2024.02.09NTTリーグワン2023-24 第6節 WG昭島 vs 中国RR-見どころ

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン3 第6節
2024年2月10日14:30 AGFフィールド (東京都)
クリタウォーターガッシュ昭島 vs 中国電力レッドレグリオンズ

クリタウォーターガッシュ昭島(D3)

「自分の持てる力を出し切って勝ちたい」。
つなぐ役割の男が迎える注目のデビュー戦

けがから復帰、ようやくリーグワンにデビュー、クリタウォーターガッシュ昭島の松島聡選手。「アタックの一つ目のフェーズ」でのつなぐ役割に期待

2月10日、クリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)は、第6節となるAGFフィールドでのホストゲームに、勝ち点で並ぶ中国電力レッドレグリオンズを迎えての一戦に臨む。リーグワン初年度から続くAGFフィールドでの連勝記録をさらに伸ばし、シーズン後半戦の巻き返しに勢いをつけることができるか。

この試合でリーグワンデビューを飾るのは、2023年加入の松島聡だ。シーズン前からのけがの影響もあり、同期入社の選手たちの中では最後のリーグワンデビューとなるが、そのぶん、松島に懸かる期待は大きい。

松島は自分自身を「器用貧乏」だと表現する。「これまでのチームでは、本職の選手がいないときに、そのポジションの穴を埋める役割が多かったので」。世田谷区ラグビースクールではハーフ団、大分舞鶴高校ではフルバックとスタンドオフ。筑波大学では3年になってから現在のポジションであるセンターになった。さまざまなポジションを経験してきた松島は、WG昭島のこれまでの試合を見てきて気づいたことがある。「一人ひとりうまい選手がたくさんいるけど、それがつながっていない。もったいない」と。だからこそ、「今節での自分の役割が明確になった」と松島は言う。

「いまのチームの状況からして、自分でボールキャリーをするというよりも、ボールを回せるセンターのほうが必要だと思う。トライに絡むよりも、アタックの一つ目のフェーズ、起点になる。そこのつながりのところを補うようなプレーをしたい」

確かに、WG昭島のバックス陣はランを得意とする選手が多い。そこに「つなぐ役割」の松島がうまくハマれば、WG昭島のアタックの最後のワンピースが完成するはずだ。

「あとは、相手の球出しのスピードを遅らせたり、ぎりぎりの細かいプレーを見てほしい。気負わずに、自分の持てる力を出し切って勝ちたい」と意気込む。松島がチームにどんな新しい風を送り込んでくれるのか、注目のデビュー戦がやってくる。

(匂坂俊之/Rugby Cafe)

中国電力レッドレグリオンズ(D3)

初白星の勢いをつなぐ大事な一戦。
中国RRが講じるのはダブルタックル

前節の勝利では「まずは自分たちでコントロールできるペナルティを絶対に減らそうと声を掛けていた」という中国電力レッドレグリオンズの西川太郎 共同キャプテン

前節の広島ダービーで今季初勝利を収めた中国電力レッドレグリオンズ(以下、中国RR)。今節は2月10日にクリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)とのビジターゲームで今季初の連勝を狙う。

第3節のWG昭島戦を含む開幕2試合では前半に善戦したものの、流れをつかみ切れず2連敗。特に課題だったのはペナルティの多さだった。どちらの試合も10以上のペナルティを重ね、自分たちのゲームができなかった。

それが、前節の広島ダービーではペナルティをわずか2に抑え、接戦を勝ち切ってチームの大きな自信となった。共同キャプテンの西川太郎は、「規律の部分を意識して取り組んだ結果が勝ちにつながって良かった。ペナルティ数が本当に少なかったので、これをスタンダードにしていきたい」と振り返る。

課題の規律面が改善された要因について、岩戸博和ヘッドコーチは「個々の意識」と指摘する。前節までの練習で選手たちが意識付けを徹底。西川は「まずは自分たちでコントロールできるペナルティを絶対に減らそうと声を掛けていた」と明かす。

試合ではウイングでフル出場した中野将宏がサイドから声を掛け続け、岩戸ヘッドコーチも「オウムのごとく『ノーオフサイド』と言っていた」と笑顔で称える。ベンチからは平山真也らが名指しで声を上げ、前キャプテンの松永浩平は途中出場でチームの気を引き締めた。ペナルティの少なさはチーム一体で課題に向き合い、意識高く戦った成果だった。

前節の規律への意識をベースとし、今節はレベルアップを目指す。より屈強な選手がそろうWG昭島に対し、体格で劣る中国RRが講じるのはダブルタックル。前節の課題でもあるが、「そこも意識さえすれば絶対にできる」と岩戸ヘッドコーチは言葉に力を込める。

引き続きフォーカスポイントへの意識を高く持ち、チーム一体で戦っていく。西川は、「相手のペースになってしまうので安易にペナルティを取られないように。あとは、相手の強い選手にいいアタックをさせないように、まずはディフェンスから入って、敵地だけど、しっかり勝ち切りたい」と力強く意気込んだ。

今節フルバックで出場する中野は、「しんどいときは声が頼りになる。フォワードは体を張ってしんどい状況が多いので、声を掛けるだけでもしんどさが紛れると思う。真後ろから見る立場なので、前節と同じように声を出していきたい」と前節に生きた声掛けを忘れない。

今節は初白星の勢いをつなぐ大事な一戦。意識高く戦った先に勝利がある。苦手な敵地だが、初の連勝でさらなる自信をつかみにいく。

(湊昂大)


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