NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 D2/D3入替戦 第2戦
2024年5月25日(土)12:00 AGFフィールド (東京都)
クリタウォーターガッシュ昭島 vs 日本製鉄釜石シーウェイブス

クリタウォーターガッシュ昭島(D3)

ゲームキャプテンの決意と覚悟。
「絶対にチャンスはある」

クリタウォーターガッシュ昭島の中尾泰星ゲームキャプテン。ディビジョン2昇格については条件が厳しい現状だが「絶対にチャンスはあると思います」

NTTリーグワン2023-24 D2/D3入替戦の第2戦。クリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)は、AGFフィールドに、日本製鉄釜石シーウェイブス(以下、釜石SW)を迎えて、ディビジョン2昇格を懸けた最後の決戦に臨む。

第1戦のビジターゲームを19対37で落としたWG昭島が昇格を果たすためには、19点差以上をつけての勝利、もしくは、3トライ差以上をつけて勝利し、ボーナスポイントを手に入れる必要がある。いずれも挑戦者にとっては厳しい条件ではあるが、下を向く選手は誰一人いない。

最終決戦を前に、チームを鼓舞するのは、今季の途中からゲームキャプテンを務めることが増えた中尾泰星だ。大分舞鶴高校、同志社大学でもキャプテンを務めた経験があるだけに、キャプテンシーには長けている。

「キャプテンになったからといって、やることは変わらないです。“チームのために”と、考え過ぎるよりも、まずは自分にフォーカスして、いいプレーをしようと心掛けています」

ワイクリフ・パールー ヘッドコーチからゲームキャプテンに指名されたという中尾泰星だが、シーズン序盤は控えからの出場が続いていた。いま思えば、そのときの時間が生きていると言う。

「(途中出場のときは)自分からボールをもらいに行って勝負をしてみたり、相手が疲れているときにジャッカルにチャレンジしてみたりと、思い切ったプレーを選択できました。それが積み重なって、いいイメージがつかめるようになって、スタメンで出場するときも、無意識にそういうプレーができるようになったと思います」

D2昇格に向けて、中尾泰星の胸にあるのは「逆転」の2文字だ。

「先週の試合も、スクラムでは勝っていたと思っています。アタックでも、ウチの強みであるウイングに相手が苦労していたのは分かったので、絶対にチャンスはあると思います」

むき出しの闘志が逆転への扉を開くカギとなるか。2年連続の顔合わせとなった両チームの運命はまもなく明らかになる。

(匂坂俊之/Rugby Cafe)

日本製鉄釜石シーウェイブス(D2)

「ファンをドキドキさせない試合にします」。
ラグビーの怖さを知る34歳が誓うD2残留

日本製鉄釜石シーウェイブスの武者大輔選手。「釜石SWのファンをドキドキさせない試合にします」

D2/D3入替戦第2戦は5月25日の12時にキックオフ。日本製鉄釜石シーウェイブス(以下、釜石SW)は、AGFフィールドに乗り込み、クリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)と対戦する。

5月19日に行われた第1戦では釜石SWが37対19でWG昭島を下し、勝ち点4を獲得。規律を維持し、ディフェンスで圧力を掛け続けた釜石SWが我慢比べを制した試合だった。

「焦りからくるWG昭島の荒いプレーに対して、自分たちは自制心を失わずプレーできました。ここ数試合の中でもペナルティ数は少なかったですし、それが自分たちを律して試合ができたということにつながっていると思います」

この試合でも持ち前の強烈なタックルやスクラムで存在感を発揮した武者大輔は試合をこう評価した。入替戦は2週間で同じ相手と二度対戦するだけに、1勝、1トライが、来季、自分たちがどこでプレーするかに大きな影響を与える。

「『一つのミスが展開を変える。負けられない』といったプレッシャーはあります。でも、僕自身はそういったヒリヒリしたムードのほうが楽しめるタイプなので問題ないです」(武者)

勝利した第1戦で活躍が目立った阿部竜二、落和史ら若手に対しては「いいプレーをしてくれました。でも、ボールを持っていないときの指示や準備のところでまだまだ向上しなければいけない部分があります」と言及する。文字にすると厳しいだけの言葉に感じるが、表情からはそれだけではなく、朗らかさも感じたのも印象的だった。おそらく言葉に内包されていたのは彼らに対する期待や愛情であり、『同じチームメートとしてもっとレベルアップするんだ』という強い向上心。将来的に指導者を目指している武者ならではの視点や指摘にも感じた。

勝負の第2戦。第1戦で得たアドバンテージはあるが、まだ何も手にしてはいない。ラグビーの怖さも熟知している武者は、今月に誕生日を迎え34歳になった。「釜石SWのファンをドキドキさせない試合にします」。そう言い残し、決戦の舞台に赴く。

(髙橋拓磨)


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