NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1(交流戦)第7節
2024年2月25日(日)13:00 駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場 (東京都)
リコーブラックラムズ東京 vs コベルコ神戸スティーラーズ
リコーブラックラムズ東京(D1 カンファレンスB)
湧き上がる日本代表への思い。
そして起こす “ブラックラムズ旋風”
ここまでわずか1勝にとどまっているリコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)。中断明け最初のゲームは、2月25日、コベルコ神戸スティーラーズを駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場に迎える。
「勝ちたい。良い試合はしているけど負け、ではなかなかチームとして乗り切れない。ここから結果を積み上げていきたい」と話すのは、今季共同バイスキャプテンを務める松橋周平だ。
30歳になった。気付けば中堅からベテランの域に入っていた。
それでも、ワークレートの高いプレーは健在。2月上旬、第2期エディー・ジョーンズ体制の最初となる「男子15人制トレーニングスコッド福岡合宿」に招集された。
一報を聞いたときには「まだ、チャンスがあるんだ」が正直な感想だった。
合宿にはどん欲な若手ばかりがそろった。なんと、リーチ マイケル、ウィリアム・トゥポウに次いで3番目の年長者。だからこそ「負けねえぞ」と奮い立つ。
「すごく刺激的でした。若手の『日本代表になりたい』という気持ちが本当に強くて。どんどん前に出てくるような姿勢があったんです。僕自身、良い意味で学んだというか。『上から3番目でも負けねえぞ』という気持ちにもなりました。このチャンスを絶対逃さないようにしたい」
日本代表でのメインポジションはオープンサイドフランカー。南アフリカ代表のクワッガ・スミス(静岡ブルーレヴズ)のような(体格が小さいからこその)低いプレー、流れを変えるプレーが求められる。
「ハードワークする部分では、BR東京のラグビーから大きくかけ離れているわけではありません。ハードワークをして、自分のチームにフォーカスする。だけど頭の奥には『どういうラグビーがジャパンには必要なんだ』と入れながらプレーしたいと思っています」
BR東京が今季これまで積み上げた勝ち点は7。12チーム中10位に沈んでいる。
「アタックでのミスが多いので、まずは自分たちのラグビーを精度高く80分間やり切りたい。みんなは僕たちに期待していないかもしれないけど、僕らはトップ4に行けると信じています。絶対に行ける。ここから、世田谷から、“ブラックラムズ旋風”を起こしていきます」
後半戦、“ブラックラムズのムーブメント”を巻き起こす。
(原田友莉子)
コベルコ神戸スティーラーズ(D1 カンファレンスA)
代表候補合宿で受けた刺激。
神戸Sの若き二人のファイターに注目
8位・コベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)は今節、駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場でリコーブラックラムズ東京と対戦する。一時は3連敗を喫するなど苦境に立ったが、前節は昨季のトップ4の一角、横浜キヤノンイーグルスを撃破。今節はリーグ戦の巻き返しを加速させたい一戦だ。
2月6~7日、福岡市にある日本ラグビーの強化拠点「JAPAN BASE」で実施された「15人制トレーニングスコッド福岡合宿」。神戸Sからは昨秋開催されたラグビーワールドカップ2023フランス大会のメンバーだったサウマキ アマナキ、李承信に加え、新たに二人、初参加のメンバーがいた。
その一人は7人制日本代表経験のある松永貫汰。神戸S加入3シーズン目の今季、ここまでのゲインメーター(ボールを持って前に運んだ距離)がリーグワン1位を記録する24歳だ。
「(これまでは)ほかのチームの選手と関わる機会はなかなかなかった。同じポジションの選手の動きでも、神戸Sの選手と違う動きもあったりするし、とても勉強になりました。リーチ マイケル選手や姫野和樹選手などラグビーワールドカップのメンバーもいて、リーダーシップの部分や練習での存在感などを感じました」
初の15人制日本代表候補合宿への参加。チームメートの李承信ら同世代のプレーヤーがリーダーシップを取る姿にも刺激を受けた様子の松永は「見習っていかないといけない」と充実の時間を過ごした。
もう一人は、昨季アーリーエントリーでリーグワンデビューを飾り、2023年の男子15人制世界最優秀選手賞を受賞したアーディ・サベアらとスクラムを組むティエナン・コストリー。入団当初、「3年以内に日本代表に入りたい」と語っていた23歳は、“候補”の位置まできたが、「まだ(日本代表に)選ばれていない。これからも頑張っていく」とあらためて決意を強める。憧れの選手はリーチだ。
「彼は自分が進みたい道を作ってくれた人。リーチさんみたいな選手になれるように頑張りたいと思います」
それぞれ自らのスキルアップと向き合いながら、成長の階段を一歩ずつ着実にのぼっている。ティエナン・コストリー同様、松永は神戸Sの結果と自らの成長をリンクさせた。
「チームとして結果を残して、自分としてもいまやれている以上のパフォーマンスを出し続けたい。1試合1試合、80分間とおしていいプレーを継続すること。代表選考をターゲットにしながら、自分のチームでアピールできたらと思っています」
貴重な経験を得た二人は今節、どんなプレーを見せるのか。日本ラグビーを盛り上げる、若き二人のファイターにも注目したい一戦となる。
(小野慶太)