クリタウォーターガッシュ昭島のワイクリフ・パールー ヘッドコーチ(左)、石井洋介キャプテン

クリタウォーターガッシュ昭島
ワイクリフ・パールー ヘッドコーチ

「この2週間はチームとしてタフな状態が続いていました。絶対に勝たないといけない試合だったので、選手たちを誇りに思います。キャプテン陣がリーダーシップを発揮してくれました。けが人が多い中で勝ててよかったです」

──41失点。ディフェンスに課題が残る試合だった。

「ブレイクダウンでの状況判断が課題です。特に前半は、タックルで(相手を)ひっくり返してからボールに行くというのができていませんでした。試合前に規律は大事だと話しましたが、そこは改善すべき点です」

──リーグワンデビューとなった松島聡選手の評価をお願いします。

「サイズはありませんが、ほかのセンターとは違う強みをチームに与えてくれています。今日のプレーの内容を今後もキープすることが、彼の課題です。成長していってほしいと思います」

──これからディビジョン3の上位にいくために必要なことはなんでしょうか。

「ディフェンスの規律。あとは敵陣に入ったときにトライを取る確率を上げることが必要です」

クリタウォーターガッシュ昭島
石井洋介キャプテン

「非常にタフな試合でした。これまでの4試合で、自分たちの形を見つけられなかった。迷っている中での試合だったが、今日の試合は前半から選手たちがアタッキングマインドを実行してくれたおかげで、一つの形が見えたと思います。収穫のある試合でした」

──ディフェンスに課題の見えた試合だった。

「クリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)はアタックのチームだと思うので、アタックしていることが最大のディフェンスだという認識をもってプレーしていきたいです。あとは簡単なミスを減らせば、自然とディフェンスの時間は減っていくと思うので、より安定した試合ができると思います」

──リーグワンデビューとなった松島聡選手についてはどんな印象をお持ちですか?

「(江本)洸志と並ぶ、もう一つのエンジン。チームを一段階上げるために必要な人材だと思います。考えてプレーできるし、激しいプレーもできる。練習からいいパフォーマンスを出すことで、WG昭島のバックスがさらにレベルアップできると思います」

──今後、上位にいくために必要なことはなんでしょうか?

「プロ選手の合流が遅かったので、お互いのことをあまり知りませんでした。試合をとおして徐々にフィットしていきていますが、チーム全員で同じ絵を見ることが必要だと思います。あとは自分たちにフォーカスすること。自分たちのやりたいラグビーができれば、相手にとっても脅威となるはず。敵より自分たちの形を極めていきたいです」

中国電力レッドレグリオンズ

中国電力レッドレグリオンズの岩戸博和ヘッドコーチ(右)、西川太郎 共同キャプテン

中国電力レッドレグリオンズ
岩戸博和ヘッドコーチ

「41点も取って負けるというのは想定していませんでした。WG昭島の強いプレーに我慢し切れずに、気持ち良くアタックをさせてしまいました。ディフェンスでもっとプレッシャーを掛けられたところもあったと思います」

──前節と比較してペナルティが増えたことについてはいかがでしょうか?

「自分たちでコントロールできるところのペナルティ、それからボールコンテストの部分のペナルティが多かったです。そこは修正していきたい」

──後半は一人多い状態でスタートしたが、チャンスを生かし切れなかった。

「(WG昭島の1枚目のイエローカードで)相手のバックスがシンビンになったときは選手に助言をしましたが、(WG昭島の2枚目のイエローカードで)フォワードが抜けているときは、キャプテンも自覚しているだろうということで、きちんと指示を伝え切れていませんでした。私のミスです」

──次節に向けての修正点はなんでしょうか?

「もう1回、ディフェンスの部分でリズムを作っていきたい。そこはブレないでやっていくつもりです」

中国電力レッドレグリオンズ
西川太郎 共同キャプテン

「2週間いい準備をしてきて、ビジターで勝ち切ろうと試合に臨みましたが、ディフェンスのところで我慢できずに、簡単にトライを与えてしまいました。収穫はアタックのところですが、ウチはディフェンスから流れをつかんでいくチームなので、2週間後の次の試合に向けて、ディフェンスの部分を立て直していきたいと思います」

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