NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン3 第3節
2024年1月6日（土）14:30 AGFフィールド (東京都)
クリタウォーターガッシュ昭島 vs 中国電力レッドレグリオンズ
クリタウォーターガッシュ昭島（D3）
今季初勝利を！
梶原瑛が目指すファンと一体になるスクラム
クリタウォーターガッシュ昭島の梶原瑛選手はリザーブでメンバー入り。「僕はフロントローなので、スクラムのところで勢いをつけることが役目だと思います」クリタウォーターガッシュ昭島（以下、WG昭島）は、1月6日、ホストゲーム開幕戦を迎える。会場となるスタジアムは、リーグワン初年度から5戦5勝、いまだ負けなしのジンクスが続くAGFフィールドだ。
今季の開幕戦からビジターゲームで2連敗と厳しい船出となっているが、中国電力レッドレグリオンズ（以下、中国RR）との対戦を前にして、WG昭島の選手たちに悲壮感はない。連敗を止めるカギとなるのは、やはりスクラムだろう。とっぷりと日が暮れ、照明に照らされた夜の昭島グラウンドにフォワード陣の声が響く。練習の最後に全員で輪になっての声出し、その中心にいるのはプロップの梶原瑛だ。トレードマークのスキンヘッドを光らせて音頭を取るのが恒例の光景になっている。
「（声出しの際の動きや言葉は）レズリー・メイキン（元WG昭島のプロップ）が持ってきてくれた文化です。僕が継承しました。最後にこの声出しをすることで、チーム全員が一つになって練習を終えることができます」
連敗スタートとなったが、前節ではスクラムの手ごたえを感じた。「2本目のスクラムで日野レッドドルフィンズにプレッシャーを掛けることができて、トライまで結びつけることができた。そこは良かったと思います」と、梶原は言う。
今季は「フィニッシャー（リザーブ選手の呼び方）」での出場が続く梶原に、自分の役割を問うと、「勝っているときも、負けているときも、チームに勢いをつけること。僕はフロントローなので、スクラムのところで勢いをつけることが役目だと思います。昨シーズンはファンの声援でチームが一体となるスクラムを組むことができたので、今シーズンもファンと一体になれるようなスクラムを組みたいです」と、どこまでも謙虚に、真面目に、そして熱く答える。
WG昭島のスクラムは、見ているほうが思わず声を出してしまう──。そんなスクラムが組めるか。選手もファンも一体となって、今シーズンの初勝利を獲りにいく。
（匂坂俊之／Rugby Cafe）
中国電力レッドレグリオンズ（D3）
どのポジションでも虎視眈々。
山口莉輝は相手に向かって突き進む
中国電力レッドレグリオンズの山口莉輝選手。バックスのセンターとして登録されているが、この試合ではフランカーとして出場する中国電力レッドレグリオンズ（以下、中国RR）は1月6日にクリタウォーターガッシュ昭島（以下、WG昭島）とのビジターゲームに臨む。
2024年最初の一戦。「昨年はけがが多い1年だった」と振り返る山口莉輝は、その悔しさを払拭すべく、「自分のプレーを生かして勝ちたい」と新年好スタートに意気込んでいる。
昨季はけがに悩まされ、離脱と復帰を繰り返した。「驚くほど自分の体が硬くて、それがけがの増えた原因だと思った」。体のケアを見直して、より入念にストレッチをするようにもなった。あらためて自分の体に向き合い、試合出場に向けて取り組んできた。
祖父の影響でラグビーを始めた山口は、子どものころから恵まれた体格を生かしたプレーを続けてきた。親からは「人に対して優し過ぎて向いていない」とも言われたが、本人は「ラグビーは体をぶつけて相手を打ちのめせるのがいいところ」と、グラウンドに立てば闘志むき出しだ。
今節はフォワードとして体を張って戦う。山口は中国RRでバックスのセンターを主戦場としているが、WG昭島戦では大学時代にやっていたフランカーで出場する。「元々プレーしていたし、イメージも少なからずある。（いつもと違うポジションは）もちろん難しいけれど、楽しんでやるしかない」と切り替えている。
「フランカーは、中央でも外に開いたときでもボールをもらえるし、けっこう自由に動けるポジションなので、そこは楽しめるところ。ボールを持ってディフェンスの間に切り込んだり、その次のアタックにつなげたりするのが好きなプレー。フォワードのほうが体をぶつけるシチュエーションが多いので、そこで当たり負けしないのがポイントになると思う」
これまでけがでプレー時間が少なかったぶん、「フラストレーションが溜まっていたし、出たい欲が湧いていた」と試合への思いを募らせていた。だからこそ、「もしこの試合でハマったら今後もフランカーでいきたい思いもある」と、どのポジションでも虎視眈々と出場機会を狙っていく。
けが明けで久しぶりの試合。もともと「緊張しい」だというが、体のぶつかり合いがそれを闘志に変える。「キックオフのときはちょっとフワフワしているけれど、1回相手とやり合うと落ち着けるし、スイッチが入る」。新年初戦での勝利へ、山口がまず相手に向かって突き進む。
（湊昂大）
