マツダスカイアクティブズ広島(D3)

初勝利へ。「エナジーをもった」二人の新戦力が課題の得点力不足を解決する

新たなパワーを加えてマツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)は初勝利を目指していく。

2月7日に新入団が発表されたニュージーランド出身のジェイコブ・アベルと南アフリカ出身のジェームス・コンブリンクの2選手は、中居智昭ヘッドコーチも「エナジーをもった2人なので楽しみですね。間違いなく今節のキーマンになると思っています」と大きな期待を寄せる実力者だ。

ジェイコブ・アベルはスクラムハーフながらフィジカルもあるところが魅力で、「技術があって自分でランするオプションももっているので、ボールタッチが多くなるスクラムハーフで起用してどんどんチャンスを作っていきたい」と中居ヘッドコーチ。さっそくチームの中心選手としての活躍が期待される。

ジェームス・コンブリンクは193cm・120kgのサイズがありながら走力もあるプロップだ。「本当にアスリートです。ダイナミックなプレーでボールを前に運んでくれると思います」と中居ヘッドコーチ。ボールキャリーしてチームの推進力を向上させてくれるだろう。

今季まだ勝利のないSA広島は、ここまで5試合で75得点と得点力不足に苦しんできた。18日にBalcom BMW Stadiumに迎えるクリタウォーターガッシュ昭島とビジターゲームで対戦したNTT ジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン3第3節も、ペースをつかんだ序盤と力を振り絞って前へ出た終盤にトライを取り切れなかったことが敗因で、その他の4試合も得点を重ねられずに勝利をつかめなかった。それが、新戦力の加入によって課題を解決できるはずだ。

ジェイコブ・アベルは「アタックのテンポを上げていきたいし、チームとしてもフィジカルは大事なところ。そこでまずしっかりと相手を上回っていくことが勝利につながっていく」と意気込み、ジェームス・コンブリンクは「プロップらしからぬ機敏さを見せてチームに貢献していきたい。フィジカルには自信があるので80分をとおして高い強度でプレーし続けたい」と意欲満々。2選手の長所を存分に生かして相手に圧力を掛け続け、チャンスをしっかりと得点に結び付け、初勝利を手繰り寄せたい。

(寺田弘幸)

マツダスカイアクティブズ広島に新加入のジェイコブ・アベル選手


クリタウォーターガッシュ昭島(D3)

「ジャージの重み」を再認識した男は、仲間とファン、そして愛する家族のために戦う

NTT ジャパンラグビー リーグワン2022-23ディビジョン3第8節、クリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)はBalcom BMW Stadiumでマツダスカイアクティブズ広島とのビジターゲームに臨む。

WG昭島の選手のほとんどがラグビーと社業の両立を自負しているが、さすがに4週連続での試合となると、疲労はピークを迎えているに違いない。それでも、前節は前半23分にレッドカードにより14人で以降の約60分間を戦わざるを得ない状況の中、最後まであきらめず戦う姿勢を見せた。そのマインドを次につなげるためにも、今節こそ勝ち切りたい。

その大事な一戦で、今季のWG昭島のクラブキャプテンを務める小山翔也が、第3節以来のスタメン入りを果たした。「4試合、メンバーから外れていたので、すごく悔しかった。1番のジャージをもらっているのは当たり前ではなかった。出場できなかったことで、あらためてジャージの重みを感じました」。昨季は6試合でスターターだった小山にとって、試合に出られないことは想像以上に苦しい日々だったはずだ。

「スクラムでは、自分たちの強みのヒットの部分で圧倒したい。あと、自分に足りないのはタックルの部分だと思う。しっかりと体を張って相手にしがみついて離さない。泥臭く、フィジカルにプレーして、チームに勢いをつけたい」と熱く語る。ピッチの中でも外でも、自分の姿をとおしてチーム全体に“アツい”気持ちを伝えることができる。それが小山翔也という男だ。それに、小山には頑張らないといけない理由がもうひとつできた。愛娘の誕生だ。

「妻にも娘にも感謝しています。娘が生まれてまだ1カ月くらいしか経っていませんが、父親としての自覚をもってプレーしたい。父親がラグビー選手だと娘が認識できるまでプレーできたらいいですね」と目を細める。

チームメートのために。ファンのために。愛する家族のために。これまでのうっ憤を晴らすような、最高のプレーを期待しよう。そして、小山の活躍のその先には、ビジターゲームでの初勝利が見えてくるはずだ。

(匂坂俊之/Rugby Cafe)

クリタウォーターガッシュ昭島の小山翔也クラブキャプテン

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