2023.12.17NTTリーグワン2023-24 D3 第1節（SA広島 30-15 WG昭島）

NTTジャパンラグビーリーグワン2023-24　ディビジョン3（リーグ戦）　第1節
2023年12月16日（土）13:00 Balcom BMW Stadium (広島県)
マツダスカイアクティブズ広島 30-15 クリタウォーターガッシュ昭島

初キャップの3人が躍動。
SA広島に新風が吹く

マツダスカイアクティブズ広島のスクラムハーフ、前田翔哉選手。「チームはディビジョン3優勝とディビジョン2昇格に向けて進んでいるので、それに僕もしっかり貢献していきたい」

Balcom BMW Stadiumでは、マツダスカイアクティブズ広島（以下、SA広島）の若い力が躍動した。

今年加入した３人、梅本遥己、前田翔哉、田中康平が先発に名を連ねてジャパンラグビーリーグワンデビューを飾ったチームは、立ち上がりから勢いよく攻めた。前半３分に先制トライを奪ってリードしたSA広島は10-5のスコアでハーフタイムに突入する。しかし、後半に入ってすぐにクリタウォーターガッシュ昭島が杉原駿のトライで同点に追いつき、林田拓朗がコンバージョンゴールを決めて逆転に成功した。

SA広島にとっては嫌な展開になったが、自信は揺らがなかった。スクラムハーフの前田が「ゴール前までいって継続して攻めれば得点できることは前半をやって分かっていた」と試合を振り返ったように、慌てることなく攻めて後半11分に芦田朋輝のトライで再びリードすると、同23分には前田が持ち味のランを発揮してトライを奪取し、勝利を手繰り寄せてみせた。

2023-24シーズンの開幕戦を30対15で勝利したSA広島。プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選出された前田は満面の笑みを浮かべて喜んだ。

「今日がリーグワンのデビュー戦でしたけど、思ったより緊張していることはなくて、いい緊張感を持って自信を持ったプレーができたと思います。試合に出るからには絶対にプレーヤー・オブ・ザ・マッチを獲りたいと思って試合に挑んでいたので、実現できて本当に良かったですし、すごくうれしいです」

163cm/60kgの小柄な体格でも光り輝けるところを見せた前田は、大学でラグビーをやめることも考えたが、社会人と選手を両立できるSA広島から声をかけてもらって続けることを決めた。

「SA広島でなら人間としても成長できて、ラグビーも成長できる。だから入社することを決めました。ただ、仕事とラグビーの両立は難しいことで、これを長年続けている先輩たちはすごいし、尊敬しています。自分もそういうふうになっていきたいと思っています」

先輩たちの背中を見ながら日々過ごしてきた前田は、迎えたデビュー戦で躍動した。「チームはディビジョン3優勝とディビジョン2昇格に向けて進んでいるので、それに僕もしっかり貢献していきたい。チームの先頭に立ってスクラムハーフとして勝利に導いていきたい」と力強く語っている。

（寺田弘幸）

マツダスカイアクティブズ広島

マツダスカイアクティブズ広島の中居智昭ヘッドコーチ（右）、中野光基バイスキャプテン

マツダスカイアクティブズ広島
中居智昭ヘッドコーチ

「本日はありがとうございました。広島で開幕戦ができるというところで、しっかりとチーム全員で準備をしてきました。その中で勝利という形で終えられたことをチーム全員うれしく思っております。

今日のゲームのテーマとしたのは継続のところです。笛が鳴るまで続けよう、と。昨季まで自分たちはアタックし続けることだけにこだわっていた部分があったんですが、それ以上にインプレーの時間をすごく大事にしよう、と。ターンオーバーが起こっても、もしくはターンオーバーを起こしたときも、最後まで継続し続けることを意識して戦いました。その中で良いプレーがどんどん出てきて、ちょっとペナルティでリズムを崩したところもあったんですが、流れがうちに来たのはそういった意識のところがポイントだったのかなと思います。

後半はクリタウォーターガッシュ昭島（以下、WG昭島）さんのフィジカル的なプレーにちょっと押し込まれましたが、全員で体を張って戦ってくれたことが、この勝利につながったので選手全員を誇りに思います」

──勝利でスタートできた今季の目標をお願いします。

「本当にこのディビジョン3で優勝するという思いで準備をしてきました。その中で、この１勝という第一歩が踏み出せたことをすごくうれしく思っています。目標はもちろんディビジョン3で優勝し、そしてディビジョン2に上がることですので、ディビジョン3の中でしっかりとした戦い方を続けることと、自分たちのプレーレベルをさらに上げていくことを意識して、プレーの質を上げていきたいと思っています」

マツダスカイアクティブズ広島
中野光基バイスキャプテン

「本日の開幕戦に向けて2カ月ぐらい前から分析などを行ってしっかり準備してきた中で、それをしっかりと出せて良い形で勝利できたこと本当にうれしく思います。

ゲームの内容としましては、WG昭島さんの外国人選手は本当にインパクトのあるプレーヤーが多い中で、分析の中でもそこをしっかりと止めていこうという話は出ていたんですけど、前半はそれを受けてしまってすごく簡単にスコアされてしまった部分もありました。そこをしっかりともう1回やろうというところで、良い形で修正できて自分たちの強みであるディフェンスから良い形でターンオーバーできることもあり、良い形になったと思います。反省点はやっぱりペナルティのところ。セットピースも含めてちょっと多かったので、そこは次の日野レッドドルフィンズ戦に向けてしっかり修正していきたいと思っています」

──勝利でスタートできた今季の目標をお願いします。

「目標はコーチからもありましたように、まずディビジョン3優勝というところと、しっかりと入替戦を戦った上でのディビジョン2昇格です。昨季は開幕戦に負けて勢いに乗れなくて連敗が続いてしまったので、本当に今日の開幕戦にしっかりと準備して勝利を収めたことを本当にうれしく思いますし、これからも勢いに乗って連勝していって、優勝してディビジョン２に行けるような準備をしていきたいと思います」

──プレーヤー・オブ・ザ・マッチに輝いた前田翔哉選手のプレーについて。

「ちょっと後ろにいるので言いにくいです（笑）。100点なんですけど、100点と言うと調子に乗っちゃうので80点ぐらいにしておきます。ただ、本当に彼の強みであるよく動かすラグビーをしてくれて、本当にそれにチームを助けられた。だからアイツのPOTMは妥当だと思いますし、これからも引き続き頑張ってほしいです」