2025.01.31[埼玉WK]仲間もどよめくワールドクラスのプレー。予感漂う、新スターの誕生

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第6節(交流戦)
2025年2月1日(土)14:30 熊谷スポーツ文化公園ラグビー場 (埼玉県)
埼玉パナソニックワイルドナイツ vs 浦安D-Rocks

埼玉パナソニックワイルドナイツ(D1 カンファレンスB)

新加入のトム・パートン選手。「世界的な選手が集まり、急激にレベルアップしているリーグワンで自分の力を試したかった」

昨年12月末、埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)に電撃加入した元イングランドU20代表のトム・パートン。来日から1カ月、圧倒的なスピードを誇る快速バックスがリーグワンデビュー戦となる第6節の浦安D-Rocks戦でそのベールを脱ぐ。

1月30日に発表された浦安D-Rocks戦のスタメンにトム・パートンの名が入った。同日のトレーニングではレギュラー組の最後尾で虎視眈々と戦況を見つめ、いざパスを受けるとワールドクラスのスピードと軽快なフットワークで次々とラインブレイク。そのプレーには、練習見学していたファンのみならずチームメートからもどよめきが起こった。

イギリス・オックスフォード出身の26歳。ロンドン・アイリッシュ、サラセンズでプレーしプレミアシップでもキャリアを積み上げると、今季はリーグワンへの挑戦を決断した。「いろいろな国のラグビー、そして文化を学ぶことが将来的に自分の財産になると思った。世界的な選手が集まり、急激にレベルアップしているリーグワンで自分の力を試したかった。自分のスピードとバックスとしての動きを見てほしい」。

イングランドから見ればイーストエンドにあたる日本には初来日。景色、文化、食事などすべてが新鮮で刺激的だという。「熊谷の素晴らしい環境、ワイルドナイツというクラブでプレーできることを誇りに思う。日本に来て驚いたこと? うーん、レストランに配膳ロボットがいることだね(笑)」。

12月29日に来日して年明けから本格始動。埼玉WKのラグビーをインストールし1月中旬の強化試合で実戦デビューすると、いきなり名刺代わりの2トライを決めて能力の高さを見せつけた。日本代表の山沢拓也が第3節以降欠場していることもあり、今節出番が巡ってきた。

「来日にあたってはコンディションをシャープに維持することだけを考えて準備してきた。ロビー・ディーンズ監督やマリカ(・コロインベテ)から埼玉WKの規律や伝統を教えてもらっている。また(山沢)京平も親切にしてくれて、いろいろなことを伝えてくれている。チームは2年連続準優勝と聞いたが、実際に来てみて優勝に向けてハングリーな姿勢で努力しているのを感じている。新しいチームメートと一緒にグラウンドに出て、多くのファンの前で試合ができるのを楽しみにしている」

新加入のパートンの存在と規格外のスピードが、王座奪還のラストピースになるだろう。今節の観客は、埼玉WKに新たなスターが生まれる瞬間に立ち会うことになるかもしれない。

(伊藤寿学)


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