NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン2 第2節
2025年1月5日(日)12:00 スピアーズえどりくフィールド(江戸川区陸上競技場) (東京都)
日野レッドドルフィンズ vs 花園近鉄ライナーズ
花園近鉄ライナーズ(D2)
開幕戦で豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)に競り負けた花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)が、日野レッドドルフィンズ(以下、日野RD)戦に挑む。
「ディビジョン2の上位のチームは昨季よりもレベルが上がっている」。向井昭吾ヘッドコーチも、あらためて1年でのD1復帰に気を引き締めるが、昇格後のチームを見据えてベースを作り上げることも今季のミッションの一つである。
開幕戦で大黒柱のクウェイド・クーパーに代わって背番号10を託されたウィル・ハリソンは早期のフィットが期待される新戦力だ。
S愛知戦では『二人のウィル』がハーフ団を形成した。ウィル・ハリソンの隣に立つのは名手、ウィル・ゲニア。U20オーストラリア代表歴を持つウィル・ハリソンだけに「人生の中で、(オーストラリア代表で長くプレーしてきた)クーパーとゲニアの二人は目標にしてきた選手だったので、そうした選手たちとプレーできるのは格別なモノがありました」と率直な思いを口にする。
今季、スタンドオフには丸山凜太朗もトヨタヴェルブリッツから新加入。激戦区のポジションで開幕スタメンを託されたことからも向井ヘッドコーチからの期待の大きさがうかがえる。ただ、開幕戦ではキックをすべて成功させ、20得点中10点をゲットしたが、期待されたパスワークについては「S愛知戦では前半、なかなかテンポを作り出せませんでした」とほろ苦いデビュー戦を振り返った。
クーパーとは教えを請う間柄でもありながら、同時にポジションを競う『高き壁』でもある。「同じようなプレースタイルだし、同じような試合展開にもできると思います」と秘めた自信も口にするハリソンの特徴は、やはりレフティーであるということ。「私もフルバックをやっていたので、後ろの選手にとって左利きのキックは処理しにくいんです」と日本代表でもプレーした向井ヘッドコーチは、その強みを話す。
必勝を期す日野RD戦はクーパーに背番号10を譲り、ハリソンはリザーブで出番を待つことになる。「クーパーは頼れる存在でもあるし、彼から学べることもあります。私が花園Lにいる価値は、そこにもあります」。
元オーストラリア代表の英雄から学び、そして競い合いながらチームを強くする──。ウィル・ハリソンの偽らざる本音である。
(下薗昌記)