NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン3(リーグ戦) 第1節
2023年12月16日(土)13:00 Balcom BMW Stadium (広島県)
マツダスカイアクティブズ広島 vs クリタウォーターガッシュ昭島
マツダスカイアクティブズ広島(D3)
FW第1列にはフレッシュな面々。新たな力の台頭をチームの力に
昨季は1年でのディビジョン2復帰を目指して戦ったスカイアクティブズ広島だが、リーグ戦を4位で終えてディビジョン2との入替戦にも出場できない悔しいシーズンを過ごした。
今季はディビジョン3優勝を目標に掲げてリスタートする中、フレッシュな力がチームを推し進めていく。
特にフロントローは若くなった。バイスキャプテンにも任命された2022年加入組の中野光基は、オフにフランカーからフッカーへコンバートされて練習を積んできた。「自分にとってもチャレンジングな年になると思っているので、みなさんにもチャレンジする姿を見せていきたい」と意気込んでいる。その中野とともにスクラムの1列目を担うのが、今年加入した二人になるのだから、とてもフレッシュだ。
大学を経て今年加わった梅本遥己はスタートから出場し、金山忠次はリザーブから出場のタイミングを待つことになった。彼らを抜擢して準備を進めてきた中居智昭ヘッドコーチは、「空気を読んだりしないで、本当に思いっきりダイナミックにプレーしてほしい。彼らのデビュー戦という意味でも開幕戦はすごく楽しみ」と期待を寄せており、梅本は「セットプレーが自分の強みですし、フィールドプレーではタックルですね。チームのために動きますし、チームのために体を当てていくので、そこに注目していただきたいです」とジャパンラグビー リーグワンのデビュー戦を心待ちにしている。
中居ヘッドコーチが開幕戦を「パワープレーでどちらが前に出るかがすごく大事なポイント。クリタウォーターガッシュ昭島さんが得意とするスクラムをまずは打ち砕きたい」と睨む中、若いフロントローに注目が集まる。
バックスにも楽しみな新戦力が加わっている。昨季はコベルコ神戸スティーラーズに所属したボーディン・ワッカが加入。中野が「一緒に練習していて『すげぇな』と思うプレーがいっぱいある。昨季はできなかったようなことができるなと感じています」と期待するニュージーランド人とハーフ団のコンビを組むのも、今年加入した前田翔哉。ランニングが好きなスクラムハーフも注目のプレーヤーだ。
新たな力が台頭していくエネルギーをチームの力にして、SA広島は新シーズンのスタートを切る。
(寺田弘幸)
クリタウォーターガッシュ昭島(D3)
悔しさを胸に取り組んだ鍛錬。D3優勝のために刻む第一歩
12月16日、クリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)は、Balcom BMW Stadiumに乗り込んでマツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)とのビジターゲームに臨む。今季、掲げたチームスローガンは、『Champion』。ディビジョン3で1位となり、ディビジョン2への昇格を決めるのが目標だ。
その大事な開幕戦でゲームキャプテンを託されたのは、経験豊富なフッカーの栗原良多。今秋開催されたラグビーワールドカップ2023フランス大会では、日本代表としてプレーしたアマト・ファカタヴァ(リコーブラックラムズ東京)の活躍に刺激を受けた。「大東文化大学の後輩なので、アイツには負けてられないですね」と、栗原は言う。
「まずスクラムからいい流れを作ること、特にファーストスクラムは意識したい」(栗原)。昨季、ディビジョン2昇格を懸けた入替戦では、ファーストスクラムで流れをつかめずに悔しい思いをした。その悔しさをバネに、オフシーズンは、これまで以上にフィジカルトレーニングを重ねた。その成果を披露するときが来た。
そして、今季も活躍が期待されるのがウイングの濱副慧悟。昨季はディビジョン3の個人スタッツで、ラインブレイクとゲインメーターの2部門でトップに輝いた。今季の目標は、ディフェンス突破率を加えた3冠だ。
「新しく変えたことはありません。むしろ、『減らす』という意識で、今季は自分のランに集中できるように、ほかのオプションをそぎ落としてきました。1対1の強さを生かすために、本当にそこだけに特化するイメージです。ジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京)が開幕戦で見せたトライをコピーしますよ(笑)」と濱副。個人技にさらに磨きをかけた韋駄天は、開幕戦から自慢の走りを見せてくれるはずだ。
リーグワン初年度から、いまだにビジターゲームでの勝利がないWG昭島だが、悪いジンクスを払拭することができるか。ディビジョン3の『Champion』、そして昇格へ。目の前の階段を一歩ずつ、着実に上りたい。
(匂坂俊之/Rugby Cafe)