2025.12.29NTTリーグワン2025-26 D1 第3節レポート(相模原DB 3-33 埼玉WK)

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第3節(リーグ戦)カンファレンスA
2025年12月28日(日)14:30 相模原ギオンスタジアム (神奈川県)
三菱重工相模原ダイナボアーズ 3-33 埼玉パナソニックワイルドナイツ

100キャップ達成も衰えない意欲。チームのために体を張り続ける“35歳の通過点”

通算100試合出場を達成した、三菱重工相模原ダイナボアーズの鶴谷昌隆選手

12月28日、相模原ギオンスタジアムで行われたディビジョン1第3節。三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)は埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)に敗れたものの、チームの歴史に新しい足跡を残した。後半16分、ピッチに立った鶴谷昌隆が、トップリーグとリーグワン通算100キャップの金字塔を達成したのだ。

試合後に行われたセレモニーで。左は岩村昂太選手

「自分自身としてはあまり変わりませんが、周りから『おめでとう』と言われるので、100キャップというのはすごいことなんだなと実感しています」

試合後、鶴谷は照れくさそうに、このマイルストーンを振り返った。

青森北高校、筑波大学を経て2013年にトップリーグデビュー。2021年にプロへ転向し、相模原DBへ加入した。昨季まで3季にわたり副キャプテンとしてチームを支えた。派手なプレーこそ少ないが、誰よりも体を張り続けるハードワーカーであり、まさにチームの“縁の下の力持ち”。第2節の横浜キヤノンイーグルス戦では途中出場し、数的不利の状況で値千金のスティール(ジャッカル)を決めて勝利に貢献した。

今季の3試合はリザーブからの出場となっているが、「外から相手の動きを見て、『ここならジャッカルに入れそうだな』とイメージしてから体現できている」と、ベテランらしい適応力を見せている。

100キャップへの道のりは平坦ではなかった。昨季は開幕前に肩を脱臼。シーズン中はテーピングで患部を固定して戦い抜き、終了後に手術に踏み切った。リハビリを経て調整が遅れたものの、「いまは大丈夫」と完全復活をアピールする。

その復活を陰で支えたのが、かつてNTTコミュニケーションズシャイニングアークスでともにプレーした一卵性双生児の兄・知憲さんだ。現在はトレーナーとして活動する兄の指導を仰ぎ、単なる筋力強化にとどまらず、体の連動性を高めるトレーニングに着手。35歳を迎えた肉体のケアと進化を、兄弟二人三脚で追求してきた。

この日の埼玉WK戦では、「前半の入りは良かったが、プレッシャーを与え続けられなかった」と悔しさをにじませた。ベン・ガンターら相手の強力なバックローに対し、ブレイクダウンで優位に立たれたことを課題に挙げる。

それでも、チームはトップ6入りを掲げ、フィジカル強化に自信を持つ。「縦の強さは今季の強み。伸びシロですね」と語る35歳。30歳のころに「あと5年」と語っていた現役生活はその5年目を迎えたが、「まだやりたい。現状に満足せず成長したい」と意欲は衰えない。

節目の記録を通過点に、鶴谷はこれからも相模原DBのために体を張り続ける。

(宮本隆介)

三菱重工相模原ダイナボアーズ

三菱重工相模原ダイナボアーズのグレン・ディレーニー ヘッドコーチ(左)、吉田杏キャプテン

三菱重工相模原ダイナボアーズ
グレン・ディレーニー ヘッドコーチ

「非常にタフな試合でした。埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)は素晴らしいプレーをしていました。一番差を感じたところが、敵陣の22mの中での精度です。相手はそこに入るたびにチャンスをモノにしていましたが、われわれは敵陣の中でそれができませんでした。特に最初の25分は相手にプレッシャーを掛けられていました。フィジカルでも上手くいっていたところはあったと思いますが、やはりチャンスをモノにできなかったところが一番感じた部分です。素晴らしい努力をした一方で、精度やチャンスを取り切るというところが課題だと思います」

──アタックでのラインブレイクがなかなか見られなかったと思いますが、どのように相手のディフェンスを崩そうとしていたのでしょうか。

「ブレイクダウンがかなり乱雑になっていたと思います。埼玉WKと対戦すると、ブレイクダウンには常に多くの選手が集まってきます。彼らはブレイクダウンでのセカンドエフェクトが非常に上手く、ボール(が出るところ)を遅らせてきます。われわれとしては、もっとクリーンアウトの精度を上げたいと考えていました。ゲインラインについては、キャプテン(吉田杏)やエピネリ・ウルイヴァイティたちがヤード(距離)を稼いでくれていました。しかし、埼玉WKはボールを遅らせるのがとても上手く、それによって自分たちのディフェンスの形を整える時間を稼いでいました。一度、マット・ヴァエガが外側を突破してトライかと思った場面もありましたが、TMO(テレビジョンマッチオフィシャル)で取り消されてしまいました。ブレイクダウンにおいてとても苦労しました」

三菱重工相模原ダイナボアーズ
吉田杏キャプテン

「グレン・ディレーニー ヘッドコーチが言ったとおり、前半の25分までは自分たちのやりたいラグビーができて、相手に通用した部分がすごく多かったと思います。その中で、22mに入ったときに何度もチャンスがこちらにあったにもかかわらず、小さなミスであったりペナルティであったり、そういったところで自分たちの首を絞めてしまった、そういった試合だったのかなと思います」

──埼玉WKの強さをどのように感じましたか?

「22mに入ったときの相手のブレイクダウンでの仕掛けに対して、こちらが少し遅れました。二人目の寄りの速さという部分はすごく差を感じました」

埼玉パナソニックワイルドナイツ

埼玉パナソニックワイルドナイツの金沢篤ヘッドコーチ(左)、坂手淳史キャプテン

埼玉パナソニックワイルドナイツ
金沢篤ヘッドコーチ

「最終的な結果として相手をノートライで抑えられたというのは、選手の努力がすごくあったと思っています。ゲームの流れとしては、特に入りのところからなかなか自分たちのほうに流れを持ってこられなかったのですが、そこでチームとしてしっかり働くことで流れを最終的にもってこられたというのは、選手の成長をすごく感じる試合でした」

──初キャップの選手など、若い選手のパフォーマンスへの評価や今後への期待をお願いします。

「彼らは力があるから23人の中に選んでいます。なので、期待どおりのプレーをしてくれたと思っています。特に今日、比較的難しい時間帯やいろいろなことがあったというのは、まず彼らの経験にとってすごく良かったと思いますし、そこをしっかり乗り越えたなと評価しています。デビューの本堂杏虎は、一番はタックル、ディフェンスのところというのが彼の最大の強みなので、このゲームの中でも何度も激しくディフェンスに行ってくれました。そういう意味では期待していた彼の強みを出せたと思っています。齊藤誉哉については、プレシーズンで10番もやっていましたし、ユーティリティプレーヤーということで、今回はチームの編成上10番に入りましたが、良かったと思います。いくつかプレッシャーを感じるところもあったと思いますが、すべては経験となって次につながっていくと思っています」

埼玉パナソニックワイルドナイツ
坂手淳史キャプテン

「(金沢篤)ヘッドコーチと同じような感想です。前半ですごく難しい流れのところがあったのですが、無理なプレーをしたことによって自分たちに流れがなかなか来ない時間帯もありました。そういうところでハドルを組みながら、しっかり自分たちのプレーをしていく中で、まずはチームというところにフォーカスしようという話をゲームの中でしていました。だんだん流れが自分たちのほうに向いて、前半もあの劣勢の中で良い形で終えられたのかなというのはあります。後半に入っても守る時間帯が長かったですが、良いディフェンスがあって、たくさん良いところが見せられたかなと思います。修正するところは多々ありますが、勝ちで終わるというところですごく良いゲームだったなと思います」

──昨季、ディビジョン1全体でノートライの試合は1試合しかなかったですが、埼玉WKは今季3試合中2試合目です。守備の手ごたえや進化をどのように感じていますか。

「ディフェンスコーチが良いものを落とし込んで、自分たちが反応して良いディフェンスができているというのはあります。ただ、今日に関してはたくさん(トライラインを)割られそうな部分もありましたし、最後の大外などのタックルによってノートライに抑えられたというところもあります。自分たちのミスで相手に対してプレッシャーがなくなった状態でも、自分たちの努力によって止められる部分を止めるというのは、すごくいいものが見せられたと思います。ディフェンスのところは自信を持っていますし、自陣に入られたときでも焦らずに、パニックにならずにディフェンスをし続けるというところは、今季特に良い状態でいられているかなと思っています」

試合詳細

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