2025.01.31[L戸田]すべては宿敵に勝つために。いまの立場でできることを全力で

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン3 第5節
2025年2月2日(日)12:00 アースケア敷島サッカー・ラグビー場 (群馬県)
ヤクルトレビンズ戸田 vs 狭山セコムラガッツ

ヤクルトレビンズ戸田(D3)

リザーブから出場をうかがう古川拓実選手

古川拓実が今節、ジャパンラグビートップイースト時代からの宿敵・狭山セコムラガッツ(以下、狭山RG)戦を前に燃えている。

トップイースト時代、古川はヤクルトレビンズ戸田(以下、L戸田)をけん引する主軸だった。168cm・83kgというセンターとしては小柄なサイズを「大きな相手の下に潜り込める」と武器にし、爆発的なボールキャリーや荒ぶるように熱く戦う姿でチームを引っ張ってきた。

だが、リーグワンへの参入を機にチームが戦力補強を進めると、古川は必ずしもスタートメンバーではなくなった。現実を受け入れられず、落ち込んだ日もある。子どものころから憧れた舞台で戦えるんだ──。沸き起こる高揚感で紛らわせたこともある。

篠田正悟バックスコーチや河野嵩史ヘッドコーチには「俺の現役時代もな」と、当時の苦労話を伝えられ、自分に矢印を向けようと努めてきた。いまはリザーブメンバーに必要な技術や考え方の準備を進めてもいる。

「あいつは偉いよ。切り替えが早かった。俺の現役のときなんて、同じような経験をしたときにもっとグズグズしてたもの」

もがき、前進しようとする古川の姿に、河野ヘッドコーチも目を細めた。

L戸田は開幕2連勝と好スタートを切ったが、ここにきて2連敗。前節は首位のマツダスカイアクティブズ広島に大敗を喫した。そうして迎える今節の相手はトップイースト時代からの宿敵・狭山RG。練習グラウンドでは、古川がチームの輪の中心で意見を飛び交わせていた。個人として結果を残す。その強い思いは変わらない。だが、それ以上に、“このチームの窮地をどうにかしたい”という思いが、二重に乗っかっていた。トップイースト時代に勝ちまくっていたチームが後退していく姿は受け入れられない。

「狭山RGに対しては、みんな勝手に気合いが入ると思う。お互いに体を当て合う、泥臭い感じが似ているんでね。いつだって激しい肉弾戦になるし、絶対に負けられない」

古川には、小柄なセンターとしての矜持がある。

「シンプルに、体を張ることです。ラグビーは必ず接点があり、そこで逃げる人間を俺は信用しないし、信用されない。小さな自分が大きな相手に当たっていけば、相手は必ず1秒、2秒は止まる。その間に味方が連なるようにぶつかれば止められる」

チーム一丸で絶対に勝つんだ──。古川が燃えている。

(鈴木康浩)

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