2024.01.12NTTリーグワン2023-24 第5節 相模原DB vs 埼玉WK-見どころ

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1(リーグ戦)第5節 カンファレンスB
2024年1月13日(土)12:00 相模原ギオンスタジアム (神奈川県)
三菱重工相模原ダイナボアーズ vs 埼玉パナソニックワイルドナイツ

三菱重工相模原ダイナボアーズ(D1 カンファレンスB)

イノシシ軍団の突進を見よ!
ポイントは“アタッキングスクラム”

本来は3番だが1番(左プロップ)で出場予定、三菱重工相模原ダイナボアーズの森本潤選手。前節の試合で「後半から1番に入りましたが、やれるなと感じました」

ここまで2勝2敗の三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)は今週末、全勝の埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)をホストスタジアムの相模原ギオンスタジアムに迎える。

相模原DBは前節、横浜キヤノンイーグルスに敗れたものの、7点差以内での敗戦の際に与えられる勝ち点1を獲得。中盤から失速した昨季の成績を超えるためにも、1月に入って始まった強敵とのホストエリア3連戦が踏ん張りどころだ。

今節、1番の左プロップに森本潤が入った。「ラグビースクールのころから3番(右プロップ)一筋でした。大学時代に3週間だけ1番をやったことがあるので7年ぶりになります」と明かす森本は、年明けの週から本格的に1番でスクラムを組み始めたという。森本はその手ごたえを明かす。

「近年のリーグワンは大きい3番が内側に切り込む傾向がありますが、僕は相手の1番を右側にはじき出すように当たりに行くので、力のベクトルが右側という共通点があります。(前節・)横浜キヤノンイーグルス戦の後半から1番に入りましたが、やれるなと感じました」

さらにこう付け加える。「1番をやるのは、けが人がいるという事情もあるかもしれませんが、フロントローは『誰が出てもやってやる』という気持ちを持っています」。

前節から復帰した3番の知念雄について、森本は「力強く先頭を引っ張ってくれるパワープレーヤー。スクラムも研究熱心で、みんなで問題を共有する仕事を率先してやってくれます」と信頼を寄せる。

また、「チームは今季から“アタッキングスクラム”を目標に掲げていますが、スクラムを前に押すというマインドセットがまだ、確実には根付いていません。スクラムでペナルティを取れれば、強い相手とももう少し戦えると思います」と話した。先を見据えた上で、今節に闘志を燃やしている。

「埼玉WKのフロントローには日本代表クラスの選手がいます。フォワード担当のベン・フランクス コーチからは『相手のボールはすべてプレッシャーを掛けろ』と言われています。1番としてどれだけ通用するか楽しみです。昨季はボコボコにやられたので今季は勝ちます!」

ホストアドバンテージの熱い応援を背に、イノシシ軍団は突進する。

(宮本隆介)

埼玉パナソニックワイルドナイツ(D1 カンファレンスB)

「アスリートだからこそ、できることがある」。坂手淳史主将の決意

能登半島地震について「プレーはもちろんピッチ外でも少しでも協力できればと思います」と語る埼玉パナソニックワイルドナイツの坂手淳史キャプテン

1月13日、埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)が相模原ギオンスタジアムに乗り込み三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)から勝利を狙う。開幕5連勝を狙う埼玉WKは身長206cmの南アフリカ代表、ルード・デヤハーが今季初先発。また山沢拓也が3試合ぶりに復帰する。開幕から1カ月が経過し戦力が整ってきたチームは、一丸となってビジターゲームへ向かう。

坂手淳史主将が、能登半島地震復興のためにアスリートとして支援していくことを誓っている。

震災当日の1月1日夕方。埼玉WKはウインターブレイクを終えて、リーグ再開へ向けての始動日だった。熊谷市内の練習場でも午後4時過ぎに選手たちが揺れを感じていた。

坂手主将は「コーチのスマホで北陸地方に大きな地震があったという情報を知って、チームみんなで心配していました。1週間以上が経ったいまでも被害の全貌が見えないようですし、つらい思いをしている方がたくさんいらっしゃいます。リーグワン全体でも支援活動が始まると聞いていますし、埼玉WKとしても募金活動をするなど輪が広がっています」と話す。

リーグワンは1月6、7日に第4節を実施し、各ゲームでは犠牲者の冥福を祈って黙祷が捧げられた。ホストゲームを戦った埼玉WKは試合前のスタジアム周辺で募金活動を実施し、集まった募金はリーグワンを通じて全額寄付する予定だ。

「被災地で救援が続く状況でも僕たちはラグビーをさせてもらっているので感謝していますし、プレーはもちろんピッチ外でも少しでも協力できればと思います。アスリートだからこそできることがあると思っています」

プロ選手として気持ちを引き締める坂手主将は、相模原DB戦へ向けた1月11日の実戦トレーニングでもキャプテンシーを発揮。ラインアウト、スクラムなど入念に準備を進めた。

「前節のトヨタヴェルブリッツ戦では前半に流れがつかめずに点差を離されてしまいました。修正できないとゲームが崩れてしまうと感じました。後半に巻き返して逆転できましたが、すべての試合でうまくいくとは限りません。あのゲームから学ばなければいけない」

今節の相手・相模原DB戦は、昨季までリーグ戦4連勝と相性の良い相手。「相手がどんな戦いをしてくるかは分かりませんが、相模原DBはロースコアの戦いに持ち込んでくると思います。接点の攻防とキック処理がポイント。簡単な試合にはならないと思いますが、“ワイルドナイツの戦い”を見せていきたいと思います」

坂手主将はラガーマンとしての矜持を胸にフィールドへ向かう。相模原DBは今節、スタジアム場外で募金を実施するという。選手たちの熱い気持ちが復興支援の輪を広げる。

(伊藤寿学)

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