NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第1節(リーグ戦) カンファレンスB
2024年12月21日(土)12:10 三重交通G スポーツの杜 鈴鹿 (三重県)
三重ホンダヒート vs リコーブラックラムズ東京
三重ホンダヒート(D1 カンファレンスB)
三重で戦う1試合、1試合が貴重な機会。
2年越しの“ホストゲーム初勝利”を
D1昇格2年目を迎える三重ホンダヒート(以下、三重H)の2024-25シーズン開幕戦は、12月21日(土)12時10分に三重交通G スポーツの杜 鈴鹿でリコーブラックラムズ東京と相まみえる。
2年後の2026-27シーズンから栃木県宇都宮市への移転が決定しているチームにとっては、現ホストエリアである三重で戦う1試合、1試合がとても貴重な機会となる。昨季はホストゲームを一度も白星で飾ることができなかったため、選手が抱く勝利への渇望は並々ならぬものがある。
「ホストのファンの皆さまの前でまずは1勝。それにフォーカスしていきたいです。今季は新加入選手がたくさん入りましたし、レベルももう一つ上がったと感じます。開幕が楽しみですね」
三重で生まれ育ち、“ホンダひと筋13年目”を迎える35歳の山路健太は、5季ぶりに復帰してきたレメキ ロマノ ラヴァとともにチーム最年長だ。
そのベテランは、チームに確かな変化を感じている様子。「まずはフィジカルの向上です。ラグビーで一番大事なところですし、そこで勢いをつけてトライを取りたいですね。また、守備の細かいシステムも全員で共有できていますし、ディフェンス力は上がっていると思います」。昨季はリーグ最多の744失点を喫し、守備は大きな課題であった。しかし、その点については世界的名将キアラン・クローリー ヘッドコーチの下、着実に改善が進められているようだ。
そして、注目すべき選手に挙げるのは、世界的名手たちだ。
「パブロ・マテーラ選手やフランコ・モスタート選手など世界クラスの存在がいるので、彼らの激しさや体の大きさなどをシンプルに見てほしいですね」
生え抜き選手である山路は宇都宮移転のニュースをどう受け止めたのか。「最初は驚きましたね。ずっと自分の地元にある三重Hでやらせていただきましたし、ファンの方からも『寂しい』という声もありました。ただ、チームの今後を考えればいいことなのかなとも思います。自分は年齢も年齢なのでどこまでやれるかはわからないですし、ここで戦う一日一日を大事にして、全力でやっていきたいです」と、貴重な2年間へのモチベーションを語っていた。
最後に「三重に残したいものは何ですか?」と聞いてみたところ、山路はこう答えた。
「『ホンダヒートは熱くてとてもいいチーム』ということを残したいです!」
山路が名前を挙げたパブロ・マテーラは、ラグビーワールドカップにも出場した現役アルゼンチン代表選手。『ワールドラグビー』が選出した2024年の『ドリーム・チーム・オブ・ザ・イヤー』の一員にも選ばれている。昨季は負傷に苦しんだが、今季は最初からチームを助けることができる。モチベーションは非常に高い。
「何カ月も前からみんなで開幕戦のことを話してきた。ホストゲームで、ファンの前で素晴らしい試合がしたい。個人としても、今季はケガなくここまでやれている。テストマッチで忙しく試合をしてきたことも、ポジティブに言えば『準備はできている』ということだよ。いい開幕戦にしたいね」
パブロ・マテーラはこう語り、白星スタートに向けての情熱を表した。
冬の鈴鹿山脈から吹き下ろす冷たい風のことを『鈴鹿おろし』という。開幕戦の三重Hは、寒気を上回るような熱さでホストゲーム勝利を目指す。
(籠信明)