2026.04.09[花園L]昇格は「自分の使命」。降格時のキャプテンがチームに捧げる献身

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第11節
2026年4月11日(土)13:00 AGFフィールド (東京都)
日野レッドドルフィンズ vs 花園近鉄ライナーズ

花園近鉄ライナーズ(D2)

花園近鉄ライナーズの野中翔平選手。キャプテン経験もあるので「どういう選手が2番手、3番手としてリーダーシップを発揮すればチームがラクになるかも、身をもって理解しています」

前節、レッドハリケーンズ大阪とのシーソーゲームを制し、ディビジョン2首位の座を堅持した花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)。チームとして、ひとたびスイッチが入れば、一気に試合の流れを引き寄せる爆発力は折り紙付きだ。ただ、その裏側で浮かび上がる課題は明確である。80分間をとおして、いかに安定して戦い抜くか。

「どのポジションも競争が激しく、メンバー選びは本当に難しい」。そう語る太田春樹監督が、迷いなくピッチに送り出し続ける存在がいる。野中翔平だ。

日野レッドドルフィンズ(以下、日野RD)戦でもメンバー入りを果たした野中は、今季ここまで日本人選手で唯一、全試合先発出場を続けている。ここまでD2でわずか1敗という成績が示すとおり、たとえ内容が伴わない試合でも勝ち切る勝負強さは、チームの成長を物語る。しかし、指揮官に満足はない。「試合の中で集中力が途切れる場面がある。次の試合は、80分間、自分たちの力を出し切ることにフォーカスしたい」。

野中に課せられるのは、単なるプレーヤーとしての役割にとどまらない。流れが傾いたとき、ピッチ上でチームを立て直す“もう一人の指揮官”としての責務だ。日野RD戦に向けた準備の中で、今季共同キャプテンを務める上山黎哉、そしてピーター・ウマガ=ジェンセンと意見を交わしたという。

かつてキャプテンを務めた経験は、いまも彼の中に生きている。「キャプテンの苦労は分かりますし、どういう選手が2番手、3番手としてリーダーシップを発揮すればチームがラクになるかも、身をもって理解しています」。肩書きはなくとも、その視線は常にチーム全体へと向けられている。

SNSとは距離を置く理由も野中らしい。自身のインスタグラムは昨年6月5日を最後に更新が止まっているが、「応援してくれる方がいるのは分かっています。でも、自分を発信するのが得意じゃなくて」と苦笑。言葉よりもプレーで示す。そんな実直さが、彼の本質だ。

過度に自らをアピールしたがらない男が、あえてシーズン終盤にチームをけん引する意思を見せるのはやはり「ディビジョン1に上げるのは、強い思いというよりは僕の使命です」という降格時にキャプテンを務めた男の執念でもある。

目指すのは80分間の安定走行。野中はプレーだけでなく、その声でもチームを支えるつもりでいる。

(下薗昌記)

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